エンジニアの転職面接でよく聞かれる質問|面談する側から見た答え方と深掘り対策
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エンジニアの転職面接でよく聞かれる質問は、ほぼ決まっています。自己紹介・転職理由・志望動機・自己PR・経験の深掘り・希望年収・逆質問です。差がつくのは質問の数ではありません。答えたあとに続く「それはなぜですか」「具体的には?」という深掘りに、崩れずに答えられるかどうかです。
先に、書いている僕の立場をはっきりさせておきます。僕は2009年に新卒でSIerに入り、2016年に会社を辞めてフリーランスのエンジニアとして独立しました。転職はしていません。 だから正社員の転職面接を受けた体験は、この記事には出てきません。
僕が受けてきたのは、業務委託の案件に参画するための面談です。2016年の独立時に2社、2025年に案件を切り替えたときにも2社と面談しました。業務委託のエンジニアを受け入れる面談に、面談する側の一人として参加することもあります。ただし正社員の採用面接には関わったことがありません。
この記事で僕の体験として書くのは、すべて業務委託の面談での話です。正社員の採用でも同じとは限りません。そのうえで受ける側・面談する側の両方で感じたことを、転職面接の準備に使える形で添えていきます。質問の一覧や答え方の型は、一般的な転職面接の流れに沿って整理しました。
面接の前にエージェントを決めておきたい人は、先にSIerの転職エージェントの選び方を読んでおくと準備の順番が組みやすくなります。
エンジニアの転職面接で必ず聞かれる定番の質問
エンジニアの転職面接で必ず聞かれる定番の質問は、自己紹介・転職理由・志望動機・自己PRの4つです。一次面接でも二次面接でも、形を変えてほぼ毎回出てきます。
この4つは、聞かれると分かっている質問です。だから準備の差がそのまま出ます。丸暗記した文章を読み上げるのではなく、話す順番と入れたい言葉だけを決めておくのが一般的な準備の仕方です。
定番の質問と、それぞれで見られやすいことを表にまとめます。
| 質問 | 見られやすいこと | 答える長さの目安 |
|---|---|---|
| 自己紹介 | 経歴の要点を短くまとめられるか | 1〜2分 |
| 転職理由 | 同じ理由でまた辞めないか | 1分前後 |
| 志望動機 | なぜこの会社なのか・入って何をしたいか | 1分前後 |
| 自己PR | 入ったあと何を任せられるか | 1分前後 |
長さはあくまで目安です。要点を話したら短めに切り上げて、続きは面接官の質問を待つくらいで構いません。
自己紹介
自己紹介で聞かれているのは、経歴の全部ではなく「応募先に関係する経験の要点」です。職務経歴書は相手の手元にあるので、1〜2分で次の順に話すとまとまります。
- 名前と、エンジニアとしての経験年数
- 応募先に一番近い経験(業務・工程・言語)
- その経験で意識したこと
- 入社したらどう役に立てそうか
3つめの「意識したこと」は、僕が業務委託の面談で途中から足すようになったものです。業務の経歴を説明するだけでなく、自分が意識したことなどのプラスアルファを話すようにしました。年を重ねて経験が増えたこともありますが、話す内容を変えたことも案件獲得のプラスになっていると僕は感じています。
以下は架空の例です。
〇〇と申します。SIerで8年ほど、製造業向けの生産管理システムの開発に携わってきました。直近の3年は、Javaでの詳細設計から結合テストまでを担当しています。意識してきたのは、仕様の曖昧なところを実装の前にお客様と詰めておくことです。御社では、この上流寄りの経験を自社サービスの機能開発に生かしたいと考えています。
入社から順に経歴をなぞると、応募先に関係する話が出てくるのは後半になってしまいます。応募先に近い経験から始めて、残りは聞かれたら答えるくらいで十分です。経歴の整理そのものはエンジニアの職務経歴書の書き方で詳しく書いています。
転職理由
