SIer用語集|業界構造・契約・工程・現場の言葉33語を図解で引ける
全33語
SIerの仕事を調べると、「商流」「準委任」「プロパー」「精算幅」のように業界の外ではあまり聞かない言葉が次々に出てきます。求人票やエージェントの案件票にも、説明なしで書かれていることが少なくありません。このページは、SIerから転職や独立を考える人がつまずきやすい33の言葉を1ページで引けるようにまとめた用語集です。
僕は2009年に新卒でSIerに入り、2016年にフリーランスエンジニアとして独立しました。いまは受注する側の開発に加えて、発注する側(情シス)の立場でも仕事をしています。どの言葉も、現場では当たり前のように使われていました。
定義は一般的な説明として書き、僕の体験がある言葉にだけ「僕のひと言」を添えています。契約や法律に関わる言葉は、厚生労働省や公正取引委員会・e-Gov法令検索の原文を出典として示しました。ただし、個別の現場が法律に合っているかどうかはこのページでは判断できません。気になるときは、最寄りの労働局などの公的な窓口に相談してください。
検索窓に言葉を入れると絞り込めます。正式な名前が分からなくても、「下請けの下請け」のような言い換えでも探せます。
当てはまる用語が見つかりませんでした。短い言葉や、別の言い方で試してください。
業界構造
仕事が発注者からどの会社を通って現場まで届くのか、その仕組みを表す言葉です。
SIerエスアイヤー(エスアイアー)
別名・略語システムインテグレーター、SI、システムインテグレーション、ベンダー、受託開発、受託開発の会社
SIerとは、企業や官公庁から依頼を受けて業務システムの企画・設計・開発・運用までをまとめて請け負う会社のことです。「システムインテグレーション(SI)」をする会社という意味の和製英語とされ、「エスアイヤー」と読まれることが多いです。成り立ちによってユーザー系・メーカー系・独立系・外資系・コンサル系に分けて説明されるのが一般的です。SIerは会社を指す言葉で、SE(システムエンジニア)はそこで働く人の職種を指す言葉という違いがあります。
多重下請け構造たじゅうしたうけこうぞう
別名・略語多重下請け、下請け構造、ITゼネコン、ピラミッド構造、元請け、プライム、一次請け、二次請け、三次請け、孫請け、再委託
多重下請け構造とは、元請けの会社が受けた仕事の一部を別の会社に任せてその会社がさらに別の会社に任せる形で受注が何段にも重なる構造のことです。上から元請け(一次請け)・二次請け・三次請けと呼ばれ、建設業になぞらえて「ITゼネコン」と言われることもあります。一般に上の段ほど仕様や進め方を決める仕事が多く、下の段ほど作業する人の数が多くなります。下請けとの取引には「取適法」が関わる場合があります。下請法が改正され、2026年1月1日から正式名称が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に変わった法律です。当たるかどうかは、取引の内容と、発注する側と受ける側の資本金や従業員の数で決まります。

商流しょうりゅう
別名・略語商流が深い、商流が浅い、エンド、エンドユーザー、エンドクライアント、エンド直、直請け、直接契約
商流とは、発注者(エンド)からお金と仕事がどの会社を通って自分まで届くかという流れのことです。間に入る会社が少ないことを「商流が浅い」、多いことを「商流が深い」と言います。間の会社はそれぞれ手数料(マージン)を取るので、同じ発注額でも商流が深いほど現場のエンジニアに届く額は少なくなりやすいとされています。フリーランスの案件では、エンドの会社とエージェントが直接つながっている形を「エンド直」と呼ぶことがあります。

人月・工数にんげつ・こうすう
別名・略語人月、工数、人月単価、人日、人時、人月商売、見積もり工数
工数とは、ある作業を終えるのに必要な人の数と時間を掛け合わせた作業量のことです。人月はその単位の1つです。1人が1か月働く量を「1人月」と数え、3人で2か月かかる作業なら6人月になります。SIerの見積もりでは「何人月かかるか × 1人月あたりの単価」で金額を出すことが多く、この売り方を指して「人月商売」と呼ぶこともあります。人数と期間で金額が決まるので、早く終わらせる工夫が売上に結びつきにくいと言われることがあります。
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会社の種類
SIerの系統や、SESと社内SEのように立場の違う会社・職場を表す言葉です。
ユーザー系SIerユーザーけいエスアイヤー
別名・略語ユーザー系、内販、内販中心
