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フリーランスエンジニアの失敗7選|準備不足で困った僕が見た原因と避け方

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フリーランスエンジニアの失敗と避け方(ノートパソコンの横に置いた地図の上で、注意の道しるべとチェックの道しるべが並ぶ道)
目次 7項目
  1. フリーランスエンジニアの失敗7パターンと原因
  2. 僕が踏んだ3つの失敗と、踏まずに済んだこと
  3. 失敗しにくくする準備と、独立後に続ける習慣
  4. うまくいかなくなりそうな兆候と、立て直す選択肢
  5. エージェントで防げる失敗と、自分で備えるしかない失敗
  6. フリーランスエンジニアの失敗でよくある質問
  7. まとめ:失敗は「順番」と「記録」で小さくできる

フリーランスエンジニアの失敗は、技術よりも「お金・営業・手続き・体調」の準備不足と、自分の市場価値を知らないことから起きます。そして多くは、独立前から1年目のうちに避け方があります。

書いている僕は、2009年に新卒でSIerに入り、2016年にフリーランスのエンジニアとして独立しました。.NETを中心に業務系システムを作っています。独立の準備は十分ではなく、手続きではかなり困りました。一方で、案件と案件の間に無収入の期間ができたことは一度もありません。いまは業務委託の面談で、面談する側に入ることもあります。

この記事では、失敗を7つのパターンに分けて原因と避け方を書きます。そのうえで、僕自身の経験として踏んだことと踏まずに済んだことを仕分けします。案件が途切れなかったことと、準備を飛ばしたのは失敗だったことは、並べて書きます。最後に、準備の順番・うまくいかなくなりそうな兆候・立て直す道をまとめました。

この記事は、やめるべきかどうかを考える記事ではありません。「やめとけ」と言われる背景から確かめたい方は、フリーランスエンジニアはやめとけ?を先に読んでください。独立までの全体の流れは、SIerからフリーランスになるにはにまとめています。

案件探しの失敗を減らしたい方は、先にフリーランスエンジニアのエージェントの選び方を読むと、この記事の最後の章がつながりやすくなります。

フリーランスエンジニアの失敗7パターンと原因

フリーランスエンジニアの失敗は、貯金が先に尽きる・案件が取れない・単価が上がらない・契約が更新されない・手続きでつまずく・体調と自己管理が崩れる・孤立して判断を誤る、の7パターンに分けられます。ここでは、起きること・原因・避け方の順に書きます。

この章は一般論です。僕自身の経験は次の章でまとめて書きます。

フリーランスエンジニアの失敗7パターン。貯金が先に尽きる、案件が取れない、単価が上がらない、契約が更新されない、税金・保険・契約でつまずく、体調と自己管理が崩れる、孤立して判断を誤る
フリーランスエンジニアの失敗7パターン

貯金が先に尽きる

起きるのは、収入が入る前に生活費が足りなくなることです。原因は、入金の遅れを見ていない資金計画にあります。フリーランスの報酬は、働いた月の翌月か翌々月に振り込まれる形が多いとされています。最初の案件が始まっても、しばらくは口座にお金が入りません。

固定費が大きいと、収入が止まった月に響きます。独立のタイミングで家賃の高い部屋に移る・機材をまとめて買う、といった動きが典型です。

避け方は、独立前に「入金が始まるまでの生活費」と「毎月出ていく固定費」を書き出しておくことです。生活防衛資金は半年から1年分が目安として挙げられることが多いです。ただし、公的な根拠のある数字ではありません。自分の固定費と家族の状況に合わせて決めてください。

案件が取れない・面談に落ち続ける

起きるのは、案件の紹介を受けても面談に通らず、次の仕事が決まらないことです。原因は、経験が現場の求めるものと合っていない場合と、面談で経験をうまく伝えられていない場合に分かれます。

僕は業務委託の面談で、面談する側に入ることがあります。見ているのは、まずスキルが現場に合っているかです。直近の経歴が数か月のものばかり続いていると、正直なところ不安を感じます。質問と答えがかみ合っていない人は、一緒に仕事がしにくそうだと感じます。逆に受け答えがしっかりしていると、安心して任せられそうだと思います。なお、これは業務委託の面談で見ている点で、正社員の採用面接に関わった経験はありません。