転職理由の質問で面接官が確かめたいのは、同じ理由で入社後にまた辞めないかどうかです。不満そのものを隠す必要はありませんが、「何が不満だったか」で止めずに「次の職場で何を実現したいか」までつなげて話すのが基本です。
たとえば「残業が多かった」をそのまま言うと、忙しい時期にまた辞めるのではと受け取られかねません。「納期の直前に負荷が集中する体制だったので、工程の前のほうから関われる環境で働きたい」と言い換えると次にやりたいことが伝わります。
参考までに僕自身のことを書くと、会社を辞めるときに転職は考えませんでした。とにかく収入を上げたかったので、フリーランスが手っ取り早いという、けっこう安易な理由で独立を決めています。転職面接で話す理由としては、そのままでは使いにくい答えです。
もう1つ、僕が思っていることがあります。「しょうがないから会社員」「しょうがないからフリーランス」のように妥協してキャリアを選ぶ人は、働き方に関係なくうまくいかないと思います。転職理由を考えるときは、逃げる先ではなく選んだ先として話せるかを確かめておくと安心です。
辞めるかどうかをまだ迷っている段階なら、SIerを辞めたいときの判断基準で整理の仕方をまとめています。
志望動機
志望動機で聞かれているのは、「なぜ他社ではなくこの会社なのか」と「入って何をしたいか」の2点です。どの会社にも当てはまる言葉だけで組み立てると、深掘りされたときに答えが続きません。
組み立てるときは、自分の経験と応募先の仕事の共通点を先に見つけておきます。業界がまったく同じでなくても構いません。業務の流れが似ている・扱うデータの量が近い、といった共通点で十分です。
業務委託の面談の話になりますが、2016年に僕の最初の案件が決まったのは信託銀行の案件でした。会社員時代に生保・損保といった金融系の案件に携わっていたので、同じ金融という点で親和性があったのではないか、と僕は考えています。
SIerから社内SEを志望する場合は、発注側の立場で何をしたいかを話せるようにしておきたいところです。行き先ごとの考え方はSIerからの転職先の選び方やSIerから社内SEへの転職に書いています。
自己PR
自己PRで伝えるのは、入社したあと何を任せてもらえるかです。「責任感があります」のような性格の話より、経験に裏づけられた「できること」を1つに絞って話すほうが伝わります。
2016年の面談で僕が伝えたのは、.NET系の経験が当時7年ほどあって基本的に一人称で仕事を進められるということでした。「一人称で進められる」は、担当を任されたら自分で考えて完了まで持っていけるという意味です。業務委託のエンジニアは即戦力として呼ばれることが多いので、自分で進められるかどうかは相手が知りたい点の一つです。
正社員の転職でも、中途採用では「入ってすぐ何を任せられるか」が見られるのが一般的です。自己PRは次の3つをそろえると、深掘りにも耐えられます。
- できること(1つに絞る)
- それを裏づける具体的な経験
- 応募先でどう生かせるか
SIer出身者が聞かれやすい質問
SIer出身者の転職面接では、定番の4つに加えてSIerならではの質問をされることがあります。応募先が自社開発の企業や事業会社の場合に、特によく出てくる質問です。
- なぜSIerを離れて、自社開発(または社内SE)を選ぶのか
- 実際に自分で設計やコードを書いた割合はどのくらいか
- 協力会社やお客様との調整で、どんな役割を担っていたか
- 決められた仕様で作る仕事から、自分で仕様を考える仕事に移れるか
2つ目は、工程の管理が中心だった人ほど答えを準備しておきたい質問です。手を動かした割合が少なくても、隠す必要はありません。管理や調整で何をしてきたかを具体的に話します。そのうえで技術の学び直しをどう進めているかを添えると、答えが前向きになります。
4つ目は、SIerの経験を「言われたものを作る仕事」と受け取られないための質問でもあります。要件定義でお客様の要望を整理した経験や仕様の矛盾に気づいて提案した経験があれば、ここで使えます。
面接官が質問で確かめていること
