独立後のお金

マイクロ法人の維持費は年いくら?合同会社の実額と内訳を項目ごとに公開

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マイクロ法人の年間の維持費(机の上の帳簿と電卓、封筒、卓上カレンダー、4つに分けた硬貨)
目次 6項目
  1. マイクロ法人の維持費は年30万円強だった(僕の合同会社の場合)
  2. 維持費の項目ごとの中身
  3. 株式会社と合同会社で維持費はどう違うか
  4. 維持費を抑える方法
  5. 維持費に見合うかは何と比べて決めるか
  6. まとめ:維持費は「減らしにくい費用」と「選べる費用」に分けて見る

マイクロ法人の維持費は、僕の合同会社で年30万円強です。中身は、法人住民税の均等割・税理士費用・会計ソフト・バーチャルオフィスの4つです。いちばん大きいのは税理士費用で、これだけで年20万円くらいかかっています。

僕は2016年にフリーランスエンジニアとして独立しました。2024年にマイクロ法人(合同会社)を作り、いまは個人事業と法人の二刀流です。エンジニアの売上はすべて個人事業のままで、法人は自分の資産管理をする会社にしています。

この記事では、僕の法人の維持費を項目ごとに実額で書きます。そのうえで、各項目の中身・株式会社と合同会社の違い・維持費を抑える方法を、総務省や国税庁などの公式情報で確かめた範囲で整理します。

法人を作るときに一度だけかかった費用は、freee会社設立の費用と合同会社を作った記録にまとめています。この記事では、作ったあと毎年かかる維持費だけを扱います。

マイクロ法人の維持費は年30万円強だった(僕の合同会社の場合)

マイクロ法人の維持費は、僕の場合で年30万円強です。均等割・税理士費用・会計ソフト・バーチャルオフィスの4つで、どれも法人に利益が出ていなくても毎年かかります。

法人の維持費(年額)の内訳。税理士費用(決算申告を含む)20万円くらい、法人住民税の均等割7万円、バーチャルオフィス2万5千円、会計ソフト3万6千円ほど。合計は年30万円強
僕の法人の維持費の内訳(年額)

維持費の内訳

僕の法人の維持費を、金額の大きい順に並べると次のとおりです。

項目(年額)金額中身
税理士費用20万円くらい決算資料の作成と決算申告を含む
法人住民税の均等割7万円利益が無くてもかかる税金
バーチャルオフィス2万5千円社会保険料の支払い用紙が届く
会計ソフト(freee会計・ひとり法人プラン)3万6千円ほど法人の仕訳を自分でつけるため

4つを足すと、33万円ほどです。ただし税理士費用は「くらい」の額なので、合計もおおよその数字です。そのため、この記事では「年30万円強」と書いています。

いちばん大きいのは税理士費用

4つのうち、いちばん大きいのは税理士費用です。年20万円くらいで、維持費の半分以上を占めています。

僕は法人の仕訳を自分でつけて、決算資料の作成と決算申告を税理士にお願いしています。法人の決算処理は個人と違って複雑で、専門知識の無い自分がやるとまず間違えると思ったからです。ネットで調べても、そういう内容が出てきました。

税理士費用は、頼む範囲で大きく変わる項目です。逆に言えば、維持費の中でいちばん「選べる」項目でもあります。頼む範囲の決め方は、この記事の後半で書きます。

社会保険料は別にかかる

法人を作ると、上の4つとは別に社会保険料が毎月かかります。社長1人だけの会社でも、役員報酬を払えば、法人で健康保険と厚生年金に入ることになるからです。

僕の場合は、協会けんぽと厚生年金を合わせて月2万円強です。法人から受け取る役員報酬は、月45,000円にしています。マイクロ法人について調べたときに、給与所得控除などを考えるとこの額が良さそうだと分かったからです。