避け方は、経歴を「何を作り、どんな役割で、何を意識したか」の形に整理しておくことと、聞かれたことに答える練習です。面談で落ちる理由の整理はフリーランスの面談に落ちる理由にまとめています。

単価が相場より低いまま上がらない

起きるのは、同じ仕事なのに他より低い単価のまま契約が続くことです。原因は、相場を知らないことと、単価の話を切り出さないことです。エージェントに任せきりだと、相場との差に気づく機会がありません。

避け方は、自分の経験に近い案件の相場を定期的に確かめることと、実績を言葉にして交渉に使うことです。公開データの見方はフリーランスエンジニアの単価相場にまとめています。交渉のやり方は、次の章で僕の場合を書いたうえで別の記事に送ります。

契約が更新されない・1社に頼りすぎる

起きるのは、契約の更新がされず収入が止まることです。原因は、現場の予算や方針の変更のように本人に関係ないものと、勤怠や仕事の進め方のように本人の側にあるものに分けられます。

僕が見聞きしてきた範囲では、短期間で契約が終わる人には何かしらの原因がありました。勤怠の不正・体調を崩す・受け身になりすぎる、といったものです。簡単なようで、与えられた仕事を期限どおりにこなすという当たり前ができない人は意外といます。

もう1つの失敗は、売上の大半を1つの契約に頼ることです。契約が切れた月に、収入が一度に止まります。避け方は、契約の終わりが見えた段階で次の案件の相談を始めておくことです。契約終了のパターンと動き方はフリーランスエンジニアの契約終了に書きました。

税金・保険・契約の手続きでつまずく

起きるのは、会社が代わりにやってくれていた手続きが自分の仕事になり、期限を逃したり損をしたりすることです。原因は、何を・いつまでにやるのかを知らないことにあります。

退職後の手続きには、期限が短いものがあります。協会けんぽの案内では、健康保険の任意継続は退職日の翌日から20日以内に申し出る必要があり、加入できるのは2年間です。国民年金は、退職して厚生年金の加入が終わると、市区町村で第1号被保険者への切り替えの手続きをします。日本年金機構の案内では、期限は退職日の翌日から14日以内です。

開業届は、国税庁の案内では事業開始の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに出します。青色申告をしたい場合は、開業届とは別に承認申請書を出します。1月16日以後に開業したなら、期限は開業の日から2か月以内とされています。

契約でも失敗は起きます。業務の範囲・報酬・支払期日を口頭だけで決めると、あとで食い違ったときに確かめようがありません。2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法は、発注する事業者に、業務の内容や報酬の額・支払期日などの明示を求めています(出典:公正取引委員会「フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組」)。それでも条件は書面やメールで残しておくと安心です。

避け方は、退職前に手続きの一覧と期限を作っておくことです。次の章と「準備」の章で、僕の場合を書きます。

体調と自己管理が崩れて納期に影響する

起きるのは、体調や生活リズムの乱れが納期や品質に出ることです。原因は、会社員のときには誰かが見てくれていた勤怠・体調・仕事の進め方が、すべて自分の責任になることです。

僕は、確定申告や決算で忙しい時期に限って、なぜか新しいことを始めてしまいます。そうして自分で自分を追い詰めることがあります。笑い話にしていますが、自己管理の小さな失敗の一つです。

フルリモートは、自己管理の自由度が高い反面、崩れても誰も止めてくれません。僕はコロナに感染したとき、フルリモートなので熱が下がれば家で仕事を始められました。ただし無理は禁物で、本調子でないときは休むのが前提です。在宅で働く1日の流れはフリーランスエンジニアのリモート案件に書きました。

避け方は、休みの日を先に決めておくことと、繁忙期に新しいことを重ねないことです。後者は、僕自身がなかなか守れていないところです。

相談相手がいないまま孤立する

起きるのは、一人で抱え込み、判断を誤ることです。原因は、会社のように同僚や上司に気軽に聞ける環境がなくなることです。契約・税金・体調の悩みを誰にも話さないまま進めると、小さな問題が大きくなります。

感じ方は人によって違います。避け方は、相談できる相手を決めておくことです。エージェントの担当者・同業の知人・専門家・公的な窓口のどれでも構いません。公的な窓口は、後の章で挙げます。