ユーザー系SIerとは、銀行・保険・商社・鉄道などシステムを使う側の事業会社のシステム部門が分かれてできたSIerのことです。親会社やグループ会社のシステムの開発・運用を多く受け持つのが特徴とされます。グループ内の仕事を「内販」と呼び、外の会社の仕事を「外販」と呼びます。親会社の業務に詳しくなりやすい一方で、仕事の進め方が親会社の方針に左右されやすいと言われます。

メーカー系SIerメーカーけいエスアイヤー
別名・略語メーカー系
メーカー系SIerとは、コンピューターや通信機器などを作るメーカーのシステム部門が分かれてできたSIerのことです。親会社の機器やソフトウェアと組み合わせたシステムを提案・構築することが多いとされます。大規模な案件で元請けに立つことが多いと言われる一方、提案する製品が親会社のものに寄りやすい面もあります。
図解は「ユーザー系SIer」の項目にあります。
独立系SIerどくりつけいエスアイヤー
別名・略語独立系、外資系SIer、外資系、コンサル系、コンサル系SIer
独立系SIerとは、特定の親会社やグループを持たずに成り立っているSIerのことです。親会社の製品に縛られないので、案件に合わせて製品や技術を選んで提案しやすいとされます。親会社からの仕事が無い分、元請けとして受けるか下請けとして受けるかは会社によって大きく違います。このほかに海外のIT企業の日本法人である「外資系」や、コンサルティング会社が母体の「コンサル系」に分ける説明もあります。
図解は「ユーザー系SIer」の項目にあります。
SESエスイーエス
別名・略語システムエンジニアリングサービス、SES企業、SES契約、技術者派遣(俗称)
SES(システムエンジニアリングサービス)とは、エンジニアの技術力や作業そのものを提供して働いた時間に応じた報酬を受け取る契約の形のことです。それを主な事業にする会社を指して使われることもあります。法律で決められた名前ではなく、契約は準委任契約で結ばれることが多いとされています。SIerがシステムを完成させて納める責任を負うことが多いのに対し、SESは作業の提供が中心で完成の責任を負わない点が違います。また、SESは労働者派遣とは別の契約の形です。派遣では派遣先が働く人に作業の指示を出しますが、SESでは客先に常駐していても、作業の指示はSES企業の側(その責任者)が出す必要があります。客先の社員が直接指示している実態があれば、偽装請負(Y14)に当たるおそれがあります。

社内SEしゃないエスイー
別名・略語情シス、情報システム部門、情報システム部、事業会社のIT部門、発注側、ユーザー企業、内製化
社内SEとは、システムを使う事業会社の中で自社のシステムの企画・導入・運用や社内のIT環境を担うエンジニアのことです。その部署は「情報システム部門(情シス)」と呼ばれることが多く、社内SEと情シスは近い意味で使われることがよくあります。SIerが「作る側(受注側)」なのに対し、社内SEは「頼む側(発注側)」に立ちます。外のベンダーに開発を任せながら進み具合や品質を確かめるのが主な仕事になります。最近は、外に頼んでいた開発を自社で行う「内製化」を進める会社もあります。
契約の形と法律
請負・準委任・派遣など契約の違いと、それに関わる法律の言葉です。
業務委託ぎょうむいたく
別名・略語業務委託契約、外注、フリーランス契約
業務委託とは、会社に雇われるのではなく事業者として仕事を引き受ける契約をまとめて指す言葉です。民法には「業務委託」という名前の契約は無く、中身によって「請負」か「準委任」のどちらか(または両方の組み合わせ)として扱われるのが一般的です。フリーランス新法では、事業者がその事業のために他の事業者に「物品の製造(加工を含む。)又は情報成果物の作成を委託すること」や「役務の提供を委託すること」を業務委託と定めています(第2条第3項)。雇用と違って、労働基準法の労働時間などの決まりは原則として当てはまらず、社会保険や税の手続きも自分で行うことになります。
図解は「SES」の項目にあります。
請負うけおい
別名・略語請負契約、受託開発、一括請負、持ち帰り開発
請負とは、仕事を完成させることを約束してその結果に対して報酬を受け取る契約のことです。民法第632条は「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」と定めています。SIerがシステムを一式で受けて納めるときは請負になることが多いです。報酬は原則として完成した結果に対して払われ、作業の進め方は受けた側が決めます。途中で完成できなくなったときや途中で契約が解除されたときでも、できた部分で発注者が利益を受けるなら、その割合に応じて報酬を請求できる定めもあります(第634条)。納めたものが契約の内容に合わないときは、直したり代金を減らしたりする責任(契約不適合責任)を負います。準委任との一番の違いは、完成の義務があるかどうかです。
