フリーランスエンジニアが正社員に戻るには?難しい理由と戻れる人の条件
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目次 10項目
フリーランスエンジニアから正社員に戻ることはできます。難しいと言われるのは、企業が「長く定着してくれるか」「組織のルールになじめるか」「希望年収が高すぎないか」の3つを気にするからです。業務委託で期待どおりの成果を出してきた人なら、この3つには経歴で答えられます。ただし戻る理由を自分で選べていないと、戻ったあともうまくいきにくくなります。
書いている僕は、2009年に新卒でSIerに入りました。転職はせずに、2016年にフリーランスエンジニアとして独立しています。正社員には戻っていませんし、戻る予定もありません。ただ、業務委託で入っている先で「うちの会社に入っちゃえばいいのに」と言われたことがあります。業務委託のエンジニアを受け入れる面談では、面談する側に座ることもあります。
戻るための手順は一般的な情報として整理し、そこに誘われる側と受け入れる側として見てきたことを重ねます。正社員に戻るか迷っているフリーランスエンジニアと、独立する前に「戻り道」を確かめておきたい会社員エンジニアに向けた記事です。
フリーランスを続ける道も比べたい方は、フリーランスエンジニアのエージェントの選び方も参考にしてください。
フリーランスエンジニアは正社員に戻れる?難しいと言われる理由
フリーランスエンジニアが正社員に戻ることは、十分にできます。ただ企業がフリーランス経験者に対して気にする点があるので、そこに先回りして答える準備は要ります。
フリーランスの経験も社会人経験として扱われる
業務委託で働いてきた人も、転職サービスの対象に入っています。たとえばITエンジニア向けの転職サイトのレバテックダイレクトは、よくある質問で「正社員・契約社員・業務委託など社会人経験のある方がご利用いただけます」と案内しています(出典:レバテックダイレクト公式サイト、2026年10月18日確認)。
「フリーランスになると会社員に戻れない」という声もあります。僕はそうは全然思っていません。その理由は、このあとの章で体験とあわせて書きます。
企業がフリーランス経験者に感じる3つの不安
正社員の採用で、企業がフリーランス経験者に感じやすい不安は3つあります。1つ目は「また独立して、すぐに辞めてしまわないか」という定着の不安です。2つ目は、自分の裁量で働いてきた人が会社の決まりや上下関係になじめるかという不安です。3つ目はフリーランスの報酬を基準にした希望年収が、社内の給与の水準と合わないのではないかという不安です。

どれも、経歴の見せ方で答えられる不安です。定着の不安には、同じ現場で続けた期間と契約が更新されてきた事実が答えになります。組織への適応には、チームの中で担った役割やほかの人と調整した経験を書きます。希望年収はフリーランスの売上と比べず、手取りと福利厚生まで含めて考えた額を伝えると話がかみ合いやすくなります。
戻りやすい人と苦戦しやすい人
戻りやすいのは、同じ現場や同じ分野で長く続けてきた人です。担当した工程と成果を具体的に話せる人も、企業から見て判断しやすくなります。
苦戦しやすいのは、短い案件を次々に移ってきた人です。経歴の空白が説明できない人も、面接で不安を残しやすくなります。なぜ独立してなぜ戻るのかを自分の言葉で話せない場合も同じです。希望年収をフリーランスのころの売上で考えている人も、条件が合う求人を見つけにくくなります。
「一度出たら戻れない」とは限らない
「一度フリーランスになったら戻れない」は、戻る理由と経歴の見せ方が整っていない場合の話です。独立を迷っている段階の方は、独立の手順と「戻り道」をまとめたエンジニアが独立するにはもあわせて読んでみてください。
正社員に戻りたくなる理由と、決める前に考えたいこと
正社員に戻りたくなる理由によっては、戻る以外の手当てがあることもあります。決める前に、自分の理由がどれに当たるかを確かめておくと後悔が減ります。
よくある5つの理由
フリーランスエンジニアが正社員に戻りたくなる理由として、よく挙げられるのは次の5つです。
- 収入の波:案件が切れたときの無収入や、単価が下がる不安
