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SIerの将来性はある?なくならない理由と発注側から見た生き残る人の条件

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折りたたんだ地図の上で、サーバーの横に建つ建物から点線の道が延び、高いビル・雲・ノートパソコンのある家の3方向に分かれているイラスト
目次 6項目
  1. SIerの将来性はある。業界はなくならないが、仕事の形は変わる
  2. SIerに将来性がないと言われる理由
  3. SIerで働くメリット
  4. 発注側から見た、生き残るSIerエンジニアの条件
  5. 将来性を考えたときのキャリアの選び方
  6. まとめ:SIerはなくならない。残れるかは立ち位置で決まる

SIerの将来性はあります。企業のシステムを作り、動かし続ける仕事はなくなりません。ただしクラウド・ローコード・AIの広がりで、SIerに求められる仕事の形は変わってきています。業界が残ることと自分が必要とされ続けることは、分けて考える必要があります。

書いている僕は2009年に新卒でSIerに入り、2016年にフリーランスのエンジニアとして独立しました。転職はしていません。金融系の現場には2016年からずっと携わっています。2025年4月からはもう1つの現場で、発注側(情シス)の立場に入っています。業務委託のエンジニアを受け入れる面談に、面談する側として加わることもあります。

この記事では公的な統計で業界の今を確かめたうえで、将来性がないと言われる理由とSIerで働くメリットを整理します。後半は発注側と面談する側の両方から見た「生き残る人の条件」と、キャリアの選び方です。

SIerからの行き先の全体像は、SIerからの転職先と進め方にまとめています。

SIerの将来性はある。業界はなくならないが、仕事の形は変わる

SIerの将来性はある、というのがこの記事の答えです。企業のIT投資は続いていて、システムを作って動かし続ける人の需要はなくなりません。変わるのは、SIerがどんな形でその需要に応えるかです。

僕は2016年から、金融系の現場で働き続けています。2020年にクライアントは変わりましたが、金融系という領域は同じです。これは僕一人の経験で、業界全体の傾向として言い切れるものではありません。それでも僕の場合、2016年から金融系の業務システムの仕事が途切れずに続いています。

市場規模のデータ

SIerの市場の大きさは、企業がどれだけシステムにお金をかけているかで見ると分かりやすくなります。総務省の令和8年版 情報通信白書「情報化投資」によると、2024年の民間企業による情報化投資は2020年価格で25.7兆円でした。前年より1.9%の増加です。そのうちソフトウェア(受託開発及びパッケージソフト)が20.2兆円で、全体の約78%を占めています。

情報通信産業全体で見ても、2024年の名目GDPは71.7兆円です。前年の67.5兆円から6.1%増えました。部門別では多くの部門がほぼ横ばいの中で、情報サービス業とインターネット附随サービス業等は増加傾向にあるとされています(同白書「情報通信産業の国内総生産(GDP)」)。

項目(2024年)数字出典
民間企業の情報化投資25.7兆円(2020年価格、前年比1.9%増)総務省 令和8年版 情報通信白書
うちソフトウェア(受託開発・パッケージ)20.2兆円(全体の約78%)同上
情報通信産業の名目GDP71.7兆円(前年比6.1%増)同上

同じ白書は日米の情報化投資を比べて、米国が堅調に増えているのに対して日本は緩やかな増加と横ばいが続いているとも書いています。急に伸びている市場ではありません。ただ企業がソフトウェアにかけるお金は大きく、減ってはいないことが確かめられます。

日本では、そのお金の多くがIT企業に流れる構造になっています。IPA(情報処理推進機構)の「DX白書2021」第3部では、日本で情報処理・通信に携わる人材のうちIT企業に所属する割合は72%で、日本以外の国ではIT企業以外に所属する割合が5割を超えているとしています。同じ資料の推計では、IT企業のIT人材が約101万人なのに対して事業会社のIT人材は約34万人です。事業会社の中に作る人が少ないぶん、外部の会社に頼る形は続くと考えられます。

保守運用と大規模案件はなくならない

保守運用と大規模な基幹システムの仕事は、SIerの仕事の中でもなくなりにくい部分です。システムは作って終わりではありません。法改正や業務の変更に合わせて直し続け、障害が起きれば復旧させる必要があります。