面接官が質問で確かめていることは、大きく分けると「任せられる仕事の範囲」「一緒に働けるか」「長く続くか」の3つに整理できます。どの質問も、このどれかを確かめるために聞かれていると考えると答えの方向がぶれません。
ここからは、業務委託の面談で僕が面談する側に入るときの感覚も添えます。僕が面談する側で入る業務委託の面談は、1対1だと30分ほど、まとめて複数人と話すときは1時間ほどで、最近はどれもオンラインです。正社員の採用面接には関わったことがないので、面接を何度も重ねる転職の選考とは時間のかけ方も見方も違うかもしれません。参考の一つとして読んでください。
任せられる仕事の範囲
1つ目は、入ってもらったらどこまでの仕事を任せられるかです。経験の深掘りや技術の質問は、主にここを確かめています。
業務委託の面談でスキルシートを読むとき、僕がまず見るのはスキルが現場に合っているかどうかです。合っていなくても、それでもいいと思える観点があれば大丈夫です。どんな観点が評価されるかは現場によって違いますが、似た業務や工程の経験はその候補になりえます。
転職面接でも、求人票の必須スキルと自分の経験が重なるところは必ず聞かれると思っておくのが無難です。重なる部分は具体的に話せるよう、事前に洗い出しておきましょう。
一緒に働けるか
2つ目は、一緒に働いたときにやり取りがスムーズにいきそうかです。社外との折衝やチームでの工夫の質問、逆質問の中身に加えて、面接の受け答えそのものがここを判断する材料になります。
面談する側に入って一番差が出ると感じるのは、質問と答えがかみ合っているかどうかです。かみ合っていない人は、仕事がしにくそうだと感じます。逆に受け答えがしっかりしている人には、安心して任せられそうだと感じます。業務的なことだけでなくハキハキ話していたり明るい雰囲気を感じたりすると、個人的には良いと思います。
僕の場合、30分ほどの面談では、受け答えの様子が入ってからのやり取りを想像する手がかりになっています。
長く続くか
3つ目は、入社してから長く働いてくれそうかです。転職理由や志望動機、キャリアの展望の質問はここにつながっています。
業務委託の面談でも、経歴の続き方は見ています。直近の経歴が数か月のものばかり続いていると、正直なところ不安に感じます。
長く続く人とそうでない人の違いについては、現場にいて感じていることもあります。勤怠が良くて与えられた仕事をこなしていれば、業務委託でも契約を切られることは基本的にないと思います。簡単なようで、この当たり前ができない人が意外といます。僕が見聞きした範囲では、短い期間で契約が終わる人には何かしら原因がありました。勤怠の不正・体調を崩す・受け身になりすぎる、といったことです。
転職面接で短い在籍期間がある場合は、隠さずに理由と今後の考えをセットで話せるようにしておくと安心です。

経験と人柄を見る質問
経験と人柄を見る質問は、失敗した経験・社外との折衝・チームでの工夫・5年後の展望・AIの使い方が代表的です。どれも正解の答えがあるわけではなく、「その状況でどう考えて動く人か」を見られています。
失敗した経験
失敗した経験の質問では、失敗の大きさよりそのあとどう動いたかを見られています。「失敗の内容 → 自分がとった対応 → 結果 → 次に生かしたこと」の順で話すとまとまります。
避けたいのは「特にありません」と答えることと、他人のせいにして終わることです。前者は振り返りをしない人に見え、後者は一緒に働きにくい人に見えがちです。
似た質問に「困難だった経験」があります。業務委託の面談でこれを聞かれたとき、僕は本番リリースでのデータ移行に苦戦した話をしました。移行がうまくいかずに詰まり、徹夜で対応していたときのことです。仮眠を取ろうと横になっても思考がぐるぐるしていて、そのときに急に閃き、問題はすぐに解消しました。
派手な成功談でなくても、詰まったときにどう動いたかは伝えられます。話す材料は大きなトラブルでなくても構いません。
以下は架空の例です。
小売チェーンの会員管理システムの改修で、テスト環境と本番環境の設定の違いを見落とし、リリース後に一部の画面でエラーが出ました。すぐに切り戻しを判断して、影響は数時間で収まっています。原因は確認手順に環境差分のチェックがなかったことでした。そこでリリース前のチェックリストに項目を足し、チームで使う手順書も直しました。