- 社会保険と老後の備え:国民健康保険・国民年金の負担と、厚生年金が無いこと
- 孤独:相談できる上司や同僚がいない
- スキルの偏り:同じような案件が続き、新しい技術や大きなプロジェクトに関わりにくい
- ライフイベント:結婚・出産・住宅の購入などで、安定した収入や社会的な信用が欲しくなる
ここに事務作業の負担を挙げる人もいます。請求書や確定申告などを自分でこなすのが重荷になる、という理由です。
収入と社会保険は、戻る以外の手当てもある
収入の波と社会保険は、戻る以外の方法で手当てできる場合があります。たとえば収入の波には、長く続く案件を選ぶことや生活費の蓄えを厚くすることで備える人もいます。
社会保険について、僕は2024年にマイクロ法人を作って個人事業と並行する形にしました。それで国民健康保険・国民年金から、会社の健康保険と厚生年金に切り替えました。この方法には設立と維持の手間や費用がかかり、向き不向きもあります。社会保険や税の扱いは個別の事情で変わるので、検討するときは税理士や社会保険労務士に相談してください。
孤独やスキルの偏りは、会社員に戻ると解消しやすいとされる理由です。チームで働く環境や社内で新しい技術に関わる機会を求めているなら、戻る理由として筋が通っています。
「しょうがないから会社員」では続かない
「しょうがないから会社員」「しょうがないからフリーランス」のように妥協してキャリアを選んでいる人は、働き方に関係なくうまくいかないと僕は思っています。
僕自身、2016年に独立したときは転職を考えませんでした。決めた理由も、けっこう安易なものでした。
戻ること自体は失敗ではありません。大事なのは、案件が切れて仕方なく戻るのかチームで働きたいから戻るのかを自分で分かっていることです。どちらなのかを書き出しておくと、戻ったあとに迷ったときの支えになります。
迷いが一時の気持ちかを確かめる
迷っているときは、その気持ちが一時のものかどうかを確かめると判断しやすくなります。2009年当時は、長く勤めるのが正解とされていた気がします。ただ自分の人生の主役は自分であって、会社のために自分がいるわけではありません。転職が面倒、怖いという気持ちは分かります。それでも、一時の気持ちを優先して何も動き出さない将来のほうが怖いと僕は思っています。
フリーランスの不安を一つずつ見直したい方は、フリーランスエンジニアはやめとけ?にまとめています。
「うちに入れば」と言われた3回と、僕が戻らない理由
業務委託で入っている先から「うちの会社に入っちゃえばいいのに」と言われたことは、覚えているかぎり3回です。ここでは、その3回と僕が正社員に戻らない理由を書きます。
覚えているのは3回、どれも飲み会の席
1回目と2回目は、金融系の案件で言われました。相手は、僕がジョインしている会社の社長と副社長で、どちらからも言われています。この会社は顧客ではなく、システム開発会社です。
3回目は別の現場で、同じチームのリーダー的な立場の人から言われました。
3回とも、飲み会の場でのことです。それでも社交辞令っぽい雰囲気ではなく、「まぁまぁ本気」だったと僕は受け止めています。本当に本気だったのかを確かめたわけではありません。
笑って流しても、行く当てがあるのは精神衛生上いい
言われたときは、笑って流しました。社員になることは一切考えていないからです。
それでも仮にどうしても食い扶持が無くなったときに行く当てがあるのは、精神衛生上いいと思っています。
フリーランスは不安定だと思われがちです。ただ業務委託先の信用を勝ち取れば、その企業に就職することも十分できると僕は思っています。
今も会社員の道は考えていないが、戻る人を否定はしない
言われたときも今も、会社員の道は考えていません。
とはいえ、会社員に戻る人を否定しているわけではありません。前の章で書いたとおり、僕が大事だと思っているのは、働き方に関係なく妥協せずに自分で選べているかどうかです。
声がかかるのは、今の現場で求められ続けた結果
業務委託先から声がかかることと正社員に戻れることは、どちらも「いまの現場で必要とされているか」が土台になる点で重なります。