社会保険料は、維持費の4項目とは性格が違います。役員報酬の額で決まり、将来の年金にもつながるお金です。そのため、この記事では維持費の表に入れていません。社会保険料が二刀流の前後でどう変わったかは、マイクロ法人と個人事業主の二刀流に書いています。

維持費の項目ごとの中身

マイクロ法人の維持費は、税金・専門家への報酬・ソフト代・住所の費用に分かれます。ここでは、4つの項目がそれぞれ何のお金なのかを、公式の説明と僕の実額で整理します。

均等割(赤字でもかかる)

均等割は、法人住民税のうち、利益に関係なくかかる部分です。マイクロ法人の維持費の中で、いちばん減らしにくい項目でもあります。

総務省は、均等割について次のように説明しています。

均等割と法人税割の決定的な違いとしては、法人税割は国に法人税を納めている法人、つまり黒字の法人だけが払うのに対して、均等割は赤字の法人も払わなければならないということです。

出典:総務省「地方税制度|法人住民税」

均等割の額は、法人の資本金等の額と従業者数で決まります。同じページの表では、資本金等の額が1千万円以下で従業者数が50人以下の法人の場合、都道府県民税の均等割が2万円、市町村民税の均等割が5万円です。

資本金等の額1千万円以下・従業者数50人以下の場合均等割
都道府県民税2万円
市町村民税5万円
合計7万円

僕の法人の均等割も、年7万円です。社長1人のマイクロ法人なら、多くの場合はこの区分に当てはまるはずです。ただし表の額は総務省が示す標準の税率で、実際の税率は都道府県・市区町村が決めます。本店を置く自治体のページで確かめておくと安心です。

均等割のほかに、法人には法人税割や法人税・法人事業税もあります。こちらは利益に応じてかかる税金なので、利益が出ない年はかかりません。毎年必ず出ていく税金は、均等割だと考えておくと分かりやすいです。

税理士費用(決算申告を含む)

税理士費用は、僕の法人で年20万円くらいです。決算資料の作成と決算申告までを含んだ金額です。

税理士の報酬には、決まった料金表がありません。日本税理士会連合会は、報酬について次のように説明しています。

税理士又は税理士法人は自由な意思のもと自己責任と説明責任に基づいて報酬を算定し委嘱者に請求することとなりました

出典:日本税理士会連合会「税理士に相談する」

報酬は事務所ごとに決められるので、同じマイクロ法人でも金額は違います。一般に、金額を左右するのは次のような点です。

  • 毎月の相談も含む顧問契約か、決算だけを頼むか
  • 仕訳(記帳)を自分でするか、税理士に任せるか
  • 取引の件数や、法人の事業の中身

僕は仕訳を自分でしているので、税理士に頼んでいるのは決算資料の作成と決算申告です。僕の法人は資産管理をする会社です。今の税理士は、良くも悪くも必要最低限のことをやってくれる、業務的な人です。

税理士を頼んだ理由や、資産管理会社だという理由で断られ続けた税理士探しは、マイクロ法人の税理士に詳しく書いています。

会計ソフト

会計ソフトは、僕の法人でfreee会計のひとり法人プランを使っていて、年3万6千円ほど(年払い・税抜35,760円)です。個人事業のほうも同じfreee会計で帳簿をつけています。

法人は、売上が少なくても帳簿をつけて、毎年決算と申告をします。仕訳を自分でつける場合は、会計ソフトの費用が毎年かかります。

2026年10月8日に公式サイトで確認したfreee会計の新設法人向けのプランは、次の3つでした(いずれも税抜)。

プラン年払い月払い
ひとり法人年額35,760円(2,980円/月)3,980円/月
スターター年額65,760円(5,480円/月)+従量課金7,280円/月+従量課金
スタンダード年額107,760円(8,980円/月)+従量課金11,980円/月+従量課金

