マイクロ法人に税理士は必要?年20万円で決算を任せている僕の分担
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目次 6項目
マイクロ法人に税理士は、法律上は必ずしも要りません。法人の申告を自分でするのは禁止されていないからです。
それでも僕は、法人の決算は税理士に頼んでいます。費用は決算申告を含めて年20万円くらいです。
僕は2016年にフリーランスエンジニアとして独立し、2024年にマイクロ法人(合同会社)を作りました。エンジニアの売上は個人事業のままで、法人は自分の資産管理をする会社にしています。個人事業と法人の二刀流です。
この記事では、マイクロ法人に税理士が要るのかを一般的な情報として整理します。そのうえで、僕が自分でやっている範囲と税理士に頼んでいる範囲、資産管理会社だという理由で何度も断られた税理士探しを、実際の経験のまま書きます。
税理士費用を含めた法人の維持費の全体は、マイクロ法人の維持費にまとめています。
マイクロ法人に税理士は法律上いらない。僕は決算だけ頼んでいる
マイクロ法人に税理士をつけることは、法律上の義務ではありません。自分の会社の決算と申告を、代表者が自分で行うこともできます。
僕の場合は、法人の仕訳を自分でして、決算は税理士に頼んでいます。全部を任せているわけでも、全部を自分でしているわけでもありません。
法律上は自分でできる
税理士法で税理士でない人に禁じられているのは、他人の求めに応じて税務代理や税務書類の作成、税務相談をすることです。国税庁も、税理士法違反の説明の中で「他人の求めに応じ」て行う税理士業務を禁止の対象として挙げています(国税庁「税理士法違反行為」)。
自分の会社の申告を自分でするのは、他人から頼まれて行う業務ではありません。そのため、マイクロ法人の決算と申告を代表者が自分で行うことは、一般に問題ないとされています。
自分でやる場合に要ること
自分で決算をする場合は、帳簿をつけるだけでなく、決算書を作って法人税の申告書を書くところまで自分で担います。法人税の確定申告書は、原則として事業年度が終わった日の翌日から2か月以内に出す決まりです(国税庁「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告」)。
自分でやるなら、少なくとも次のものが要ります。
- 1年分の取引を漏れなく仕訳した帳簿
- 貸借対照表・損益計算書などの決算書を作る知識
- 法人税の申告書を作る時間(会計ソフトや申告ソフトを使うことが多い)
- 国税だけでなく、都道府県・市区町村に出す地方税の申告への対応
法人は売上が無い年でも、法人住民税の均等割がかかります。僕の法人でも、均等割として年7万円を払っています。利益が出ていなくても申告の手続き自体は毎年あるので、「赤字だから何もしなくていい」とはなりません。
税理士なしが難しい理由
マイクロ法人を税理士なしで回すのが難しいとされる理由は、法人の決算が個人の確定申告より複雑だからです。僕が法人の決算を税理士に頼んでいるのも、まさにこの点が理由です。
法人の決算は個人の確定申告より複雑
僕は個人事業のほうは、freee会計で仕訳から確定申告まで自分でやっています。それでも法人の決算は、税理士にお願いすることにしました。
法人の決算処理は個人と違って複雑で、専門知識の無い自分がやるとまず間違えると思ったからです。ネットで調べても、そういう内容が出てきました。
僕は会計の知識がほぼありません。freee会計は借方・貸方の概念が見えにくい作りですが、僕にとってはむしろ分かりやすいくらいです。個人の確定申告は、freee会計で自分で回せています。
一般に、法人の決算では個人の確定申告に無い作業が増えるとされています。
- 法人税・地方法人税の申告書と、法人住民税・法人事業税の申告書を作る
- 決算書に加えて、勘定科目の内訳などの書類をそろえる
- 役員報酬や役員への貸し借りなど、法人と個人の間のお金の扱いを整理する
時間がかかり、間違いの修正も重い
自分で決算をする場合、慣れないうちは調べる時間が長くかかります。決算の時期に本業が忙しいと、さらに負担が重くなります。
申告を間違えた場合は、修正申告をしたり、加算税や延滞税がかかったりすることがあります。法人の申告は国税と地方税の両方にまたがるため、1か所の誤りが複数の申告に響くこともあります。
僕が税理士に頼んだ理由はもう1つあります。税理士にお願いすることを、経験としてやってみたかったからです。正直に言うと、なんかカッコいい気がしたんです(笑)。
税理士の費用と、頼む範囲
マイクロ法人の税理士費用は、頼む範囲で大きく変わります。僕は法人の仕訳を自分でして、決算資料の作成と決算申告を税理士に頼み、年20万円くらい払っています。

費用の相場(顧問・スポット)
税理士の報酬には、決まった料金表がありません。日本税理士会連合会は、報酬について次のように説明しています。