僕は2016年に独立してから、案件と案件の間に無収入の期間が一度もありません。特別なことをしてきたわけではなく、いまの現場で求められる自分で居続けることが理由だと思っています。新しい現場で求められるかは自分の管理下にありません。一方で、いまの現場で価値を出すことは自分の管理下にあります。
日々意識しているのは、期限を守ることとリアルで会ったときにしっかりコミュニケーションを取ることです。勤怠が良好で与えられた仕事をこなしていれば、切られることは基本的にないと思っています。簡単なようで、この当たり前ができない人が意外といます。契約が続く人と切られる人の違いは、フリーランスエンジニアの契約終了に詳しく書いています。
業務委託で受け入れる側から見た「戻れる人」の条件
正社員に戻れる人の条件は、業務委託で受け入れる側から見てもある程度は見当がつきます。ここでは僕が面談する側として見ていることを、企業の3つの不安と重ねて書きます。
正社員の面接ではなく、業務委託の面談で見ていること
最初に断っておくと、僕は正社員の採用面接に関わったことはありません。ここで書くのは、業務委託のエンジニアを現場に迎える面談で見ていることです。正社員の面接官が同じ見方をするとは限りません。
それでも業務委託の面談で気にしている点は、企業が正社員の採用で気にする「定着」「組織への適応」と重なるところがあります。その重なりを手がかりとして読んでください。
経歴が短く途切れていると不安に見える
経歴の続き方は、面談する側からよく見えます。直近の経歴に数か月で終わった案件ばかりが並んでいると、僕は不安を感じます。
これは、企業が正社員の採用で気にする定着の不安とつながっています。同じ現場で長く続けてきた経歴は、「この人は続きそうだ」と思ってもらう材料の1つになります。
スキルシートで最初に見るのは、スキルが現場に合っているかです。合っていなくても、それでもいいと思える観点があれば大丈夫です。なお、年齢で決めることはありません。ただアタフタした話し方だと「若さかな」と思い、自分の意見を曲げない感じを受けると「頭が固いな」と思うことはあります。
質問と答えがかみ合う人は任せやすい
面談の受け答えで差が出るのは、聞いたことに対して答えが返ってくるかどうかです。そこがずれる人とは、一緒に仕事がしにくそうだと感じます。きちんと受け答えができる人には、安心して仕事を任せられそうだと思えます。
組織の中で働くとき、相手の言っていることを受け取って返す力は欠かせません。企業が気にする組織への適応も、この受け答えが判断の材料の1つになると考えられます。業務のことだけでなく、ハキハキと話す人や明るい雰囲気の人も個人的には好印象です。
信頼される人に、働き方の違いは関係ない
現場で信頼されている人の共通点は、フリーランスかどうかとは関係ありません。業務知識やシステム開発のスキルなど、何か秀でたものがあります。そのうえで、どっしり構えています。あたふたして、周りを心配させないタイプです。
業務委託は、即戦力として期待されて入る働き方です。期待どおりかそれ以上の成果を出せる人なら、会社員に戻っても高い成果を出すと僕は思っています。面談で何が見られるかは、フリーランスエンジニアの面談対策に面談する側の視点でまとめています。
フリーランスから正社員に戻る4つの方法
フリーランスエンジニアが正社員に戻る方法は、主に次の4つです。
- 転職エージェントに相談する
- IT特化の転職サイトでスカウトを受ける
- 業務委託先から直接誘われて入る
- 行き先を社内SEに絞って特化型のエージェントを使う
このページからご案内できる3つのサービスの条件は次のとおりです。
| 方法 | 進め方 | 向いている人 | 費用 | 注意点(対象の条件など) |
|---|---|---|---|---|
| 転職エージェント(レバテックキャリア | 担当者が求人を紹介し、書類の添削や面接対策もする | 相談しながら進めたい人・転職をまだ検討中の人 | 無料 | エンジニア経験がない方・50代以上の方・対象エリア外の方はサポートを受けられないことがある |
| IT特化の転職サイト(レバテックダイレクト | 自分で求人を検索して応募する。経歴を登録すると企業からスカウトが届く | 自分のペースで求人を見たい人・案件を続けながら様子を見たい人 | 無料 | エンジニア・クリエイター経験がない方・50代以上の方・海外から登録する方は対象外になることがある |