前の職場のシステム名やお客様の名前は、面接でも出さないのが基本です。「小売業の会員管理システム」のように種類に置き換えて話します。
社外との折衝の経験
社外との折衝の経験は、SIer出身者がよく聞かれる質問です。お客様や協力会社と、どう認識をそろえてきたかを具体的に話せると強みになります。
僕はいまの現場の一つで、情シスの立場から要件定義・ベンダーコントロール・受入テストを担当しています。ユーザーの要望をベンダーへ・ベンダーの説明をユーザーへと、どちら向きにも翻訳するのが仕事の一部です。ただ横流しするのではなく、相手が仕事をしやすいように翻訳するのが大切だと思っています。
キャリアの初めはベンダー側だったので、発注側と受注側のどちらの目線にも立てるのは良かったと感じています。いつもすごく怒っているユーザーとやりとりしたこともありました。だから受発注どちらの立場でも、感情的にならずに仕事をしようと思っています。
面接で話すときは、次の3点を入れると具体的になります。
- 相手は誰で、何が食い違っていたか
- 自分が間に入って何をしたか(資料・打ち合わせ・言い換えなど)
- 最終的にどう合意したか
社内SEや発注側の仕事に興味がある人は、社内SEはやめとけと言われる理由で情シスの大変さも書いているので合わせて読んでみてください。
チームで開発したときの工夫
チームで開発したときの工夫を聞かれたら、チームの中での自分の役割と自分から動いたことを話します。「チームで頑張りました」だけでは、自分が何をしたのかが伝わりません。
話す材料は、リーダー経験でなくても構いません。レビュー・手順書の整備・後輩への説明・障害の再発防止など、自分から手を挙げたことなら十分です。
僕は会社員時代の評価面談で、自己評価シートに若手2人ほどのレビューを引き受けていたことを書いたことがあります。担当していたサブシステムの障害件数が下がったことを書いたこともありました。こうした日々の担当の中で積み上げたことも、チームの話の材料になります。
数字があると伝わりやすくなりますが、正確に分からない数字は作らないことです。深掘りされて答えに詰まります。
5年後にやっていたいこと
5年後にやっていたいことを聞かれたら、応募先の仕事の延長線上にある目標を話します。応募先で積める経験と自分の目標がつながっていると、長く働く姿を想像してもらいやすくなります。
「専門性を深めたい」のか「マネジメントに進みたい」のかは、決めきれていなくても構いません。いまどちらに興味があり、そのために何をしているかまで話せれば十分です。
年齢によっても、求められる答えは変わってきます。僕自身も35歳を超えてから、自分の感覚も周りから求められるものも明らかに変わったように感じています。年上の人から「舐められていない」感じがするのは、35歳を過ぎてから特に強くなりました。30代後半で面接を受けるなら、伸びしろより「これまでの経験をどう生かすか」を軸に話すほうが、この変化に合った答えになると思います。
キャリアの選び方はSIerのキャリアパスで、年齢の話はエンジニア35歳定年説やSIerの転職は30代でも遅くないかで詳しく書いています。
AIを仕事でどう使っているか
AIを仕事でどう使っているかは、最近の面接で聞かれることが増えてきた質問です。答えるときは、AIの知識の量より「自分のどの作業をAIに任せているか」を具体的に話します。
業務委託の面談で面談する側に入るとき、僕もAIの使い方は見ています。これだけ一般の人にもAIが広まっている中で、いまだに「最近AIを使い始めました」という人は厳しいと思っています。一方でコーディングだけでなく調査や資料作成まで、自分の仕事をどれだけAIに任せられるかを考えながら働いている人は「使える」と感じます。いまの知識がそれほどなくても、そういう意識が見えれば十分です。