古いシステムも、まだ多く残っています。IPAの「DX動向2025」によると、日本は「ほとんどがレガシーシステムである」と答えた企業の割合が米国・ドイツと比べて最も高くなっています。「レガシーシステムはない」の割合も日本が最も高く、刷新が済んだ企業と進んでいない企業の両方が多い状態です。そのうえで日本は2024年度と2023年度で傾向があまり変わらず、刷新が頭打ちになっている様子がうかがえるとしています。古いシステムを動かし続ける仕事も新しいシステムへ置き換える仕事も、当面は残ると考えられます。

同じ調査では、システム開発の内製化についても尋ねています。日本は「外部開発を今後も利用予定であり、内製化は進めていない」と答えた割合が高く、外部開発を使う企業がまだ多い傾向です。内製化を進めている企業の課題としては、「人材の確保や育成が難しい」が突出していました。

大規模な案件では、要件の整理から開発・テスト・移行までを多くの会社と人で分担します。内製化を進める企業でも人材の確保が課題になっている以上、全体をまとめる役割を外部の会社に頼る場面は当面続くと考えられます。

金融・公共の需要

金融と公共は、SIerへの需要が続きやすい分野だと僕は考えています。扱うシステムの規模が大きく、セキュリティと正確さへの要求も厳しいので、専門の会社や経験者に頼る場面が多いからです。

僕は会社員時代に、生保・損保の案件に携わっていました。独立して最初に入ったのも、信託銀行の現場です。金融系の現場には本番ルームのような隔離された部屋があり、入るたびに入退室の記録をつけていました。PCからインターネットには接続できず、夜間や休日の障害対応もありました。

制約の多い環境で業務を回した経験は、同じ分野で次の仕事を探すときの材料になります。止められないシステムを持つ分野ほど、その環境と仕組みを知っている人は重宝されやすいと感じています。

公共の分野では、僕は2024年に官公庁の案件にも入りました。この案件の話は、次の章のローコードのところで書きます。

ここまでの「なくならないもの」と次の章で見る「変わること」を並べると、次のようになります。

なくならないもの変わること
動いているシステムの保守運用クラウドとSaaSで作る量が減る
大規模な基幹システムローコードで作り方が変わる
金融・公共の業務システムAIで人がやる領域が変わる
IT人材への需要人月で稼ぐ仕組みが見直される
業界はなくならないが、仕事の形は変わる。なくならないものは、動いているシステムの保守運用、大規模な基幹システム、金融・公共の業務システム、IT人材への需要。変わることは、クラウドとSaaSで作る量が減る、ローコードで作り方が変わる、AIで人がやる領域が変わる、人月で稼ぐ仕組みが見直される
なくならないものと変わること

SIerに将来性がないと言われる理由

SIerに将来性がないと言われる理由は、主に5つあります。クラウドとSaaSの普及、ローコード開発、AI、人月で稼ぐ仕組み、多重下請けと人材不足です。どれも「SIerがなくなる」理由というより、「SIerの仕事の形が変わる」理由として読むと実態に近くなります。

クラウドとSaaSで作る仕事が減る

クラウドとSaaSが広がると、企業がシステムを一から作る場面は減ります。会計・人事・営業管理のようにどの会社でも似ている業務は、SaaSを契約すれば済むことが増えたからです。

先に引用した白書の情報化投資には、クラウドサービスの利用は含まれていません。サービスの購入であり、資本財の購入とは異なるためです。企業のIT支出の一部は、「作る」から「借りる」へ移っていると読むこともできます。

ただし、SaaSを入れれば終わりではありません。既存のシステムとのデータ連携、業務に合わせた設定、古いシステムからのデータ移行。こうした仕事は、SaaSを使う企業でも発生します。作る量が減るぶん、つなぐ・移す・選ぶ仕事の比重が上がると考えておくと備えやすくなります。

ローコードで開発の形が変わる

ローコード開発のツールが広がり、画面や簡単なアプリを作る仕事の形は変わってきています。コードを書かずに部品を組み合わせて作れるので、作る速さは上がります。作れる人の幅も広がります。

僕は2024年に入った官公庁の案件で、Microsoft Power Platformを使って申請アプリを作るなどしていました。使ってみた感想は、次のとおりです。

