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フリーランスエンジニアのエージェントは複数登録すべき?1社で続けた僕の判断

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フリーランスエンジニアのエージェントは複数登録すべきか(1つのフォルダと、後ろに重なる複数のフォルダ)
目次 5項目
  1. フリーランスエンジニアのエージェントは、初めは2〜3社に登録していい
  2. 複数に登録するメリット
  3. 複数に登録するデメリットと注意点
  4. 1社で2016年から続けてきた僕の場合
  5. 登録するエージェントの選び方

フリーランスエンジニアのエージェントは、知り合いからの紹介など案件の「つて」が無いなら、まず複数に登録するのが良いと僕は思います。案件もエージェントも、複数を比べて初めて良し悪しが分かるからです。

そう言いながら、僕自身はエージェント1社だけを使ってきました。2009年に新卒でSIerに入り、2016年にフリーランスとして独立してから、ずっと同じ1社です。いまも.NETを中心に、業務系システムの現場で働いています。

この記事では、複数登録のメリットとデメリットを一般的な情報として整理します。そのうえで、僕が1社で続けてきた理由と他のエージェントに登録しなかった判断を正直に書きます。

エージェントそのものの選び方は、フリーランスエンジニアのエージェントの選び方にまとめています。

フリーランスエンジニアのエージェントは、初めは2〜3社に登録していい

フリーランスエンジニアがエージェントに複数登録すること自体は、一般的に問題ありません。初めて案件を探すなら、2〜3社に登録して紹介される案件と担当者を比べるところから始めると判断しやすくなります。

複数登録に制限はない

エージェントへの登録は、1社に絞らなければならないものではありません。登録は無料のサービスが多く、複数のエージェントに登録しながら案件を探すのは、よくある使い方です。

ただし、登録と契約は別の話です。登録するのは何社でも構いませんが、案件に参画するときに契約を結ぶのは、その案件を紹介してくれた1社です。規約の細かい扱いはエージェントごとに違うので、登録するときに利用規約を一度読んでおくと安心です。

登録数の目安(調査データ)

エージェントの登録社数そのものを示す公的な調査は、2026年9月時点で確認できていません。そこで、フリーランスがどこから仕事を得ているかの調査を見ておきます。

フリーランス協会が公開している「フリーランス白書2026」(2025年11月調査、集計対象1,426人)では、仕事の獲得経路が次のようになっています。

仕事の獲得経路仕事を見つける経路(複数回答)最も収入が得られる経路(単一回答)
人脈(知人の紹介を含む)68.3%32.3%
過去・現在の取引先58.3%29.3%
自分自身の広告宣伝活動32.9%—
エージェントサービスの利用26.6%14.9%

出典:プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2026」(集計対象は副業者を除く独立系フリーランス・パラレルキャリア活動者)。エンジニア以外の職種も含む、フリーランス全体の調査です。「最も収入が得られる経路」は上位3つだけを載せています。

最も収入が得られる経路は、1位が人脈、2位が過去・現在の取引先、3位がエージェントサービスでした。知り合いや取引先という「つて」を持っている人が、仕事を得るうえでは強いことが読み取れます。

逆に言えば、つてが無い人にとってはエージェントが現実的な入口の1つになります。そして入口が1つしか無いと、紹介される案件もそのエージェントが持っている範囲に限られます。

僕も、つてが無いならまずは複数登録するのが良いと思っています。案件もエージェントも、複数を比べるから良し悪しが分かるからです。

登録数に決まった正解はありません。この記事では、初めての方には2〜3社から始めることをおすすめしています。1社では比べる相手がいませんし、社数を増やすほど連絡を返す手間も増えるので、比べられる幅と手間のバランスを取りやすいのがこのくらいだからです。

複数に登録するメリット

エージェントに複数登録するメリットは、紹介される案件が増えることと、担当者と条件を比べられることです。1社だけでは見えない「相場」や「相性」が、比べることで見えてきます。

紹介される案件が増える

エージェントごとに、持っている案件は違います。同じ.NETの業務系案件でも、あるエージェントには金融系が多く、別のエージェントには製造業向けが多いといった偏りが出ることがあります。

複数に登録しておくと、その偏りを補えます。とくに案件の切れ目が近いときは、選べる案件の数がそのまま安心材料になります。

独占案件(そのエージェントだけが扱っている案件)を持っているエージェントもあります。1社だけだと、そうした案件の存在自体を知らないままになります。

入口が複数あることは、備えにもなります。登録しているエージェントの案件が一時的に少なくなったり、担当者が替わって話が進みにくくなったりしても、別のエージェントから案件を紹介してもらえます。

担当者の合う・合わないを比べられる

エージェントの使いやすさは、会社よりも担当者で決まる部分が大きいとよく言われます。連絡の早さ、案件の説明の分かりやすさ、こちらの希望をどこまで汲んでくれるかは、担当者によって違います。