図解は「SES」の項目にあります。
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準委任じゅんいにん
別名・略語準委任契約、履行割合型、成果完成型、SES契約
準委任とは、仕事の完成ではなく、決められた事務や作業を行うこと自体を引き受ける契約のことです。民法では、法律行為を任せる「委任」(第643条)の決まりを法律行為でない事務の委託に当てはめる形で定められています(第656条)。完成の義務はありませんが、委任の本旨に従って「善良な管理者の注意をもって」事務を処理する義務を負います(第644条)。報酬は働いた分に払う形(一般に「履行割合型」)が多く、成果に対して払う形(一般に「成果完成型」。民法第648条の2)もあります。成果完成型でも、請負のように仕事を完成させる義務を負うわけではありません。SESやフリーランスエンジニアの案件の多くは、この準委任で結ばれるとされています。
図解は「SES」の項目にあります。
労働者派遣ろうどうしゃはけん
別名・略語派遣、派遣契約、労働者派遣契約、派遣元、派遣先
労働者派遣とは、派遣会社(派遣元)が雇っている人を別の会社(派遣先)の指示を受けて働かせる形のことです。労働者派遣法は「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」と定めています(第2条第1号。相手先にその人を雇わせる約束のものは含みません)。労働者派遣事業を行うには厚生労働大臣の許可が要ります(第5条第1項)。請負・準委任との一番の違いは、働く人に作業の指示を出すのが派遣先(現場の会社)だという点です。
図解は「SES」の項目にあります。
偽装請負ぎそううけおい
別名・略語偽装請負、偽装委任、37号告示、代表型、形式だけ責任者型、使用者不明型、一人請負型
偽装請負とは、契約書の上では請負や準委任なのに実際には発注した会社が働く人に直接指示を出していて労働者派遣と変わらない状態のことです。東京労働局は「書類上、形式的には請負(委任(準委任)、委託等を含む)契約ですが、実態としては労働者派遣であるものを言い、違法です」と説明し、「代表型」「形式だけ責任者型」「使用者不明型」「一人請負型」の4つの型を挙げています。請負か派遣かは契約の名前ではなく実態で判断され、その基準は厚生労働省の告示(通称「37号告示」)と疑義応答集にまとめられています。派遣の決まりを逃れる目的で請負などの名目の契約を結んで働かせた場合には、受け入れた会社が働く人に労働契約を申し込んだとみなされる定めもあります(労働者派遣法第40条の6第1項第5号。受け入れた会社が違法だと知らず、知らなかったことに過失もないときを除きます)。

二重派遣にじゅうはけん
別名・略語多重派遣、労働者供給、職業安定法44条
二重派遣とは、派遣先が受け入れた派遣労働者をさらに別の会社へ派遣してその会社の指示で働かせることです。厚生労働省の業務取扱要領は、この場合の派遣先は「当該派遣労働者を雇用している訳ではない」ため労働者派遣を業として行うものとはいえず、二重派遣は「労働者供給を業として行うものとして、法第44条の規定により禁止される」と説明しています。職業安定法第44条は、労働者供給事業を行うことと、供給された労働者を「自らの指揮命令の下に労働させ」ることの両方を禁じています(労働組合などが許可を受けて無料で行う場合を除きます。第45条)。偽装請負が「契約の名前と実態のずれ」の問題であるのに対し、二重派遣は「雇っていない人を別の会社に出す」ことの問題です。1つの現場で両方が重なることもあります。
図解は「偽装請負」の項目にあります。
精算幅せいさんはば
別名・略語精算、精算の条件、上下割、上下限精算、中間割、固定精算、超過単価、控除単価、稼働時間の幅
精算幅とは、準委任などの月額単価の契約で「この範囲の稼働時間なら月額は変わらない」と決めた時間の幅のことです。案件票では「140〜180h」のように書かれます。下限を下回ると減額(控除)になり、上限を超えると増額(超過)になるのが一般的です。1時間あたりの減額の単価を「月額÷下限の時間」、増額の単価を「月額÷上限の時間」で出す方式を「上下割」と呼び、どちらも「月額÷幅の真ん中の時間」で出す方式を「中間割」と呼びます。幅を設けず稼働時間にかかわらず同じ額になる「固定精算」の契約もあります。いずれも法律で決まった言葉ではなく業界の慣行なので、呼び方や計算の仕方は契約によって違います。同じ月額でも精算幅によって実質の時給が変わるので、契約書や条件通知で確かめておくと安心です。
フリーランス新法フリーランスしんぽう
別名・略語フリーランス法、フリーランス・事業者間取引適正化等法、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律、取適法との違い