出典:freee会計「料金プラン|新設法人向けクラウド会計ソフトのfreee会計」

僕が使っているのは、この表のひとり法人プランです。料金は変わることがあるので、これから法人で使う方は、公式サイトの最新の料金で見積もってください。公式サイトでは、どのプランも30日間無料で試せると案内されています。

freee会計を個人事業で使ってきた感想と、良かった点・不満な点はfreee会計を個人事業主が使う理由に書いています。

法人の帳簿を自分でつけたい方へPR

僕は個人事業でも法人でも、freee会計で仕訳をしています。法人向けのプランと料金は、公式サイトで確かめてください。

freee会計の料金とプランを見る

内容は2026年10月8日に公式サイトで確認したものです。最新の情報は公式サイトで確かめてください。

住所の費用(バーチャルオフィス)

僕の法人はバーチャルオフィスを使っていて、費用は年2万5千円です。

一般に、法人の本店の住所は、登記されて誰でも調べられる情報になります。自宅を本店にすれば住所の費用はかかりません。ただ自宅の住所が登記に載るので、それを避けたい人はバーチャルオフィスなどを使うのが一般的です。賃貸の住宅では、契約で法人の登記が認められていないこともあるとされています。

バーチャルオフィスには、費用のほかに手間もあります。僕の法人では、社会保険料の支払い用紙がバーチャルオフィスに届きます。そのため、毎月取りに行っています。法人口座のネット銀行が社会保険料の引き落としに対応していないので、その用紙で毎月振り込んでいます。

一つひとつは小さな作業です。ただ毎月のことなので、正直に言うと面倒です。バーチャルオフィスを選ぶときは、料金だけでなく郵便物をどう受け取るかも確かめておくと安心です。

株式会社と合同会社で維持費はどう違うか

株式会社と合同会社では、株式会社のほうが維持費が増えやすいとされています。均等割・税理士・会計ソフトの考え方は同じですが、株式会社には決算公告と役員の任期があるからです。

僕は合同会社を選びました。会社を大きくする必要が無かったので、設立費用の低い合同会社でいいと判断しています。毎年の維持の面でも、次のような違いがあります。

項目合同会社株式会社
均等割資本金等の額と従業者数で決まる(会社の種類では変わらない)同じ
税理士・会計ソフト頼む範囲・プランしだい同じ
決算公告会社法上の義務は無い毎年、貸借対照表などを公告する
役員の任期会社法上の任期は無い取締役は原則2年(非公開会社は定款で最長10年)
役員の変更登記役員が変わらなければ不要任期ごとに登記が要る(同じ人が続ける場合も)

決算公告

株式会社は、毎年の決算のあとに貸借対照表を公告する義務があります。会社法は次のように定めています。

株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。

出典:e-Gov法令検索「会社法」第440条

公告の方法は、官報・新聞・電子公告などから会社が定款で決めます。官報などに載せる場合は掲載の費用がかかり、自社のホームページで公開する方法なら費用を抑えられるとされています。どの方法でも、毎年の作業が1つ増えることに変わりはありません。

合同会社には、この決算公告の義務がありません。条文の主語が「株式会社は」となっていて、合同会社は対象になっていないからです。マイクロ法人で合同会社が選ばれやすい理由の1つとされています。

役員の任期と登記

株式会社の取締役には任期があり、任期が来るたびに登記が要ります。会社法は、取締役の任期を次のように定めています。

取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。

出典:e-Gov法令検索「会社法」第332条

同じ条文の2項で、株式を自由に譲れない会社(非公開会社)は、定款で任期を10年以内まで延ばせるとされています。任期を延ばしても、任期が来れば同じ人が続ける場合も登記が要るとされています。

役員の変更登記には、登録免許税がかかります。国税庁の税額表では、取締役などに関する事項の変更の登記は「申請件数1件につき3万円」で、資本金の額が1億円以下の会社は1万円です(国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」)。司法書士に頼めば、その報酬も別にかかります。