1社だけだと、その担当者が標準なのかどうかを判断できません。2〜3社の担当者と話してみると、「この人は話が早い」「この人は案件の中身をよく知っている」といった違いが分かります。

面談の前に現場の雰囲気を教えてくれるか。条件の交渉を代わりに進めてくれるか。担当者を比べるときは、このあたりを見ておくと判断しやすくなります。

担当者の良し悪しの見分け方や、合わないときの対処はフリーランスエージェントの担当者との付き合い方にまとめています。

条件と相場の情報が偏らない

複数のエージェントから案件の紹介を受けると、似た案件の単価や稼働条件を並べて見られます。自分のスキルでどのくらいの単価が狙えるのかを知る材料になります。

1社の提示額しか見ていないと、その額が高いのか低いのかを判断しにくくなります。

エージェントによっては、健康診断や会計ソフトの割引といった福利厚生、支払いサイト(稼働月から入金までの期間)の短さなどを打ち出しているところもあります。単価だけでなく、こうした条件も並べて見られるのが複数登録の良いところです。

マージン(エージェントの取り分)の説明の仕方も、エージェントによって違います。商流とマージンの確かめ方はフリーランスエンジニアのエージェントのマージン相場と商流の確かめ方に書きました。

1社で続ける場合と複数に登録する場合の比較。1社で続けると連絡の窓口が1つで済み管理の手間が少ない一方、他社と比べる材料がない。複数に登録すると紹介される案件が増え担当と条件を比べられる一方、連絡と管理の手間が増える
1社で続ける場合と、複数に登録する場合の違い

複数に登録するデメリットと注意点

エージェントに複数登録するデメリットは、連絡の手間が増えることと、同じ案件に重複して応募してしまうおそれがあることです。参画する案件が複数になれば、請求と帳簿の管理も増えます。

連絡と面談の手間が増える

登録すると、エージェントごとに担当者との面談や経歴の確認があります。案件の紹介が始まると、メールやチャットでの連絡も社数に比例して増えます。

案件の紹介に返事をしないまま放っておくと、担当者から「動きが読めない人」と見られてしまいます。複数に登録するなら、次のような決めごとを作っておくと回しやすくなります。

  • 案件の紹介に返信する目安(たとえば翌営業日まで)を決め、興味が無くても短く返事をする
  • 経歴書(スキルシート)は1つの原本を作り、各社にはそれを出す
  • 希望単価・稼働日数・リモートの希望は、全社に同じ内容で伝える

希望条件が会社ごとに違うと、紹介される案件もばらばらになります。条件をそろえておくのは、比べやすくするためでもあります。スキルシートの作り方はスキルシートの書き方にまとめています。

同じ案件に重複して応募しない

複数登録でいちばん気をつけたいのは、同じ案件に別々のエージェントから応募してしまうことです。1つの案件が、複数のエージェントを通して流れてくることは珍しくありません。

同じ人が別ルートで同じ案件に応募すると、現場や間に入る会社からは「どのエージェント経由で話を進めればいいのか」が分からなくなります。調整の手間をかけるだけでなく、印象も良くありません。

防ぐ方法はシンプルです。

  • 応募した案件を、エージェント名・案件の特徴・日付で一覧にしておく
  • 紹介された案件が、すでに応募したものと似ていたら担当者に確認する
  • ほかのエージェントでも選考中の案件があることを、担当者に正直に伝える

案件名が伏せられていても、業務内容・場所・単価の幅が同じなら同じ案件の可能性があります。迷ったら応募する前に担当者に聞けば済みます。

請求と帳簿の管理が増える

登録が複数になっても、参画する案件が1つなら契約と請求は1社とのやり取りだけです。管理が増えるのは、別々のエージェント経由で複数の案件に参画したときです。

締め日や支払日、請求書を自分で出すのかエージェント側で処理するのかは、会社ごとに違うことがあります。入金の予定がエージェントごとにずれると、どの入金がどの案件のものかを追う手間が増えます。入金日は月ごとに一覧にして、予定どおり入っているかを確かめておくと安心です。

帳簿は、ため込まないのが一番です。僕は1〜3か月に1回、口座の情報を会計ソフトに同期して仕訳をしています。入金元が増えるほど、こまめに付けておくほうが確認の手間は小さく済みます。確定申告や帳簿の付け方は個別の事情で変わるので、迷ったら税理士や税務署に相談してください。

複数登録で気をつける3つのこと。連絡と面談の手間は返信の目安を決める、同じ案件への重複応募は応募先を一覧で管理、請求と帳簿は入金日を月ごとに確認
エージェントに複数登録するときに気をつける3つのこと