僕が踏んだ3つの失敗と、踏まずに済んだこと

僕がはっきり踏んだのは、面談・手続き・単価交渉の3つです。踏まずに済んだのは、案件の間の無収入と、契約を切られそうになることです。ただし後者は結果であり、準備が足りたという意味ではありません。7パターンのうち、ここに書いたもの以外は、この記事では僕の経験として書いていません。

僕が踏んだことと踏まずに済んだこと。踏んだのは、独立時の面談で崩れた、手続きの準備を飛ばした、単価交渉を切り出さなかった。踏まなかったのは、無収入の期間は無し、契約を切られそうになったことは無し
踏んだものと踏まなかったものの仕分け

独立時の面談で技術を深く掘られて崩れた

独立したとき、面談は2社受けて1社に落ちました。落ちた面談では、技術面をすごく深掘りされました。当時は30歳前で、エンジニア歴は7年ほどです。どれくらい戦力になるかを測られていたのだと思います。緊張もあって的を射た回答ができず、そのまま負の連鎖になりました。若干の圧迫面接気味で、受かっていても断っただろうと思っています。

この面談が、前の章でいう「案件が取れない」にあたります。落ちたあとの受け止め方と、受かった面談との違いはフリーランスの面談に落ちる理由に詳しく書いています。

何が自分に必要か分からないまま手続きを後回しにした

2つ目は、手続きの準備を飛ばしたことです。退職前に健康保険をどうするかは調べませんでした。任意継続がよく分からず、手続きをしないまま国民健康保険に入っています。開業届・事業用の口座・クレジットカードの準備も、退職後でした。

独立1年目は、いろいろな書類が届きました。何が自分に必要で、どこにどんな支払いをすればいいのか、本当に分かりませんでした。ネットで調べても、自分に当てはまる情報なのか判別できずに困りました。会社員のときは、会社がそのあたりをやってくれていたのだと、辞めてから実感しています。

初めての確定申告では、スーツ代と健康診断の費用が経費になるかで迷いました。手続きの書類にある「会社名」や「年収」の欄は、いまも迷います。保険や税の手続きの具体はフリーランスエンジニアの準備とフリーランスエンジニア1年目に書きました。

単価交渉は切り出すものだと知らず、最初の数年は任せきりにした

3つ目は、単価交渉です。独立して最初の数年は、単価の交渉を切り出すものだと知らず、エージェント任せにしていました。

単価は、交渉しないと上がりません。ただ、クライアントが変わったタイミングで上がったこともあります。それ以降は、2〜3年おきに自分から担当営業へ切り出しています。最初の数年に切り出さなかったのは、僕の知識不足です。具体的なやり方はフリーランスエンジニアの単価交渉にまとめました。

無収入の期間も契約の打ち切りも、踏まずに済んだ側の事実

踏まずに済んだ側の事実を並べます。

  • 案件と案件の間に、無収入の期間はこれまで一度もない
  • 契約が切れそうでヒヤッとしたことはない
  • 次の現場に向けた営業活動や特別な準備はしていない

理由として思い当たるのは、今の現場で求められる自分で居続けることです。新しい現場で求められるかどうかは自分の管理下にありません。いまの現場で価値を出すことは自分の管理下にあります。その積み重ねが、結果的に案件が途切れない理由になっていると思っています。期限を守ることと、会ったときにしっかり話すことも意識しています。

ただし、最初の頃は自分に自信がなく、継続契約が当たり前でもなかったので、切られそうになったことはなくても漠然と落ち着かない感じはありました。

結果的になんとかなったことと、準備しなかったのは失敗だったこと

結果として、僕の独立は案件が途切れないまま続いています。これが運なのか、備えの結果なのか、僕には切り分けられません。ここでは、事実だけを並べます。

  • 会社員時代に生保・損保などの金融系の案件に携わっていた。最初の現場は信託銀行で、同じ金融ということで親和性があったのではないかと考えている
  • .NET系の経験が7年ほどあり、基本的に一人称で仕事を進められると面談で伝えて合格した
  • 案件探しは退職を伝える前にエージェントへ相談し、案件が決まってから退職の話を本格的に進めた

これらが結果の原因だったと言い切るつもりはありません。僕が思い当たる範囲の事実です。

一方で、手続きの準備を飛ばしたのは失敗でした。続けられていることと、準備が正しかったことは別です。独立を決めた理由も、けっこう安易なものでした。この進め方は、おすすめしません。