合同会社の社員(出資して業務をする人)には、株式会社の取締役のような会社法上の任期がありません。役員が変わらなければ、定期的な変更登記も要りません。

設立のときの費用も、合同会社のほうが安く済みます。合同会社と株式会社の設立費用の違いは、freee会社設立の費用と合同会社を作った記録で比べています。

維持費を抑える方法

マイクロ法人の維持費を抑えるなら、税理士・会計ソフト・住所の3つが見直せる項目です。均等割と社会保険料は、工夫で大きく減らすことは難しい項目です。

減らしにくい費用と工夫で変わる費用の比較。減らしにくいのは、法人住民税の均等割(赤字でもかかる)と社会保険料(役員報酬の額で決まる)。工夫で変わるのは、税理士費用(頼む範囲を決める)、会計ソフト(仕訳を自分でやる)、住所の費用(置き方を選ぶ)
マイクロ法人の維持費で、減らしにくい費用と工夫で変わる費用

社会保険料は、役員報酬の額をもとに決まります。役員報酬は事業年度の途中で自由に変えにくいので、毎月の保険料も期の途中では動かしにくいお金です。均等割は、先に書いたとおり利益に関係なくかかります。

この2つを除くと、残りの3つが見直せる項目です。ただし、どれも削りすぎると手間やリスクが増えます。

会計ソフトで仕訳を自分でやる

維持費を抑える方法の1つ目は、会計ソフトを使って仕訳を自分でやることです。仕訳まで税理士に任せると、その分だけ報酬が増えるのが一般的だからです。

僕は個人事業でも法人でも、freee会計で仕訳を自分でつけています。個人事業のほうは、1〜3か月に1回くらい口座の情報をfreeeに同期して仕訳しています。freee会計はよく使う仕訳を予測してくれるので、入力もわりと分かりやすいです。

僕は会計の知識がほぼありません。それでも仕訳は自分で回せていて、法人の仕訳も同じfreee会計でつけています。

自分で仕訳をするなら、ためずにこまめにつけるのが続けるコツとされています。決算の直前に1年分をまとめると、確認の手間が一気に増えるからです。freee会計の使い方と、ためないための回し方はfreee会計を個人事業主が使う理由に書いています。

税理士に頼む範囲を決める

2つ目は、税理士に頼む範囲を先に決めることです。維持費のいちばん大きい項目なので、ここを決めるだけで年間の総額が大きく変わります。

僕の分担は、次のとおりです。

個人事業マイクロ法人
仕訳自分(freee会計)自分(freee会計)
決算資料の作成自分税理士
申告自分(確定申告)税理士(決算申告)

法人の決算を自分でやれば、税理士費用はかかりません。法人の申告を代表者が自分でするのは、法律上禁止されていないからです。ただ、法人の決算は個人の確定申告より複雑だとされています。僕は自分がやるとまず間違えると思ったので、決算は税理士にお願いしています。

もう1つ、正直な理由もあります。税理士にお願いすることを、経験としてやってみたかったんです。なんかカッコいい気がしたというのも、本当のところです。

見積もりを取るときは、「どこまで自分でやって、どこから頼むのか」を先に決めておくと比べやすくなります。また、法人で何をしているかによっては、引き受けてもらえないこともあります。僕は資産管理会社だという理由で、税理士に何度も断られました。

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公式サイトによると、コーディネーターが無料で税理士を紹介してくれて、紹介を断るのも自由です。「決算・確定申告だけ依頼したい」といった頼み方からも探せます。頼む範囲を決めてから相談すると、見積もりを比べやすくなります。

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内容は2026年10月8日に公式サイトで確認したものです。最新の情報は公式サイトで確かめてください。

住所の置き方

3つ目は、本店の住所の置き方です。自宅を本店にすれば、住所の費用はかかりません。

その代わり、自宅の住所が登記に載って公開されます。賃貸の住宅なら、法人の登記に使ってよいかを契約で確かめておく必要もあります。住所の費用を払ってでも自宅を出したくないなら、バーチャルオフィスを使う方法があります。