  • 簡単に画面が作れる反面、シンプルな機能しかできない。リッチな画面が欲しければ、スクラッチ開発でないと難しい
  • 一通り開発の流れを把握すれば、Excelのエクスポート/インポートで画面が作れる。似たような画面を大量に作る場合に向いている
  • 細かい要望があっても、最初にPower Platformで開発することに合意しているので、「Power Platformの仕様でできないです」が通る

3つ目は、開発の形が変わる部分です。ローコードでは、何を作れて何を作れないかがツールを選んだ時点でかなり決まります。どのツールで作り、どこからをスクラッチで作るかを最初に決める仕事の重みが増すと考えることもできます。

AIで人がやる領域が変わる

AIが広がっても仕事がまったくなくなるわけではない、というのが僕の理解です。人間がやる領域が変わる。ただしまったくキャッチアップしなければいずれ淘汰されるので、少しずつでもAIに触ることが大事だと思っています。

仕事では、対話型のAI(GeminiとGemini Notebook)を使っています。ソースを1から書くことは、だいぶ減りました。やりたいことを文章にできれば、実装は任せられます。

その代わり、うまく伝えられないと「やりたいのはそれじゃない」という解釈違いが起きます。誰が見ても同じ成果物になるように言語化する必要があります。要件を言葉にして相手に渡すという点では、上流工程の仕事と共通する部分です。

個人では、エージェント型のAI(Claude Codeなど)で道具を作っています。作ったのは、自分のスケジュール把握とタスク整理、簡単な動画編集をしてくれるシステム、コンテンツ生成の自動化などです。いきなり作ってもらっても、それなりのものはできます。それでも開発前に要件を細かくプランニングしてから作ってもらうと、手戻りが少なくなります。

エージェント型のAIは、大企業ほど導入が難しいだろうと感じています。本当は使えたら楽です。ただ、自分が何も知らない状態でいいとは思いません。導入されたときにすぐ戦力になれるよう、自分でいろいろ触っています。

AIによる単価や案件への影響は、僕の場合は正直まだありません。

人月で稼ぐ仕組みの限界

人月で稼ぐ仕組みに限界があると言われるのは、売上が「人の数×期間」で決まるからです。作業が早く終わるほど売上は減ります。効率化やツールの活用が、会社の利益に結びつきにくい構造です。

AIやローコードで作る時間が短くなるほど、この矛盾は大きくなると言われます。そのため成果物や提供する価値に対して対価を受け取る契約や、自社のサービスを持つ形へ広げようとする会社もあります。

フリーランスの業務委託も、月額の単価で契約する点では人月に近い仕組みです。僕の単価も、クライアントが変わったタイミングで上がったことはあります。ただ基本的には、単価は勝手に上がることはなく交渉しないと上がらないと考えています。業務の中で提供した価値を定性的・定量的に書き出して、エージェント経由で交渉してもらってきました。

働いた時間ではなく、何を提供したかを言葉と数字で示す。これは会社員が評価面談や転職に臨むときにも使える準備です。

多重下請けと人材不足

多重下請けの構造と人材不足も、SIerの将来を不安にさせる理由としてよく挙がります。公正取引委員会は2022年6月に、「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」を公表しました。調査の背景は、多重下請構造型のサプライチェーンの中で買いたたきや仕様変更への無償対応要求といった違反行為の存在が懸念されることです。報告書は、業界全体でサプライチェーンのスリム化に向けた取組を進めることが期待されるとしています。

商流が深いのは、フリーランスの案件でも同じです。僕の場合、金融系の現場の商流は「エンド → システム開発会社 → エージェント → 僕」です。もう1つの現場は「エンド → A社 → B社 → エージェント → 僕」になっています。

人材のほうは、足りない状態が続く見通しです。経済産業省の委託調査「IT人材需給に関する調査」調査報告書(2019年3月)は、2030年のIT人材の需給ギャップを16.4万人〜78.7万人と試算しています。生産性の上昇率を年0.7%とし、IT需要の伸びを低位・高位とした場合の幅です。IPAの「DX動向2025」でも、DXを推進する人材の「量」が「やや不足している」「大幅に不足している」と答えた日本企業は合わせて85.1%でした。