失敗しにくくする準備と、独立後に続ける習慣

失敗を小さくする準備は、順番を決めることです。案件の当たりをつけてから退職を進め、手続きは退職の前に調べておきます。そのうえで、独立後は期限・体調・帳簿・相場の確認を習慣にします。

失敗を避ける順番。エージェントに相談、案件が決まる、退職を本格的に進める、退職後に手続き(国保または任意継続・開業届・口座とカード)、最初の案件が始まる
退職前から最初の案件までの順番

図の1〜3は、僕が実際に取った順番です。4の手続きを僕は退職後にやって困りました。手続きは、退職の前に調べておくほうが安心です。独立までの全体像はエンジニアが独立するにはにまとめています。

退職前に決めておくこと(資金・固定費・案件の順番)

退職前に決めておきたいのは、資金・固定費・案件の3つです。資金は、入金が始まるまでの生活費を見ます。固定費は、収入が減っても払い続けられる範囲に抑えます。案件は、退職を本格的に進める前に当たりをつけておきます。

僕は退職の半年前に、会社へ軽く打診だけしていました。エージェントへの相談は、退職を伝える前です。スキルシートは、退職を伝えたあとに作りました。面談を受けて案件が決まり、実際に話を進めたのは退職の1〜2か月前です。案件が決まる前に辞めてしまうと、収入が止まる期間ができかねません。

案件の取り方と見せ方を先に作る

案件は、見せ方で決まる部分があります。僕はエージェントに出す経歴書に、途中から、その案件で習得したスキルと意識したことも書くようにしました。面談でも、業務の説明だけでなく、意識したことを話すようになりました。経験が増えたこともありますが、話す内容を変えたことは案件獲得にプラスになっていると思っています。

書き方はスキルシートの書き方に、面談の準備はフリーランスエンジニアの面談対策にまとめました。資格は、取れるに越したことはないと思っています。僕は基本情報も応用情報も不合格でしたが、実務で困ったことはありません。

手続きと契約の最低限

手続きの最低限は、次の表のとおりです。公式の案内をもとに整理しています。協会けんぽ・日本年金機構の内容は2026年10月22日に公式ページで確認しました。国税庁の2項目は、先に公開した記事で確認した内容と同じです。今回は公式ページを開けなかったので、最新の案内は国税庁のページで確かめてください。

手続き期限や条件の目安出典
健康保険の任意継続(協会けんぽ)退職日の翌日から20日以内。加入は2年間。保険料は退職前の2倍が目安(事業主負担分も本人が払う)。上限があり、2倍にならない場合もある協会けんぽ
国民年金の第1号被保険者への切り替え退職日の翌日から14日以内。手続き先は住所地の市区町村日本年金機構
個人事業の開業届事業開始の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで国税庁
青色申告承認申請書1月16日以後の開業なら開業の日から2か月以内国税庁

表は横にスクロールできます

国民健康保険は、前年の所得などをもとに市区町村ごとに保険料が決まります。任意継続とどちらが安くなるかは人によって違います。退職の前に、市区町村の窓口で保険料の目安を聞いて比べておくと確実です。税金と社会保険は、自治体や家族の状況で変わります。自分の場合の扱いは、税務署・市区町村・税理士などの専門家に確かめてください。

契約では、発注する事業者から業務の内容・報酬・支払期日を書面やメールで受け取り、残しておきます。契約上のトラブルは、厚生労働省が案内する「フリーランス・トラブル110番」で、弁護士に無料で相談できます。

会社員のうちに済ませておく信用まわり

信用まわりは、会社員のうちに済ませておけるものがあります。僕はクレジットカードの審査で困ったことはありません。ただ、会社員のうちに作っておくのが無難だと思っています。賃貸の契約では、複数年分の確定申告書を出さないといけないことがありました。

独立後に続ける習慣(期限・体調・帳簿・相場の確認)

独立後に続けたい習慣は、4つあります。

  • 期限を守る。僕が意識していることの1つ
  • 休みと体調を先に確保する。繁忙期に新しいことを重ねない
  • 帳簿を溜めない。僕は1〜3か月に1回、口座の情報を会計ソフトに同期して仕訳している
  • 相場を確かめる。僕は2〜3年おきに単価交渉を切り出している