逆に気をつけて見ているのが、最新のAIの動向を追うことに偏っている人です。一緒に仕事をしてみると頭でっかちで、実際の作業では使いこなせていないこともあります。面接で動向の話をするなら、それが自分の作業のどこに効いているかまでセットで話しましょう。
僕自身は、仕事では開発用のPCで対話型AIを使っていて、ソースをゼロから書く場面はだいぶ少なくなりました。その代わり、やりたいことをうまく伝えられないと「やりたいのはそれじゃない」という解釈違いが起きます。誰が見ても同じ成果物になるように言語化するのが、AIに任せるときの肝だと感じています。個人ではエージェント型AIも使っていて、スケジュールとタスクの整理・簡単な動画編集をしてくれるシステム・コンテンツ生成の自動化などを作ってきました。
以下は架空の例です。
仕事では、設計書から単体テストの観点を洗い出す作業と、既存コードの調査にAIを使っています。最初は出てきた観点をそのまま使っていましたが、業務のルールが抜けることがあったので、前提となる仕様を先に渡すように変えました。いまは観点の洗い出しにかかる時間が以前の半分くらいになっています。
職場でAIが使えない人もいると思います。その場合は、個人で触ってみたことと「使えるようになったら任せたい作業」を話せば十分です。
技術の深掘りで崩れないために
技術の深掘りで崩れないためには、答えの型を決めておくことと分からないことを分からないと言える準備をしておくことの2つが効きます。転職面接の二次面接や技術面接では、現場のエンジニアが職務経歴書の一行を何段階も掘り下げてくることがあります。

業務委託の面談で深掘りされて崩れた僕の例
僕が深掘りで崩れたのは、2016年に独立したときの業務委託の面談です。2社のうち落ちた1社で、技術面をすごく深掘りされました。
当時の僕は30歳前で、エンジニア歴は7年ほどでした。どれくらい戦力になるかを測られていたのだと思います。緊張もあって的を射た回答ができず、負の連鎖になりました。
若干圧迫面接気味だったこともあり、仮に受かっていても断っただろうと思っています。向こうからしても、微妙だと判断されたのだと思います。
もう1社の面談ではこれまでの業務経験と技術レベルを聞かれ、一人称で進められることを伝えて合格しました。同じ時期の面談でも、聞かれ方と結果はこれだけ違いました。
負の連鎖は、たとえば次のような流れで起こりがちです。1つ目の答えがずれる。それを取り返そうとして次の答えが長くなる。長くなった答えから、さらに深掘りされる。こうして焦りが重なっていきます。最初の1問で落ち着いて答えられるよう、次の型で準備しておきましょう。
答えは「何をしたか・なぜ・どうなったか」で組み立てる
深掘りへの答えは、「何をしたか」「なぜそうしたか」「どうなったか」の3段で組み立てます。面接官の「具体的には?」「なぜ?」という質問は、この3段のどこかが抜けているときに出てくることが多いからです。
それぞれで話すことを整理します。
| 段階 | 話すこと | よくある抜け |
|---|---|---|
| 何をしたか | 担当した範囲と、自分の役割 | 「チームで」と言って自分の担当がぼやける |
| なぜ | その方法を選んだ理由・比べた案 | 「指示されたので」で終わる |
| どうなったか | 結果と、次に生かしたこと | 結果の話がない |
以下は架空の例です。教育サービスの予約システムで、画面の表示が遅いという問題を担当したと仮定します。
(何をしたか)一覧画面の表示が遅いという問い合わせを受けて、原因の調査と改修を担当しました。(なぜ)調べると、一覧の件数分だけ詳細データを取得する処理になっていたので、取得をまとめる方法と画面側でキャッシュする方法を比べ、データの鮮度が大事な画面だったため前者を選びました。(どうなったか)表示までの時間が大きく短くなり、同じ作りになっていた他の画面にも同じ直し方を広げています。
この形で答えておくと、次の深掘りも「なぜその2つを比べたのか」「他の画面はどう見つけたのか」のように自分が話した範囲の中から来るようになります。準備の段階で主要な経験ごとに3段の答えを用意し、さらに1段先の質問まで想定しておくと崩れにくくなります。