人が足りないことは、SIerにとっては仕事を受けきれないリスクです。一方で働く個人にとっては、経験のある人ほど求められやすい状況でもあります。

SIerで働くメリット

SIerで働くメリットは、大規模案件に関われること、顧客との折衝を学べること、業務知識が身につくことの3つです。どれも、SIerを出たあとにも持っていける経験です。

大規模案件に関われる

SIerでは、1社では作れない規模のシステムに関われます。多くの会社と人が関わるプロジェクトで、工程の分け方や品質の確かめ方を現場で覚えられます。障害が起きたときの動き方も、その一つです。

決まりごとやドキュメントが多く、最初は窮屈に感じるかもしれません。それでもそのやり方で品質を守った経験は、発注側に回ったときにベンダーの進め方を判断する目になります。この点は、後の章の「上流と下流の両方を知っている」で僕の経験と合わせて書きます。

顧客との折衝を学べる

SIerでは顧客の要望を聞いて仕様にまとめ、納期や費用と折り合いをつける折衝を学べます。社内の上司だけを見て働く仕事では、身につけにくい経験です。

折衝では、相手の言葉をそのまま受け取らずに、何を期待されているのかを確かめることが欠かせません。この確かめ方は、仕事を受ける側の面談でも使えます。僕が業務委託の面談でしてきた逆質問は、「現場で、私に求められている役割はどういうことがありますか?」です。業務内容を聞いたあとには、「〇〇ということで理解合ってますか?」と確かめてきました。どちらも、相手の期待と自分の理解がずれていないかを確かめる質問です。

業務知識が身につく

SIerで同じ業界の案件に長く関わると、その業界の業務知識が身につきます。業務知識は、言語やツールに比べて古くなりにくい経験です。

2016年に最初の案件が決まった面談で聞かれたのは、これまでの業務経験と技術レベルでした。会社員時代に生保・損保の案件に携わっていたので、同じ金融の信託銀行の案件と親和性があったのではないかと僕は考えています。

いくつかの現場を経験したいまは、技術力が急に上がったわけではありません。それでも、勘所を掴みやすくなった・当たりの付け方がうまくなった感覚があります。どこへ行ってもある程度なんとかなるという自信もつきました。細かい経験の積み重ねが、効率化の源泉になっている気がします。

発注側から見た、生き残るSIerエンジニアの条件

発注側から見て生き残るSIerエンジニアは、業務を理解して提案でき、上流と下流の両方を知っていて、専門分野を1つ持ち、今の現場で求められ続ける人です。業界がなくならなくても、その中で選ばれる人と選ばれにくい人は分かれます。

僕は2025年4月から、発注側(情シス)の立場で要件定義からベンダーコントロール・受入テスト〜リリースまでを担当しています。発注側の仕事の中身は、SIerから社内SEへの転職の記事で詳しく書きました。この章ではその立場と面談する側で僕が見てきたことに、発注側が一般的に求めることを添えて整理します。

発注側から見て、残ってほしい人の条件。業務を理解して提案できる、上流と下流の両方を知っている、専門分野を1つ持っている、今の現場で求められ続ける
発注側から見て、残ってほしい人の条件

いまの現場で僕の周りにいるフリーランスは2〜3人で、若手でイケイケの人より経験豊富なベテランが多い印象です。長く残っていくのは、そういう人なのかもしれないと感じています。あくまで僕の周りの話で、業界全体の傾向とは限りません。

業務を理解して提案できる

発注側が受注側に求めるのは、言われたとおりに作ることだけではありません。業務を理解したうえで、より良い進め方を提案してくれることです。発注側も、業務のすべてをシステムの言葉で説明できるわけではないからです。

提案できる人は、一般的に次のような動き方をします。

  • 要望の背景にある、業務上の理由を確かめる
  • 「この仕様だと、月末の処理で困りませんか」のように、業務の場面で懸念を伝える
  • 代わりの案を、工数や影響と一緒に出す

提案の土台になるのは、相手が何を聞いているのかを理解して返す力です。面談する側に入ると、質問と答えがかみ合っていない人とは仕事がしにくそうだと感じます。受け答えがしっかりしている人には、安心して任せられそうだと感じます。