| 社内SE特化のエージェント(社内SE転職ナビ | 社内SE・情シスの求人に絞って紹介を受ける | 行き先を社内SEに決めている人 | 無料 | 45歳以上の方・未経験の方・希望勤務地が関東、関西(大阪・京都・兵庫)、北海道以外の方は対象外になることがある |
| 業務委託先から直接 | 仕事ぶりを知っている相手と直接話す | 声をかけられている人 | なし | 条件の比較は自分でする。業務委託の契約書の定めを確かめる |
表は横にスクロールできます
僕自身は転職をしていないので、上の3つのサービスはどれも使ったことがありません。以下は、各社の公式サイトで確認した内容と一般的な情報です。
転職エージェントに相談する(エージェント型)
転職エージェントは、担当者が希望を聞いて求人を選んで紹介する方法です。書類の添削や面接対策も手伝ってもらえるので、何年も転職活動をしていないフリーランスには進めやすい方法です。
フリーランスから戻る人は、最初の面談で「なぜ独立してなぜ戻るのか」と「どの経験を生かしたいか」を伝えておきましょう。紹介される求人がずれにくくなります。エージェントの選び方や登録する社数の考え方は、SIerの転職エージェントの選び方にまとめています。
担当者と相談しながら正社員の求人を探したい方へPR
レバテックキャリアは、ITエンジニア向けの転職エージェントです。登録は無料で、転職をまだ検討中の段階でも相談できます。求人の紹介に加えて、書類の添削や企業ごとの面接対策もサポートしてもらえます。
僕自身は転職をしていないので、レバテックキャリアを使ったことはありません。エンジニアとしての経験がない方・50代以上の方・対象エリア外の方は、紹介できる求人が無くサポートを受けられないことがあります。
サービスの内容は2026年10月18日に公式サイトで確認したものです。最新の情報は公式サイトで確かめてください。
IT特化の転職サイトでスカウトを受ける(スカウト型)
IT特化の転職サイトは、自分で求人を探して応募する方法です。経歴を登録しておけば、企業からスカウトが届くこともあります。担当者が求人を選んで紹介するエージェント型とは、ここが大きく違います。
レバテックダイレクトは、公式サイトで「正社員ITエンジニア特化の転職サイト」と案内されているサービスです。求人を検索し、求人ページのフォームから企業に直接応募できます。プロフィールを見た企業からスカウトが届く仕組みもあります。公式のよくある質問では、すべての機能を無料で使えて、おすすめの求人を見るためだけに登録することもできると案内されています(2026年10月18日確認)。レバテックキャリアと同じレバテックのサービスですが、担当者が付いて進めるエージェント型ではありません。
案件を続けながら、どんな求人があるかを見たい人に向いています。何から始めればいいか分からない人や面接対策を一緒にしてほしい人には、エージェント型のほうが進めやすいはずです。
自分のペースで求人を見てスカウトを待ちたい方へPR
レバテックダイレクトは、正社員のITエンジニアに特化した転職サイトです。自分で求人を探して応募でき、経歴を登録しておくと企業からスカウトが届きます。すべての機能を無料で使えます。
僕自身は転職をしていないので、レバテックダイレクトを使ったことはありません。エンジニア・クリエイターとしての経験がない方・50代以上の方・海外から登録する方は、登録の対象外になることがあります。
サービスの内容は2026年10月18日に公式サイトで確認したものです。最新の情報は公式サイトで確かめてください。
業務委託先から直接誘われて入る
業務委託先から直接誘われて、その会社に入る道もあります(僕が言われた3回は前の章のとおりです)。相手はすでにあなたの仕事ぶりを知っています。一方でエージェントを通さないので、給与や働き方の条件をほかの会社と比べるのは自分の仕事になります。誘われたら、雇用条件は書面で確かめておくと安心です。業務委託の契約書に、契約先の関係者を引き抜くことや雇用することについての定めが入っている場合もあります。気になるときは契約書を読み直し、エージェントや相手の会社に確かめてください。