税理士又は税理士法人は自由な意思のもと自己責任と説明責任に基づいて報酬を算定し委嘱者に請求することとなりました
報酬は事務所ごとに自由に決められるので、同じマイクロ法人でも金額は事務所によって違います。同じページでは、委嘱の範囲と報酬額について契約書を交わすことも勧められています。
頼み方は、大きく分けると次の2つです。
| 頼み方 | 中身 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 顧問契約 | 毎月や四半期ごとに帳簿を見てもらい、相談もしながら決算申告まで頼む | 取引が多い人、日々の判断を相談したい人 |
| 決算だけ(スポット) | 1年分の帳簿をもとに、決算書の作成と申告だけを頼む | 取引が少なく、仕訳を自分でできる人 |
ほかに、仕訳そのものを任せる記帳代行を付けるかどうかでも金額が変わります。費用を抑えたい場合は、仕訳を自分でして、頼む範囲を決算に絞るのが1つの方法です。見積もりを取るときは、「どこまで自分でやって、どこから頼むのか」を先に決めておくと比べやすくなります。
僕の分担:仕訳は自分、決算は税理士
僕の分担は、法人の仕訳は自分、決算資料の作成は税理士です。会計ソフトは、個人事業と同じfreee会計を使っています。
| 個人事業 | マイクロ法人 | |
|---|---|---|
| 仕訳 | 自分(freee会計) | 自分(freee会計) |
| 決算・確定申告の書類づくり | 自分 | 税理士 |
| 申告 | 自分 | 税理士(決算申告) |
個人事業のほうは、1〜3か月に1回くらい口座の情報をfreeeに同期して仕訳しています。freee会計は、よく使う仕訳を予測してくれるので、入力もわりと分かりやすいです。
法人は役員である自分の資産管理をする会社なので、事業の規模は小さいです。実際に税理士に頼み始めてみると、やりとりはそれほど多くありません。ただ、専門家にちゃんと見てもらっているという安心感はあります。
年20万円くらいに決算申告まで含む
僕が税理士に払っているのは、決算申告を含めて年20万円くらいです。法人の維持費の4つの項目を並べると、税理士費用がいちばん大きくなります。
| 法人の維持費(年額) | 金額 |
|---|---|
| 税理士費用(決算申告を含む) | 20万円くらい |
| 法人住民税の均等割 | 7万円 |
| バーチャルオフィス | 2万5千円 |
| 会計ソフト(freee) | 3万6千円ほど |
合わせると、年30万円を少し超えるくらいです。項目ごとの中身はマイクロ法人の維持費の内訳に書いています。
この20万円が高いか安いかは、法人の中身や頼む範囲で変わります。僕の金額は、仕訳を自分でしている前提の一例として見てください。
マイクロ法人に向いた税理士の探し方
マイクロ法人の税理士を探すときは、まず「その法人の中身に対応してもらえるか」を確かめることが大切です。僕は、ここで何度もつまずきました。

マイクロ法人を分かっているか確かめる
僕の税理士探しは、freee経由で紹介してもらった税理士から始まりました。すぐ決まりそうになっていたのですが、後日「資産管理会社だと対応できない」と断られました。
その後、税理士のマッチングサイトを使って、数人の税理士とチャットでやりとりしました。ところが、同じ理由で断られることが続きました。なんとか1人、対応してくれる税理士を見つけたのが、今の税理士です。
マイクロ法人に理解のある税理士探しには、最初は苦労しました。
今の税理士の印象を正直に書くと、「めちゃくちゃ良い税理士」という感じではありません。良くも悪くも、必要最低限のことをやってくれる業務的な人です。マイクロ法人については、たぶんちゃんと理解してくれているはずです。
税理士事務所が引き受ける業務の範囲は、事務所ごとに違います。マイクロ法人と一口に言っても、事業をしている会社と資産管理をしている会社では中身が違います。問い合わせの最初に、次のことを伝えておくと話が早く進みます。
- 法人で何をしているか(事業の内容、資産管理会社かどうか)
- 個人事業と法人の二刀流かどうか
- 売上や取引の件数のおおよその規模
- 自分でやる範囲(仕訳は自分でするか、記帳代行も頼むか)
- 頼みたい範囲(決算だけか、顧問契約か)
会計ソフトに対応しているか
自分で仕訳をするなら、税理士が同じ会計ソフトのデータを見られるかも確認しておきたい点です。対応していないと、データの受け渡しに手間がかかったり、ソフトを変えるよう求められたりすることがあります。
僕は個人事業でも法人でもfreee会計を使っています。一般に、仕訳を自分で入れて決算資料を税理士に作ってもらう分担なら、同じソフトのデータを見てもらえるほうが受け渡しの手間は少なくなります。フルリモートで働いている人なら、オンラインで完結できるかどうかもあわせて確かめておくと安心です。