バーチャルオフィスは、事業者やプランで料金と中身が違います。比べるときは、次の点を確かめておくと安心です。

  • 法人の登記に使えるか
  • 郵便物を転送してもらえるか、取りに行く必要があるか
  • 郵便物が届いたときに知らせてもらえるか

僕の場合は、社会保険料の支払い用紙がバーチャルオフィスに届くので、毎月取りに行っています。料金が安くても、郵便物の受け取りで毎月の手間が増えることはあります。住所の費用と手間を、両方並べて選ぶのがおすすめです。

維持費に見合うかは何と比べて決めるか

維持費に見合うかどうかは、社会保険料・税金・将来の年金の変化と維持費を同じ1年単位で並べ、最後は税理士に試算してもらって決めます。どれも売上・所得・家族構成・住んでいる地域で変わるので、人によって答えが違います。

この記事では、僕の維持費と社会保険料を引き算して、損得の額を出すことはしません。比べるときに並べたい項目と、維持費のほうが重くなりやすいとされる人の特徴を整理します。

並べて比べる項目

マイクロ法人を作るかどうかを考えるときは、次の項目を同じ1年単位で並べます。

並べる項目確かめ方
法人を作らない場合の社会保険料国民健康保険料は市区町村の通知、国民年金保険料は日本年金機構の案内で確かめる
法人を作った場合の社会保険料役員報酬の額と、都道府県ごとの保険料率で決まる
税金の変化個人の所得税・住民税と、法人の税金(均等割を含む)を合わせて見る
法人の維持費税理士・会計ソフト・住所など。この記事の内訳を参考に、自分の場合の見積もりを出す
将来の年金厚生年金の受け取りは報酬に見合った額になる

法人で入る健康保険と厚生年金の保険料は、会社と本人で半分ずつ負担する仕組みです。日本年金機構は、厚生年金保険の保険料について「事業主と被保険者とが半分ずつ負担します」と説明しています(日本年金機構「厚生年金保険の保険料」)。社長1人の会社では、どちらの負担分も自分の会社と自分の報酬から出ていくことになります。比べるときは、合計の額で見ると分かりやすいです。

協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに違い、協会けんぽ「令和8年度保険料額表」で確認できます。

国民健康保険料は、前年の所得などをもとに決まるのが一般的です。売上が伸びる途中なら、来年以降の見込みも並べておくと判断しやすくなります。僕が法人を作ったのも、売上が上がる見込みがあって、このままだと社会保険料が高くてやばいと思ったのがきっかけでした。

ここまでの項目を自分で並べても、税金の計算まで正確に出すのは簡単ではありません。最終的な損得は、自分の申告書をもとに税理士に試算してもらうのが確実です。

維持費のほうが重くなりやすい人

一般に、次のような人はマイクロ法人の維持費のほうが重くなりやすいとされています。

  • 売上がまだ安定していない、または売上1,000万円に届くまで距離がある
  • 国民健康保険と国民年金の負担が、まだそれほど重くない
  • 法人でやる事業の中身が決まっていない
  • 帳簿づけや毎年の決算・申告の手間を増やしたくない

維持費は、法人を持っている限り毎年かかります。法人は使わなくなっても自然に消えるわけではなく、なくすには解散と清算の手続きが要ります。作る前の段階で、やめるときの手順と費用も税理士に聞いておくと、後で慌てずに済みます。

僕は、二刀流を検討していいのは売上1,000万円前後くらいからかなと思っています。ただ、これは僕の感覚です。所得がいくらなら作るべき、という線を引けるものではありません。検討の目安と判断の流れは、フリーランスエンジニアのマイクロ法人にまとめています。

設立の費用も含めて考える

マイクロ法人のお金は、毎年の維持費だけではありません。最初に一度、設立の費用がかかります。

僕は2024年にfreee会社設立を使い、freeeの中で司法書士にも頼みました。創立費は98,910円でした。司法書士への報酬も、たしかこの中に含まれていたはずです(記憶が定かではありません)。