深掘りされそうなのは、職務経歴書に書いた経験のうち求人の必須スキルと重なるところです。書いたことはすべて聞かれてもいいように、盛らずに書いておくのが前提になります。
分からないことは分からないと言う
深掘りで知らないことを聞かれたら、分からないと正直に言ってから知っている範囲で答えます。知ったかぶりで答えを重ねるより、そのほうがずっと傷は浅く済みます。
言い方の例を挙げます。
- 「その機能は使ったことがありません。似た仕組みとしては〇〇を使っていて、そのときは〜」
- 「正確には覚えていないのですが、〜だったと理解しています」
- 「いまは分かりませんが、もし担当するなら〇〇の資料から調べます」
3つめのように分からないことにどう向き合うかまで話せると、仕事の進め方も伝わります。業務委託の面談で僕が安心して任せられそうだと感じるのも、質問と答えがかみ合っている人です。
年収と働き方についての質問
年収と働き方についての質問では、希望年収・勤務地・リモートの可否・入社できる時期などを聞かれます。ここは聞かれたら具体的に答えられるよう、面接の前に自分の中で決めておくことがすべてです。
希望年収
希望年収を聞かれたら、いまの年収を正確に伝えたうえで希望の額を具体的に答えます。「御社の規定に従います」は控えめに見えますが、相手からすると判断の材料がありません。
答え方の型は次のとおりです。
- 現在の年収(賞与や残業代を含むかを添える)
- 希望の額(下限を決めておく)
- その額を希望する理由(経験・担当できる範囲など)
とはいえ、面接の場で金額の押し引きまでするかは慎重に考えたいところです。転職エージェントを使っている場合は、希望額を担当者に先に伝えておく方法もあります。面接では「エージェントの方にお伝えしている額を希望しています」と答えれば済みます。エージェントによっては、内定後の年収交渉を担当者が代わりに進めてくれます。
年収交渉や面接対策も相談したい方へPR
レバテックキャリアは、ITエンジニア向けの転職エージェントです。登録は無料です。公式サイトでは、書類の添削や企業ごとの面接対策から内定後の年収交渉・入社日の調整までサポートするとしています。カウンセリングは1〜1.5時間で、電話やオンラインでも受けられます。
僕自身は転職をしていないので、レバテックキャリアを使ったことはありません。エンジニアとしての経験がない方・50代以上の方・対象エリア外の方は、紹介できる求人が無くサポートを受けられないことがあります。
サービスの内容は2026年10月11日に公式サイトで確認したものです。最新の情報は公式サイトで確かめてください。
勤務地と働き方
勤務地と働き方の質問では、出社とリモートの希望・転勤の可否・残業への考え方などを聞かれます。譲れない条件と、相談できる条件を分けて答えられるようにしておきましょう。
僕は2020年のコロナ禍をきっかけにフルリモートになり、いまも続いています。いまの働き方は、月20日程度・9時から18時のフルリモートです。それ以前の業務委託では、なるべく自宅の近くの現場を探してもらって自転車か徒歩で通うことが中心でした。
リモートの扱いは、同じ会社でも部署や時期によって変わることがあります。「リモート可」と求人にあっても、出社の頻度は面接で確かめておくのが確実です。聞きにくければ、逆質問の時間か転職エージェントの担当者を通して確かめても構いません。
なお、面接で何を聞くかについては、企業の側にも配慮が求められています。厚生労働省の公正な採用選考の基本では、「採用選考時に配慮すべき事項」として、たとえば次の項目が挙げられています。
- 本籍・出生地に関すること
- 家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
こうした質問をされたときに無理に答える必要があるかは、エージェントの担当者に相談してみてください。
逆質問で聞くこと・聞かないこと
逆質問で聞くことは、入社後の仕事の中身と自分に期待されている役割です。聞かないほうがいいのは、お金や休みの話ばかりになる質問と「特にありません」の2つです。