帳簿の付け方は現在の運用で、独立1年目の話ではありません。何をどこまで経費にできるかは個別の事情で変わるので、迷ったら税務署か税理士に確かめてください。

うまくいかなくなりそうな兆候と、立て直す選択肢

うまくいかなくなりそうな兆候は、手元資金の減り方・案件の提案数・体調の3つに出ます。兆候に気づいたら、案件の探し方を変える・会社員に戻る・専門家や公的窓口に相談する、のどれかを早めに選びます。

兆候を早めに見つける

兆候として一般的に挙がるのは、次のようなものです。

  • 手元資金の減るペースが、想定より速い
  • 紹介される案件の数が減り、面談に通らない状態が続く
  • 眠れない・休めない・相談できる相手がいない状態が続く

どれも、問題が大きくなる前に出る信号とされています。気づいた時点で動くほうが、選べる道が多く残ります。

副業や業務委託で試す、案件の探し方を変える

次の案件が決まりにくいときは、探し方を変える選択肢があります。エージェントを増やす・案件の条件を見直す・週の稼働を減らした案件で別の収入の柱を作る、などです。案件の探し方はフリーランスエンジニアの案件探しにまとめています。

会社員に戻るという選択肢

会社員に戻る道もあります。僕自身は、社員になることは一切考えていません。仕事で関わる人から、うちの会社に入らないかと言われたことがあります。その場では、ありがとうございますと流しました。

ただ、仮にどうしても食い扶持がなくなっても、行く当てがあるのは精神衛生上いいと思っています。「フリーランスになると会社員に戻れない」と言う人もいます。僕は全然そうは思いません。業務委託で即戦力を期待されて、期待どおりかそれ以上の仕事ができる人なら、会社員に戻っても高いパフォーマンスを出せると思います。

大事なのは、「しょうがないから会社員」「しょうがないからフリーランス」のように、妥協で選ばないことです。妥協で選んでいる人は、働き方に関係なくうまくいかないと僕は思っています。戻るときの方法はフリーランスエンジニアが正社員に戻るにはにまとめました。

一人で抱えず専門家と公的窓口に相談する

一人で抱えないために、相談先を知っておきます。契約上のトラブルは、前の章で書いた「フリーランス・トラブル110番」です。厚生労働省の委託で第二東京弁護士会が運営しており、相談は無料で匿名でもできます。対象はフリーランスが発注事業者から業務を受けた際のトラブルで、契約書の作成や代理人としての交渉は含まれません。

税金は税務署や税理士に、社会保険は市区町村の窓口や年金事務所に相談できます。借金の返済が難しくなったときは、弁護士や司法書士などの専門家と公的な相談窓口に早めに相談してください。個人の状況で取れる手段が変わります。

法人化して融資を受ける場合は、代表者が個人保証を求められることがあるとされています。事業が終わっても借入が残る可能性があるので、法人化や借入は慎重に考えてください。

エージェントで防げる失敗と、自分で備えるしかない失敗

エージェントで防ぎやすい失敗は、案件探し・単価交渉・契約まわりの手続きです。防げないのは、体調・お金の管理・手続きの判断です。エージェントは失敗を減らす手段の1つで、使えば失敗しなくなるものではありません。

エージェントで防ぎやすいこと

僕は2016年から、エージェント1社だけを使っています。案件探しと単価交渉を任せています。担当営業とは2か月に1回ほど、ランチMTGの名目でZoomで30分話しています。案件の現状や困っていることの相談から、プライベートの話まで話します。

2025年4月に現場を切り替えたときは、エージェントから提案が5〜6件ありました。そのうち2社と面談して、2社とも合格しています。期間は1か月くらいです。1社で続けている理由は、案件が途切れないことと、担当とのやり取りが楽なことです。

エージェントでは防げないこと

体調の管理・お金の管理・手続きの判断は、エージェントでは防げません。税金や保険の手続きは、自分が当事者です。僕の場合、エージェントに相談していたのは案件探しで、健康保険のことは調べていませんでした。

また、頼りすぎにも注意が必要です。マージン率は、僕は知りません。商流が深いと間でムダにマージンがかかっていると思ってしまうので、できれば浅いに越したことはないと考えています。確かめ方はフリーランスエンジニアのエージェントのマージンで整理しました。

比較してから選ぶ

つてが無いなら、まず複数のエージェントに登録するのが良いと僕は思っています。案件もエージェントも、複数を比べるから良し悪しが分かります。僕自身は他のエージェントを使ったことがないので、比較はできません。登録を1社にするか複数にするかはフリーランスエンジニアのエージェントは複数登録すべきかに、全体の比較はフリーランスエンジニアのエージェントの選び方に書きました。