設立の費用は一度きりですが、維持費は毎年続きます。作るかどうかを考えるときは、設立の費用と、何年か続けた場合の維持費をあわせて見ておくと安心です。設立の流れと費用の内訳は、freee会社設立の費用と合同会社を作った記録に書いています。

法人成りも含めて、法人化そのものが必要かどうかから考えたい方は、フリーランスエンジニアの法人化で3つの形を並べて整理しています。

まとめ:維持費は「減らしにくい費用」と「選べる費用」に分けて見る

マイクロ法人の維持費は、僕の合同会社で年30万円強です。もう一度、内訳をまとめます。

  • 税理士費用:年20万円くらい(決算資料の作成と決算申告を含む)
  • 法人住民税の均等割:年7万円(赤字でもかかる)
  • バーチャルオフィス:年2万5千円
  • 会計ソフト(freee会計・ひとり法人プラン):年3万6千円ほど
  • このほかに、社会保険料が協会けんぽと厚生年金で月2万円強

均等割と社会保険料は、工夫で大きく減らせる費用ではありません。一方で、税理士に頼む範囲・会計ソフトの使い方・住所の置き方は、自分で選べます。僕は仕訳を自分でつけて、決算だけを税理士に頼む形にしています。

株式会社にすると、決算公告や役員の任期による登記が加わります。1人で回すマイクロ法人なら、毎年の手間の面でも合同会社は選びやすい形です。

維持費に見合うかどうかは、売上・所得・家族構成・住んでいる地域で変わります。法人を作るか、続けるかを決める前に、自分の数字を税理士に見てもらってください。

この記事を書いた人

サカイ

フリーランスエンジニア

2009年に新卒でSIerに入社し、2016年にフリーランスエンジニアとして独立。.NET中心の業務系システム、金融系の案件を2016年から継続。現場では面談する側にも入っている。

プロフィールを詳しく見る

  1. フリーランスエンジニアのマイクロ法人|2024年に作った僕の判断ラインフリーランスエンジニアのマイクロ法人を、2024年にマイクロ法人を作ったサカイが整理します。検討の目安、個人事業主との二刀流での使い方、メリットとデメリット・維持費、作る前に確かめることをまとめます。
  2. マイクロ法人と個人事業主の二刀流|社会保険料は月6〜8万円くらいから2万強マイクロ法人と個人事業主の二刀流を、2024年に始めたサカイの記録で整理します。社会保険料は月6〜8万円くらいから月2万円強になりました。仕組み、メリット・デメリット、始めるまでの手順をまとめます。
  3. マイクロ法人の社会保険料はいくら?国保からの切り替えと役員報酬の決め方マイクロ法人の社会保険料の決まり方を、国保から協会けんぽ・厚生年金に切り替えたサカイが整理します。役員報酬の決め方、切り替えの手続き、社会保険料を下げるデメリットをまとめます。
  4. マイクロ法人の後悔ポイントと続けていること|2024年に作った僕の実感マイクロ法人で後悔ポイントかもと感じていることと、いまも続けていることを、2024年に作ったサカイが書きます。法人格があるだけで頭を使う感覚や毎月の手間、社会保険料の変化、よくある後悔のパターン、作る前に確かめること、やめるときの流れと費用をまとめます。
  5. マイクロ法人に税理士は必要?年20万円で決算を任せている僕の分担マイクロ法人に税理士が必要かを、年20万円くらいで法人の決算申告を税理士に頼んでいるサカイが整理します。税理士なしが難しい理由、費用と頼む範囲、資産管理会社で断られ続けた税理士探し、相談するタイミングをまとめます。
  6. freee会社設立の費用は?合同会社を作った創立費98,910円の記録freee会社設立で合同会社を作ったときの創立費98,910円の記録です。freee会社設立で無料になる部分と必ずかかる法定費用、合同会社と株式会社の設立費用の違い、設立までの流れと期間、使ってよかった点・注意点、設立後にかかるお金をまとめます。