行き先を社内SEに絞るなら特化型
行き先を社内SEに決めているなら、社内SE・情シスの求人に特化したエージェントを使う方法もあります。業務委託で発注側の立場を経験した人や業務を理解して調整する仕事が得意な人は、社内SEで経験を生かしやすいとされています。
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社内SE転職ナビは、社内SE・情シスの転職に特化した転職エージェントです。カウンセリングから企業の紹介、入社が決まるまでのサービスはすべて無料です。
僕自身は転職をしていないので、社内SE転職ナビを使ったことはありません。社内SE転職ナビは、エンジニアやコンサルタントとしての経験がない方・45歳以上の方・希望する勤務地が関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)、関西(大阪・京都・兵庫)、北海道以外の方は、サポートの対象外になることがあります。
サービスの内容は2026年10月18日に公式サイトで確認したものです。最新の情報は公式サイトで確かめてください。
正社員への転職活動の進め方
フリーランスから正社員に戻る転職活動は、戻る理由を書き出すところから始めます。そのあと職務経歴書を作って面接の準備をし、案件の終わりと入社日を調整する流れが一般的です。
戻る理由と希望条件を先に書き出す
最初にやるのは、戻る理由と希望条件を書き出すことです。理由は「安定したいから」で終わらせず、何が不安で会社員になると何が解決するのかまで書きます。希望条件は年収・勤務地・リモートの可否・担当したい工程などを並べ、譲れないものに順番をつけます。ここが決まっていないと、エージェントにも転職サイトにも探したいものを伝えられません。
職務経歴書は案件ごとに役割と成果を書く
職務経歴書は、案件ごとに役割と成果を書くのが基本です。フリーランスの期間を「フリーランスとして各種開発」と1行にまとめると、企業は何ができる人なのか判断できません。
僕は2016年に独立するまで、7年ほど.NETで業務系システムを作ってきました。独立してからエージェントに出す経歴書には、途中からその案件で習得したスキルと意識したことも書くようにしました。こうした項目は正社員の職務経歴書でも、どう考えて仕事をしてきたかを伝える材料になります。項目ごとの書き方は、スキルシートの書き方にまとめています。
面接で聞かれる「なぜ独立し、なぜ戻るのか」
フリーランスから戻る人が面接でよく聞かれるのは「なぜ独立したのか」と「なぜ戻るのか」です。この2つは、話の筋がつながっていることが大事です。
たとえば「独立して上流工程まで任されるようになり、次はチームを率いる立場で長く関わりたい」という流れです。これなら戻る理由が前向きに伝わりやすくなります。独立の理由と戻る理由がばらばらだと、また辞めるのではという不安を残します。
このほか「一番の実績」「経歴の空白」「チームで働くことへの抵抗」もよく聞かれる質問です。質問ごとの答え方は、エンジニアの転職面接でよく聞かれる質問にまとめています。
年代で見られるところが変わる
正社員の採用で見られるところは、年代によって変わると言われます。20代から30代前半は、これからの伸びしろや柔軟さが見られやすくなります。30代後半から40代以上は、専門性やマネジメントの経験をはっきり求められることが多くなります。
フリーランス側で年齢がどう見られるかは、フリーランスエンジニアの年齢は何歳までに書いています。
案件を続けながら動き、収入の空白を作らない
転職活動はいまの案件を続けながら進めるのが一般的です。案件を先に終えると内定までのあいだ収入が無くなり、焦って条件の合わない会社を選びやすくなります。
内定が出てから案件の終わりと入社日を調整すれば、収入の空白を作らずに済みます。業務委託の契約には途中で終えるときの取り決めが入っている場合があるので、契約書とエージェントへの連絡の時期を先に確かめておくと安心です。
正社員に戻る前に確かめるお金と手続き
正社員に戻る前に確かめたいのは、年収の比べ方と税金・社会保険の手続きです。制度の細かい扱いは人によって変わります。ここでは何を確かめればいいかを整理し、詳しくは公式の案内につなぎます。