1社で2016年から続けてきた僕の場合

僕は2016年に独立してから、ずっとエージェント1社だけを使ってきました。他のエージェントに登録しなかったのは、今のままで特に不満が無かったからです。

1社で続けてきた理由

1社で続けてきた理由は、2つです。

  • 案件が途切れない
  • 担当とのやり取りが楽

1つめについて。僕は独立してから、案件と案件の間に無収入の期間が一度もありません。

いまは2つの案件を受けていて、2025年4月にそのうち1つが別の現場に切り替わりました。このときにいまのエージェントから提案された案件は5〜6件くらいで、そのうち2社と面談して、どちらも合格しています。案件を探し始めてから決まるまでは1か月くらいでした。

2つめについて。担当営業とは、2か月に1回くらい「ランチMTG」という名目でZoomで30分ほど話しています。案件の現状や困っていることの相談から、プライベートの話までします。

単価の交渉も、この担当営業にお願いしています。いまは2〜3年おきに、自分から「そろそろ単価アップを交渉したい」と切り出す形です。交渉の進め方はフリーランスエンジニアの単価交渉に、単価と年収の推移はフリーランスエンジニアの年収のリアルに書いています。

1社で続けて分かること・分からないこと

今のエージェントに特に不満が無かったので、他のエージェントに登録することはありませんでした。

希望も聞いてもらってきました。フリーランスになってからは、なるべく自宅の近くの現場を探してもらっていました。おかげで2016年からは電車通勤がほとんどなくなり、自転車か徒歩での通勤が中心になりました。2020年のコロナ禍をきっかけに、いまはフルリモートです。

一方で、他のエージェントには登録していないので、他社の案件や担当者と比べた経験はありません。同じ経歴でほかのエージェントからどんな案件が紹介されるのかは、分からないままです。

エージェントのマージンの率も、僕は知りません。いまの現場の商流は、金融系が「エンド → システム開発会社 → エージェント → 僕」、もう1つの現場が「エンド → A社 → B社 → エージェント → 僕」です。商流が深いと間でムダにマージンがかかっていると思ってしまうので、できれば浅いに越したことは無いと思っています。ただ、今の現場や単価に満足していれば、それでいいと言えばいいとも思っています。

それでも、複数に登録して自分の市場価値を知るのは大事だと思っています。僕が他に登録しなかったのは、今のままで不満が無かったからです。つてが無い人や、今のエージェントに不満がある人とは前提が違います。

1社に絞ってもいい人

ここからは一般的な目安です。次のような状況なら、エージェントを1社に絞る選択肢もあります。

  • いまのエージェントから、案件が途切れずに紹介されている
  • 担当者との連絡がスムーズで、希望をきちんと伝えられている
  • 単価の交渉を、担当者経由で進められている
  • 他社の案件や条件も、一度は見比べたことがある

反対に、次のような状況なら、もう1〜2社に登録して比べてみる価値があります。

  • 初めて独立する、または知り合いからの紹介などのつてが無い
  • 紹介される案件が少ない、または希望とずれている
  • 担当者に希望が伝わらない、返事が遅いなどの不満がある
  • 今の単価が相場と比べて妥当か分からない

いま1社に不満があるなら、乗り換えを決める前に、別の1社に登録して話を聞いてみるだけでも判断材料になります。今の案件を続けながらでも登録はできます。

登録するエージェントの選び方

登録するエージェントは、得意な分野が自分の経験と合うかどうかで選びます。そのうえで、対象エリア・年齢・経験年数などの条件を比べて、自分が使えるところに絞ります。

得意分野と自分の経験で選ぶ

エージェントには、それぞれ得意な分野があります。Webの開発に強いところ、インフラに強いところ、SIer出身の業務系エンジニアに合う案件が多いところなど、さまざまです。

SIer出身で業務系の経験が長いなら、業務系や金融などの案件を多く持っているかを確かめます。僕の場合は、会社員時代に生保や損保などの金融系の案件に携わっていて、独立後も金融系の現場が続いています。自分の経験の「軸」と、エージェントの得意分野が重なっているかを見るのが近道です。

比較表で条件を確かめる

エージェントには、使える人の条件があります。対象エリア(首都圏中心か、全国か)、年齢、経験年数、会社員でも登録できるかなどです。

条件を満たしていないエージェントに登録しても、案件を紹介してもらえないことがあります。登録する前に、条件を並べて確かめておくのが効率的です。

主なエージェントの条件の比較は、フリーランスエンジニアのエージェントの選び方に表でまとめています。登録した後の面談の準備は、フリーランスエンジニアの面談対策を読んでみてください。

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この記事を書いた人

サカイ

フリーランスエンジニア

2009年に新卒でSIerに入社し、2016年にフリーランスエンジニアとして独立。.NET中心の業務系システム、金融系の案件を2016年から継続。現場では面談する側にも入っている。

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