評価されやすい逆質問
評価されやすい逆質問は、入ってから期待とずれないための質問と聞いた話を自分の言葉で確かめる質問です。
業務委託の面談を受ける側で、僕がしてきた質問は次のようなものです。
- 「現場で、私に求められている役割はどういうことがありますか?」
- 業務内容を聞いたあとに、「〇〇ということで理解合ってますか?」
1つめは、入ってから役割のずれが起きないようにするための質問です。2つめは説明された内容を言い直して確かめる質問で、話をどう理解したかもそのまま相手に伝わります。
転職面接で使いやすい逆質問の例も挙げておきます。
- 入社後の最初の3か月で期待されていることは何か
- 配属予定のチームの人数と、開発の進め方
- 活躍している中途入社の方に共通していること
- 技術の選定や改善の提案は、どのように決まっていくか
面接官の立場によって、聞く内容を変えるのも一般的なやり方です。現場のエンジニアには、仕事の進め方を聞くと答えてもらいやすくなります。人事には評価の仕組みや研修のことを聞くのが向いています。
避けたい逆質問
避けたい逆質問の1つは、お金に関することばかりの質問です。面談する側に入る立場からすると、多少気にするのは当然でもそればかりだと仕事の中身に興味がないように見えてしまいます。
もう1つは、質問をしないことです。質問なしは基本的によくないと僕は思っています。興味がないと思われかねないので、絞り出してでも1つは質問したほうがいいです。
このほか、一般に避けたほうがいいとされる逆質問もあります。
- 会社のホームページや求人票を見れば分かること
- 面接の中ですでに説明されたこと
- 「残業はありますか」のように、それだけを聞くと意欲が低く見えやすい質問
残業や休みのことは、聞いてはいけないわけではありません。「繁忙期はどのくらいの働き方になりますか」のように、仕事の進め方と合わせて聞くと角が立ちにくくなります。条件の細かい確認は、エージェントの担当者を通して聞く方法もあります。
面接の前に準備すること
面接の前に準備することは、想定質問の答えのメモ・深掘りされそうな経験の3段の答え・2つ以上の逆質問の3つです。
- 想定質問の答えのメモ:自己紹介・転職理由・志望動機・自己PRは、話す順番と入れたい言葉だけを書いておく
- 深掘りされそうな経験の3段の答え:求人の必須スキルと重なる経験ごとに「何をしたか・なぜ・どうなったか」を用意する
- 逆質問を2つ以上:1つは面接の中で答えが出てしまうことがある
オンラインで受ける場合は、前日までに使うツールで接続を試しておくと当日あわてずに済みます。画面共有を求められることもあるので、いまの職場の資料やチャットは閉じておきましょう。
応募先ごとに聞かれやすいことは、転職エージェントの担当者が知っていることがあります。面接の回数や面接官の立場・技術の質問がどのくらい深いかを事前に聞いておくと、準備の仕方を変えられます。エージェントの選び方はSIerの転職エージェントの選び方で行き先別に比べています。
業務委託の面談そのものの対策は、フリーランスエンジニアの面談対策にまとめています。転職と独立で迷っている人はSIerからの転職先と進め方で全体像を見たり、キャリア診断で自分に近いタイプを確かめたりしてみてください。
企業ごとの面接対策を相談したい方へPR
応募先ごとに聞かれやすいことを事前に知りたいなら、ITエンジニア向けの転職エージェントのレバテックキャリアに相談する方法があります。登録は無料で、転職をまだ検討中の段階でも相談できます。公式サイトでは、企業ごとの面接対策もサポートするとしています。
僕自身は転職をしていないので、レバテックキャリアを使ったことはありません。エンジニアとしての経験がない方・50代以上の方・対象エリア外の方は、紹介できる求人が無くサポートを受けられないことがあります。
サービスの内容は2026年10月11日に公式サイトで確認したものです。最新の情報は公式サイトで確かめてください。
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