紹介サービスで探す
税理士を探す方法には、主に次のものがあります。
| 探し方 | 特徴 |
|---|---|
| 会計ソフトや会社設立サービス経由の紹介 | 使っているソフトに慣れた税理士につながりやすい |
| 税理士のマッチングサイト | 複数の税理士と直接やりとりして比べられる |
| 税理士紹介サービス | 条件を伝えると、担当者が合いそうな税理士を探してくれる |
| 日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」 | 登録されている税理士を名前や所在地で調べられる |
| 知人の紹介 | 人柄や対応を事前に聞ける |
僕が使ったのは、freee経由の紹介と、税理士のマッチングサイトの2つです。どちらでも、資産管理会社だという理由で断られました。
なお、日本税理士会連合会は、ネット上の税理士紹介サイトは連合会とは関係がないと案内しています(日本税理士会連合会「税理士に相談する」)。紹介サービスを使う場合も、最終的には税理士本人と話して、対応範囲と報酬を契約前に確かめることになります。
マイクロ法人に対応できる税理士を探している方へPR
税理士ドットコムは、税理士を探せるサービスです。僕自身は使ったことがありません。
公式サイトによると、コーディネーターが無料で税理士を紹介してくれて、紹介を断るのも自由です。「会社設立だけ依頼したい」「決算・確定申告だけ依頼したい」といった頼み方から探せて、個人事業主から中小企業まで幅広い相談を扱っていると案内されています。登録税理士数は7,597人(2026年10月11日時点)です。
資産管理会社のように、対応してもらえる税理士が限られる場合は、最初に法人の中身を伝えたうえで探してもらうのが1つの方法です。
内容は2026年10月1日に公式サイトで確認したものです。最新の情報は公式サイトで確かめてください。
税理士に相談するタイミング
マイクロ法人の税理士に相談するタイミングは、設立の前か、遅くとも1期目の決算の前です。決算が近づいてから探すと、引き受けてもらえる税理士が見つからないまま期限が迫ることもあります。
設立の前
設立の前に相談しておくと、決算月や役員報酬、設立後の届出などを決めるときに意見を聞けます。一般に、役員報酬は事業年度の途中で変えると税務上の扱いに注意が要るとされているため、設立前後の段階で考え方を確認しておくと安心です。
僕は役員報酬を月45,000円にしています。マイクロ法人について調べたときに、給与所得控除などを考えるとこの額が良さそうだと分かったからです。役員報酬の決め方と社会保険料の関係は、マイクロ法人の社会保険料と役員報酬の決め方に書いています。
1期目の決算の前
設立の時点で税理士が決まっていなくても、1期目の決算までには決めておく必要があります。法人税の申告期限は、原則として事業年度が終わった日の翌日から2か月以内だからです。
僕のように「資産管理会社だと対応できない」と断られることもあるので、探し始めるのは早いほうが安心です。何人かに断られても、期限まで余裕があれば落ち着いて次を当たれます。
1期目の決算の前に確かめておきたいことは、次のとおりです。
- 帳簿の仕訳が、事業年度の終わりまで入っているか
- 決算をどこまで自分でして、どこから頼むか
- 税理士に渡す資料と、受け渡しの方法
- 申告期限から逆算した、依頼の締め切り
設立の費用と流れ
僕はマイクロ法人を作るときに、freee会社設立を使いました。freeeの中で司法書士にも頼んだので、ほぼすべてfreeeで完結したはずです。創立費は98,910円でした。会社を大きくする必要が無かったので、設立費用の低い合同会社を選んでいます。
設立にかかった費用と流れは、freee会社設立の費用と合同会社を作った記録にまとめています。法人を作るかどうかから考えたい方は、フリーランスエンジニアのマイクロ法人とマイクロ法人と個人事業主の二刀流も参考にしてください。
まとめ:税理士に頼む範囲を決めてから探す
マイクロ法人に税理士は、法律上は必須ではありません。ただ、法人の決算は個人の確定申告より複雑で、僕は自分がやるとまず間違えると思って決算を税理士に頼んでいます。
僕の分担と費用をもう一度まとめます。
- 仕訳は自分(freee会計)
- 決算資料の作成と決算申告は税理士
- 税理士費用は、決算申告を含めて年20万円くらい
税理士探しでは、資産管理会社だという理由で何度も断られました。マイクロ法人の税理士を探すときは、法人の中身と頼みたい範囲を最初に伝えて、対応できるかを確かめてから話を進めてください。
税理士への依頼の要否や金額は、法人の中身やご自身の状況で変わります。個別の判断は、税理士や税務署に相談してください。
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