年収は額面ではなく手取りと福利厚生で比べる
フリーランスの売上と正社員の年収は、そのままでは比べられません。フリーランスは売上から経費や国民健康保険・国民年金などを自分で払っています。正社員は年収とは別に、社会保険料の一部を会社が負担し、福利厚生もあります。
比べるときは、次の項目を並べると違いが見えやすくなります。
- 額面の年収と手取りの見込み
- 賞与の有無と支給の実績
- 退職金や企業年金の有無
- 社会保険(健康保険・厚生年金)の会社負担
- 住宅手当などの手当
- リモートワークの可否と残業の見込み
フリーランスの年収の実感は、フリーランスエンジニアの年収のリアルにまとめています。
開業届を出した人は廃業届と確定申告
開業届を出していた人は、事業をやめるときに「個人事業の開業・廃業等届出書」で廃業を届け出ます。国税庁の案内では、提出時期は事業の廃止などの事実があった日の属する年分の確定申告期限までです。青色申告をしていた人は「青色申告の取りやめ届出書」が要ります。消費税の課税事業者は「事業廃止届出書」が必要になる場合もあります(出典:国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」、2026年10月18日確認)。
入社した年は、会社の給与は年末調整の対象になります。ただしその年にフリーランスとして得た所得などがあると、確定申告が必要になることがあります。たとえば給与を1か所から受けている人で給与以外の所得の合計が20万円を超える場合です(出典:国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人、2026年10月18日確認)。
法人を持っている人は、法人をどうするかを別に考える必要があります。税金の扱いは個別の事情で変わるので、迷うときは税理士や税務署に相談してください。
健康保険と年金は会社の保険に切り替わる
正社員として入社すると、健康保険と年金は会社の健康保険と厚生年金に切り替わります。加入の手続きは会社が行います。
国民年金は、勤務先で厚生年金の手続きが行われると資格に反映されるため、自分で区役所に届け出る必要はないと案内している自治体があります(例として、横浜市「第1号被保険者」、2026年10月18日確認)。
国民年金保険料を口座振替で払っている人について、日本年金機構は、厚生年金の加入手続きがされると口座振替は止まるものの、就職後もいったん引き落とされる場合があると案内しています。止める手続きは年金事務所に問い合わせ、重なった期間の保険料は後日還付されるとされています(出典:日本年金機構「国民年金保険料を口座振替により納付していますが、新たに就職した場合に口座振替は停止されますか。」、2026年10月18日確認)。
国民健康保険は、自分で脱退の届出をします。例として、世田谷区は職場の健康保険に加入したときは14日以内に届け出るよう案内しています(出典:世田谷区「国民健康保険脱退の届出」、2026年10月18日確認)。届け出の方法や必要なものは市区町村で違うので、お住まいの自治体の案内を確かめてください。個別の事情は、年金事務所や社会保険労務士に相談すると確実です。
正社員と副業の両立は就業規則しだい
正社員に戻ったあとも副業としてフリーランスの仕事を続けられるかは、入社する会社の就業規則しだいです。副業を認めていても届け出が必要だったり、同業の仕事が禁止されていたりすることがあります。続けるつもりなら内定を受ける前に扱いを確かめ、副業の所得がある年は確定申告が必要になる場合があることも覚えておきましょう。
戻って後悔しないために/戻らずに続ける選択肢
正社員に戻って後悔しやすいのは、待遇だけで会社を決めたときです。戻ることを決める前にフリーランスを続けながら状況を変える道も比べておくと、選んだあとに納得しやすくなります。
待遇だけで決めると後悔しやすい
戻ったあとに後悔しやすいパターンとして、よく挙げられるのは次の3つです。
- 年収や安定といった待遇だけで会社を選び、仕事の中身や社風を確かめていない
- フリーランスのころの働き方(時間の使い方・リモート・裁量)をそのまま会社に求めてしまう