フリーランス新法とは、従業員を使わずに1人で仕事を受ける事業者(フリーランス。代表者1人だけで従業員のいない法人を含みます)と、発注する事業者との取引を適正にするための法律です(第2条第1項)。2024年11月1日に施行されました。公正取引委員会の特設サイトでは、発注する側には取引条件を「直ちに書面または電磁的方法(メール、SNSのメッセージ等)で」明示する義務があると説明されています(第3条)。従業員を使っている発注事業者には、さらに義務が加わります。たとえば報酬の支払期日は、受け取った日から「60日以内のできる限り短い期間内で」定めることとされています(第4条)。6か月以上の業務委託を解除したり更新しなかったりするときは、原則として少なくとも30日前までに予告することも求められています(第16条)。どの義務が当てはまるかは、発注する側に従業員がいるかどうかや委託の期間で変わります。下請けとの取引を対象にする取適法(旧下請法)とは別の法律で、1つの取引に両方の条件が当てはまることもあります。
工程・開発手法
要件定義からテストまで、システムを作る順番とやり方の言葉です。
上流工程・下流工程じょうりゅうこうてい・かりゅうこうてい
別名・略語上流、下流、超上流、企画
上流工程とは、システム開発のうち企画・要件定義・基本設計など「何を作るか」を決める工程のことです。下流工程は、決まった内容をもとに詳細設計・実装・テストを行う工程を指します。川の流れにたとえて、先に決める側を上流と呼び後に作って確かめる側を下流と呼びます。どこまでを上流に含めるかは会社や現場によって少しずつ違い、企画よりさらに前の経営課題の整理を「超上流」と呼ぶこともあります。上流ほど判断と責任が重く、多重下請けの上の段の会社が受け持つことが多いとされます。

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ウォーターフォールウォーターフォール
別名・略語ウォーターフォール開発、ウォーターフォールモデル、アジャイル、アジャイル開発、スプリント
ウォーターフォールとは、要件定義・設計・実装・テストといった工程を上から順に1つずつ終わらせて原則として前の工程に戻らずに進める開発のやり方です。最初に全体の仕様を決めるので計画や見積もりを立てやすく、大規模な業務システムで多く使われてきました。これに対してアジャイルは、短い期間(スプリント)ごとに作る・試す・直すをくり返して少しずつ機能を増やしていくやり方です。仕様が途中で変わりやすいサービスにはアジャイル、最初に決めた仕様どおりに作る必要があるシステムにはウォーターフォールが選ばれやすいと言われます。
図解は「上流工程・下流工程」の項目にあります。
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V字モデルブイじモデル
別名・略語V字、単体テスト、UT、結合テスト、IT、総合テスト、システムテスト、ST、運用、保守、運用保守
V字モデルとは、開発の工程を左側に「要件定義→基本設計→詳細設計→実装」と下りながら並べて右側に「単体テスト→結合テスト→総合テスト→受入テスト」と上りながら並べた図のことです。同じ高さにある左右の工程が対応していて、上から要件定義と受入テスト、基本設計と総合テスト、詳細設計と結合テスト、実装と単体テストが組になります(どの設計とどのテストを組にするかは、会社や現場によって少しずつ違います)。単体テストは部品(プログラム)ごとに正しく動くかを確かめます。結合テストは部品をつないだときに正しく動くかを確かめます。総合テストはシステム全体が基本設計どおりかを確かめ、受入テストは要件定義どおりに業務で使えるかを確かめます。テストで不具合が見つかったとき、どの設計に戻ればよいかが分かりやすくなるのが利点です。リリースした後にシステムを動かし続ける仕事は「運用」と呼ばれ、直したり改善したりする仕事は「保守」と呼ばれます。2つをまとめて「運用保守」とも言います。
図解は「上流工程・下流工程」の項目にあります。
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要件定義ようけんていぎ
別名・略語要件定義書、要求定義、RD、業務要件、機能要件、非機能要件、RFP
要件定義とは、システムを使う人の要望を聞き取ってシステムで何を実現するか(要件)を決めて文書にする工程のことです。業務の流れをどう変えるかという「業務要件」とシステムに持たせる機能の「機能要件」、性能・セキュリティ・使える時間などの「非機能要件」に分けて整理するのが一般的です。ここで決めた内容が、その後の設計・開発・テストすべての基準になります。要件定義が「何を作るか」を決めるのに対し、基本設計は「それをどういう画面や仕組みで実現するか」を決める工程という違いがあります。