上流と下流の両方を知っている

上流と下流の両方を知っている人は、発注側から見て頼りになります。要件定義で決めたことが、設計・開発・テストでどう形になるかを想像できるからです。

僕は.NETを中心に、Windowsフォームアプリ・Webサイト・コンソールアプリなどの業務系システムをたくさん作ってきました。言語はC#とVB.NETが半々くらいです。2024年からは、上流工程やリーダーの経験をしたくて別の現場にも入りました。いまの現場では発注側として要件定義から受入テストまでを担当しつつ、関連するサブシステムを内製で開発することもあります。

キャリアの初めがベンダー側だったので、発注側と受注側のどちらの目線にも立てるのは良かったと感じています。

下流の作り方は、AIで変わりつつあります。面談する側としては、これだけAIが普及している中でいまだに「最近AI使い始めました」と言っている人はダメだと思っています。コーディングだけでなく調査や資料作成まで含めて、自分の仕事をどれだけAIに任せられるか考えながら働いている人は「使える」と思います。面談での話し方は、SIerの転職エージェントの選び方の後半に書きました。

専門分野を1つ持っている

専門分野を1つ持っていると、発注側から声がかかりやすくなります。「この業界の業務なら」「この技術なら」と、名前を挙げて頼める人になれるからです。

専門は、技術と業界の2つの軸で考えると整理しやすくなります。僕の経歴で言えば、技術は.NETでの業務系システム開発、業界は2016年から携わっている金融系です。独立したときの面談では、.NET系の経験が7年ほどあることと、基本的に一人称で仕事を進められることを伝えて合格しています。

年上の人からも、ふんわりと「舐められていない」感じがします。35歳を過ぎてから、特に強く感じることです。長くさまざまなシステムに向き合ってきたので、お客さんはもちろんチーム内でも「プロ」として接されているように感じます。「サカイさんがやったら〇日くらいで終わるよね」と、能力がある前提で仕事を任されることもしばしばあります。それが首を絞めることも、たまにありますが。

専門の深さは、同じ分野での積み重ねで伝わります。僕は数か月で終わる単発の案件をいくつもやるより、同じ案件で何年もやっているほうが業務経歴書の見栄えも良くなると思っています。面談する側でも、直近の経歴が数か月のものばかり続いていると不安に感じます。

今の現場で求められ続ける

生き残る人に共通するのは、今の現場で求められ続けていることです。新しい現場で求められるかどうかは、自分の管理下にありません。一方で、今の現場でバリューを発揮するのは自分の管理下にあります。

僕の案件が途切れなかった理由も、特別なことではなく、今の現場で求められる自分で居続けたことだと思っています。特別なスキルを身につける、案件が途切れないための裏技を使う。そうした一過性のことに頼らないのが大事です。

僕が見聞きした範囲では、勤怠が良く与えられた仕事をこなしていれば契約を切られることは基本ないと思います。簡単なようで、この当たり前ができない人が意外といます。短期間で切られる人には、勤怠の不正・体調を崩す・受け身になりすぎるなど、何かしらの原因があります。

金融系の現場の契約更新は、もともと2〜3か月ごとだった気がします。今は半年ごとです。長く続けてもらいたいと思われているからか、いつの間にか長期契約になっていました。

将来性を考えたときのキャリアの選び方

SIerの将来性を踏まえたキャリアの選び方は、「SIerの中で上流に進む」「事業会社・コンサルに移る」「独立する」の3つを並べて比べることです。業界に残るか出るかより、どの立場で前の章の条件を満たしていくかで考えると選びやすくなります。

選び方向いている人気をつけたいこと
SIerの中で上流に進む今の会社で上流やPMを任される道が見えている人年次とともにコードを書く時間は減りやすい
事業会社・コンサルに移る発注側や提案側から業界に関わりたい人移れば楽になるとは限らない
独立する一人称で仕事を進められ、収入を上げたい人税と社会保険の手続きを自分でやる

SIerの中で上流に進む

SIerに残るなら、上流工程とマネジメントに進むのが代表的な道です。要件定義やPMの経験は、社内でも社外でも評価されやすい経験だからです。

元請けに近い会社ほど、上流を任されやすいとされています。今の会社で上流に関われないなら、担当替えの相談やより上流を持つ会社への転職も選択肢に入ります。社内での道の選び方は、SIerのキャリアパスで整理しています。