- 会議や社内の手続きといった会社員ならではの時間の使い方を想定していない
面接では配属先のチームや入社後に任される仕事の範囲まで聞いておくと、入ってからのずれが減ります。
正社員から再び独立する道もある
正社員に戻ったあとで、会社員として積んだ経験を持ってもう一度フリーランスになる人もいます。前の章で書いたとおり、業務委託で期待に応えられる人は会社員に戻っても成果を出せると僕は考えています。逆も同じで、会社員とフリーランスは一方通行の道ではありません。
案件を変えてフリーランスを続ける
戻りたい理由が「いまの現場が合わない」なら、案件を変えて続ける道もあります。2025年4月に僕の案件の1つが切り替わったときは、エージェントから5〜6件くらいの提案を受けました。そのうち2社と面談して、どちらも合格しています。期間は1か月くらいでした。
そのときの面談では技術的なことも聞かれました。ただ、どちらかというと業務の話ができそうか・質疑応答がずれていないか・上流工程を任せられそうかが重視されていると感じました。いまの現場で積んだ経験は、次の案件を探すときにも生きます。
年齢が気になって戻ることを考えている人もいるかもしれません。僕の周りのフリーランスは、経験を積んだベテランが多い印象です。同じ現場に20代のフリーランスはいたことがないかもしれませんが、50代は全然います。これは僕の周りの印象で、業界全体を調べたものではありません。
働き方を変えたいだけなら、リモートで働ける案件を探す方法もあります。リモート案件の探し方は、フリーランスエンジニアのリモート案件にまとめています。
続けるならエージェントを比べ直す
フリーランスを続けると決めたなら、エージェントを比べ直すのも1つの手です。僕は2016年から1社だけを使っています。それでも、複数に登録して自分の市場価値を知るのは大事だと思っています。エージェントの比べ方は、フリーランスエンジニアのエージェントの選び方にまとめています。
フリーランスから正社員に戻るときのよくある質問
フリーランス歴が長いほど戻りにくい?
長さだけで戻りにくくなるとは限りません。企業が見るのはその期間に何を担当し、どんな成果を出してきたかです。同じ現場で長く続けてきたなら、定着の不安に答える材料にもなります。
30代・40代でも正社員に戻れる?
30代・40代でも、正社員に戻ることはできます。ただし年代が上がるほど、専門性やマネジメントの経験をはっきり求められやすくなります。自分の経験がどの職種で生きるかを先に整理しておくと、求人を絞りやすくなります。
業務委託先から誘われたら受けてもいい?
自分が何のために戻るのかで決めるのがおすすめです。受けるなら雇用条件を書面で確かめ、業務委託の契約書の定めも確認しておくと安心です。
戻ったあとにもう一度フリーランスになれる?
もう一度フリーランスになる人もいます。行き来すること自体より、それぞれの期間で何を積んだかを説明できるかが大事です。
正社員に戻ると年収は下がる?
フリーランスの売上と比べると、額面の年収は下がることが多いと言われます。ただ会社が負担する社会保険料や賞与・退職金・福利厚生まで含めると、差は額面ほど大きくない場合もあります。手取りと福利厚生を並べて比べてみてください。
まとめ:正社員に戻るかは「何のために戻るか」で決める
フリーランスエンジニアは正社員に戻れます。企業が気にする定着・組織への適応・希望年収の3つには、同じ現場で続けた経歴やチームでの役割・手取りで考えた希望額で答えられます。
僕自身は戻るつもりはありません。それでも、いざというときの行く当てがあるのは精神衛生上いい、というのは本文に書いたとおりです。戻るにしても続けるにしても、「しょうがないから」ではなく、何のためにそうするのかを自分で決めてから動いてください。
戻ると決めた方は正社員に戻る4つの方法の比較に戻って、自分に合う進め方を選んでください。戻るか続けるかで迷っている方は、キャリア診断で自分の向きを確かめることもできます。フリーランスを続ける方は、フリーランスエンジニアのエージェントの選び方で次の案件の探し方を比べてみてください。
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