図解は「上流工程・下流工程」の項目にあります。
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基本設計・詳細設計きほんせっけい・しょうさいせっけい
別名・略語基本設計、詳細設計、外部設計、内部設計、BD、DD、設計書
基本設計とは、要件定義で決めた内容を画面・帳票・データ・ほかのシステムとのつながりなど使う人から見える形に落とし込む設計のことです。「外部設計」とも呼ばれます。詳細設計は、基本設計をもとにプログラムの処理の流れやデータの持ち方などを作る人が実装できる細かさまで決める設計です。「内部設計」とも呼ばれます。基本設計は発注側と一緒に確かめながら進めることが多く、詳細設計は開発する側の中で進めることが多いとされます。会社によって呼び方や範囲が違うので、案件に入ったら設計書の名前と中身を確かめておくと迷いにくくなります。
図解は「上流工程・下流工程」の項目にあります。
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受入テストうけいれテスト
別名・略語UAT、ユーザー受入テスト、検収、受け入れ試験
受入テストとは、開発を頼んだ発注側が納品されたシステムが要件どおりに業務で使えるかを自分たちで確かめるテストのことです。UAT(ユーザー受入テスト)とも呼ばれます。V字モデルでは最後のテストで、要件定義と対応します。受入テストで問題がないと確かめたうえで、納品物を正式に受け取る手続きを「検収」と言います。開発する側が行う単体・結合・総合テストとは、テストする人と確かめる観点(仕様どおりか/業務で使えるか)が違います。
図解は「上流工程・下流工程」の項目にあります。
役職・立場
PM・PL・PMOやプロパーと協力会社など、現場でだれが何を担うかを表す言葉です。
PM・PLピーエム・ピーエル
別名・略語PM、PL、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー、リーダー、サブリーダー
PM(プロジェクトマネージャー)とは、プロジェクト全体の予算・納期・品質・人員に責任を持って計画を立て最後までやり切る責任者のことです。PL(プロジェクトリーダー)は、PMの下で開発チームや担当する機能ごとの作業を取りまとめてメンバーに指示を出すリーダーです。PMがお金や顧客との調整を含めた「プロジェクト全体」を見るのに対し、PLは「チームの作業」を見るという違いがあります。小さなプロジェクトでは1人がPMとPLを兼ねることもあります。

PMOピーエムオー
別名・略語プロジェクトマネジメントオフィス、PM補佐、PMO支援
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とは、PMを支えて進み具合や課題の管理・会議の準備・資料づくり・関係者との調整などを受け持つ役割や組織のことです。複数のプロジェクトをまとめて管理するために、会社の中に部署として置かれることもあります。PMがプロジェクトの判断と責任を持つのに対し、PMOはその判断に必要な情報をそろえて計画どおりに進むよう管理する側に立つという違いがあります。フリーランスの案件でも、PMOとして募集されるものがあります。
図解は「PM・PL」の項目にあります。
SE・PGエスイー・ピージー
別名・略語SE、PG、システムエンジニア、プログラマー、開発者
SE(システムエンジニア)とは、要件の確認や設計を中心にシステムを形にするまでを受け持つエンジニアのことです。PG(プログラマー)は、設計書をもとにプログラムを書いて動くかを確かめるエンジニアです。SIerでは若手のうちはPGとして実装を経験してからSEとして設計に回る、という流れで説明されることが多いです。実際の現場では1人が設計と実装の両方をすることも珍しくありません。SEは職種の名前で、SIer(Y01)は会社の種類の名前という違いもあります。
図解は「PM・PL」の項目にあります。
プロパープロパー
別名・略語プロパー社員、自社社員、正社員
プロパーとは、IT業界の現場でその会社に直接雇われている社員のことを指す言葉です。1つの現場では外部の会社から来たエンジニアやフリーランスも一緒に働いていることが多く、その人たちと区別するために「プロパーの〇〇さん」のように使われます。一般にプロジェクトの判断や社内の調整はプロパーが受け持ち、作業の一部を協力会社やフリーランスが担う形がよく見られます。業界によっては「生え抜きの社員」の意味でも使われます。
図解は「PM・PL」の項目にあります。