事業会社・コンサルに移る

発注側に回るなら事業会社の社内SE、提案する側に回るならITコンサルが主な行き先です。どちらも、SIerで身につけた業務知識と調整の経験が使えます。

社内SEは、作る側から頼む側に移る選択です。ただし、移れば楽になるとは限りません。大変さと向き不向きは、社内SEはやめとけと言われる理由にまとめています。行き先ごとの違いはSIerからの転職先で、30代で動く場合の進め方はSIerからの30代の転職で比べました。

僕は転職をしていないので、転職活動の体験は書けません。転職を考えるなら、IT業界に詳しい転職エージェントに相談して自分の経験がどこで求められているかを確かめるのが第一歩です。エージェントの選び方はSIerの転職エージェントの選び方にまとめています。

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SIerからフリーランスになる手順は、SIerからフリーランスへの独立で詳しく書いています。転職と独立のどちらが合うか迷っている人は、キャリア診断で方向を確かめてから比べるのもおすすめです。

まとめ:SIerはなくならない。残れるかは立ち位置で決まる

SIerの将来性はあります。2024年の民間企業の情報化投資は25.7兆円で、そのうちソフトウェアが約78%を占めています。IT人材は2030年に向けて足りない見通しで、保守運用や金融・公共の業務システムの仕事もなくなりません。

一方でクラウドとSaaS・ローコード・AIによって、作る仕事の形は変わります。AIで仕事がまったくなくなるより、人間がやる領域が変わる。僕はそう考えていて、少しずつでもAIに触っておくことが大事だと思っています。

業界が残っても、その中で選ばれ続けるかは人によって分かれます。業務を理解して提案できること。上流と下流の両方を知っていること。専門分野を1つ持つこと。そして今の現場で求められ続けること。将来に不安を感じたら、この4つのうち今の自分に足りないものから手を付けてみてください。そのうえで社内で上流に進む・事業会社やコンサルに移る・独立するの3つを並べて比べると、選ぶ道が見えやすくなります。

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この記事を書いた人

サカイ

フリーランスエンジニア

2009年に新卒でSIerに入社し、2016年にフリーランスエンジニアとして独立。.NET中心の業務系システム、金融系の案件を2016年から継続。現場では面談する側にも入っている。

プロフィールを詳しく見る

  1. SIerの転職エージェントの選び方|行き先別の比較と面談する側から見たコツSIerからの転職に使う転職エージェントの選び方を、社内SE・ITコンサル/金融・IT業界全般の行き先別に整理します。SIerの経験を活かせるエージェントの見分け方と、業務委託の面談で面談する側にも入っているサカイから見た使い方のコツをまとめます。
  2. SIerはやめとけと言われる理由|2009年から2016年まで在籍した僕の答え「SIerはやめとけ」と言われる理由を、2009年から2016年までSIerに在籍したサカイが検証します。在籍中に感じていたこと、向いている人・向いていない人、やめとけに当てはまらないSIerの見分け方をまとめます。
  3. SIerを辞めたいときの判断基準|転職せず2016年に独立した僕の場合SIerを辞めたいときの判断基準を、転職せずに2016年に独立したサカイが整理します。辞めたくなるよくある理由、辞めた後の行き先、辞めると決めてからの進め方をまとめます。
  4. SIerから社内SEへ転職する前に|発注側に回った僕が見た評価される経験SIerから社内SEへ転職する前に知っておきたいことを、発注側の立場で働くサカイが整理します。社内SEで評価される経験、SIerとの違い、転職が難しいと言われる理由、転職のための準備をまとめます。
  5. 社内SEはやめとけ?情シスの立場で働く僕が見た大変さと向いている人「社内SEはやめとけ」と言われる理由を、情シスの立場で働くサカイが整理します。発注側の仕事の重さ、会社によって違う役割、向いている人・向いていない人、やめとけにならない職場の選び方をまとめます。
  6. エンジニア35歳定年説は本当?35歳を超えた僕が現場で感じた変化と答えエンジニア35歳定年説が今も当てはまるかを、35歳を超えて現場で働くサカイが検証します。定年説が生まれた背景、35歳を超えて感じた変化、35歳を超えても求められるスキルをまとめます。