協力会社・BPきょうりょくがいしゃ・ビーピー
別名・略語協力会社、BP、ビジネスパートナー、パートナー、パートナー企業、外部要員、業務委託要員、常駐要員
協力会社とは、元請けなどの会社から仕事の一部を受けてエンジニアを現場に出したり作業を引き受けたりする外部の会社のことです。SES企業の営業の間では「BP(ビジネスパートナー)」とも呼ばれ、「BPさん」のように協力会社から来た人を指すこともあります。現場ではプロパー(Y27)ではない人をまとめて協力会社の人と呼ぶことが多く、フリーランスもこちらに入ります。協力会社の人に作業の指示を出せる人は契約の形によって決まっています。請負や準委任で来ている人に客先の社員が直接作業の指示を出すと、偽装請負に当たるおそれがあります(Y14)。
図解は「PM・PL」の項目にあります。
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ベンダーコントロールベンダーコントロール
別名・略語ベンコン、ベンダー管理、ベンダーマネジメント、ベンダー、発注側
ベンダーコントロールとは、システムの発注側が開発を任せた外部の会社(ベンダー)の進み具合・品質・費用を管理して契約どおりにプロジェクトを進める仕事のことです。要望をベンダーに伝えたりベンダーからの質問や提案を社内の利用者に返したりと、両者の間に立つ調整も含まれます。社内SE(Y09)の主な仕事の1つです。
現場でよく聞く言葉
客先常駐やスキルシートなど、案件に入る前後でよく耳にする言葉です。
客先常駐きゃくさきじょうちゅう
別名・略語常駐、オンサイト、現場、出向(別物)
客先常駐とは、所属する会社ではなく仕事を発注した会社(客先)のオフィスに通って働く形のことです。SIerの開発やSES・フリーランスの案件でよく見られ、案件が変わるたびに働く場所が変わることもあります。常駐していても雇っているのは所属する会社なので、作業の指示をだれが出すかは契約の形で決まります(Y14)。よく似た言葉の「出向」は、元の会社に籍を置いたまま出向先の会社と雇用の関係を結んでその会社の指示で働く形です。常駐とは別のものです。
炎上・デスマーチえんじょう・デスマーチ
別名・略語炎上、炎上案件、炎上プロジェクト、火消し、デスマーチ、デスマ
炎上とは、システム開発のプロジェクトが納期・品質・予算のどれかで大きく計画から外れて現場が混乱している状態を指す言葉です。そうした状態が続き、長時間の残業や休日の作業が当たり前になっているプロジェクトを「デスマーチ」と呼びます。炎上したプロジェクトに途中から入って立て直すことを「火消し」と言います。要件が固まらないまま進めたり、見積もりより作業が大きく膨らんだりすることが原因になりやすいと言われます。
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スキルシートスキルシート
別名・略語技術経歴書、業務経歴書、経歴書、職務経歴書(転職用)
スキルシートとは、エンジニアがこれまで関わった案件ごとに業務の内容・役割・使った言語やツール・担当した工程などを一覧にした書類のことです。SESやフリーランスの案件ではエージェントや所属会社がこの書類を客先に出し、それをもとに面談に進むかどうかが決まります。転職で使う職務経歴書が「その人の経歴全体と強み」を伝えるのに対し、スキルシートは「その案件に合う技術と経験があるか」を案件ごとに比べられる形でまとめる点が違います。
面談(顔合わせ)めんだん(かおあわせ)
別名・略語面談、顔合わせ、案件面談、商談、職場見学
面談(顔合わせ)とは、業務委託やSESの案件に入る前にエンジニアと現場の担当者が会って経験や仕事の進め方が合うかを確かめる打ち合わせのことです。雇う人を選ぶ採用面接ではなく仕事を任せる相手と条件を確かめる場という位置づけで、案件の内容の説明も兼ねて行われます。労働者派遣では、派遣先が派遣契約を結ぶときに「派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない」と定められています(労働者派遣法第26条第6項。紹介予定派遣を除きます)。業務委託(請負・準委任)は派遣ではないのでこの定めがそのまま当てはまるわけではありませんが、37号告示は請負と認められる条件の1つに「労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと」を挙げています。だれを現場に入れるかは、本来は受注する側が決めることとされています。
言葉の意味が分かったら、次は自分のキャリアに当てはめて考えてみてください。
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