失敗を避けたい人の状況別に、話を聞く先を3つ挙げます。どれも僕は使っていないので、使い心地は書けません。

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Midworksは、僕自身は使ったことがありません。これから独立する人が収入の止まる失敗を気にするときの備えとして、案件が途切れたときの報酬保障が案内されています。報酬保障には審査があります。パッケージプランは月額3万円の有料オプションです。このページからのご案内の対象は、エンジニアの経験があり、関東(東京・千葉・神奈川・埼玉)・関西(大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山・三重)・愛知・福岡で働く21〜59歳の方です。会社員の方(これから独立する方)も対象です。報酬保障・パッケージプランの条件は2026年10月1日に公式サイトで確認したものです。

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ギークスジョブは、僕自身は使ったことがありません。商談への担当者の同行や請求書の発行代行が、公式サイトで案内されています。このページからのご案内の対象は、エンジニアとしての経験がある方です。エンジニア経験がない方・50歳以上の方は対象外になることがあります。登録後にオンライン面談があります。「独立相談会」の対象者は公式サイトで確認できていないので、会社員の方が使えるかどうかは申し込みの前に確かめてください。条件は2026年10月14日に確認したものです。

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ITプロパートナーズは、僕自身は使ったことがありません。すでにフリーランスで次の案件が決まらない人向けです。このページからのご案内の対象は、現在フリーランス(または経営者)で東京・神奈川・埼玉・千葉に住んでいる25〜49歳の方です。エンジニアなどの職種で3年以上の経験があり、3か月以内に稼働を始められることも条件です。会社員の方は対象外です。条件は2026年9月29日に確認したものです。

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最新の情報と条件は公式サイトで確かめてください。

フリーランスエンジニアの失敗でよくある質問

失敗したらどうなる?借金は残る?

失敗しても、借入や未払いの債務がなければ、案件が無くなったことで借金が残るわけではありません。収入が止まるのが主な影響です。事業のために借入をしている場合や、法人で個人保証をしている場合は、返済の義務が残ることがあります。個別の状況は、弁護士や司法書士などの専門家に相談してください。

失敗して会社員に戻れる?

戻れないと決まっているわけではありません。僕は「フリーランスになると会社員に戻れない」とは全然思いません。戻り方はフリーランスエンジニアが正社員に戻るにはにまとめています。

未経験・経験が浅くても失敗しやすい?

実務の経験が浅いうちは、案件が取りにくく失敗しやすいと一般には考えられています。エージェントの案件には、経験年数を条件にしているものがあります。僕は独立したとき、会社員として.NET系の経験を7年ほど積んでいました。まずは会社員のうちに経験を積むのが近道です。 何年あればよいかの目安はフリーランスエンジニアの実務経験にまとめています。

30代・40代で失敗しやすくなる?

年齢だけで決まるものではありません。面談する側としては、年齢で決めることはありません。ただ、アタフタしていたり緊張感がある話し方だと「若さかな」と思い、自分の意見をあまり曲げない感じを受けると「頭が固いかも」と思うことはあります。僕自身は、35歳を超えてもエージェントの提案は特に変わっていません。年代ごとの見られ方はフリーランスエンジニアの年齢にまとめました。

失敗が不安な人は独立しないほうがいい?

不安があること自体は、独立をやめる理由にはなりません。ただ、不安を放置したまま進むのはおすすめしません。何が不安なのかを書き出して、この記事の7つに当てはめてみてください。準備で備えられるものと、向き不向きで決まるものを分けて考えます。判断の材料はフリーランスエンジニアはやめとけ?に書きました。

まとめ:失敗は「順番」と「記録」で小さくできる

フリーランスエンジニアの失敗は、貯金・案件・単価・契約・手続き・体調・孤立の7パターンに分けられます。多くは、独立前から1年目のうちに避け方があります。

僕は、面談で崩れたこと・手続きの準備を飛ばしたこと・単価交渉を切り出さなかったことの3つを踏みました。一方で、案件の間の無収入と契約を切られそうになることは経験せずに済んでいます。今のところ案件は途切れていませんが、準備を飛ばしたのは失敗でした。続けられていることは、準備しなくてよい理由にはなりません。

失敗を小さくするには、案件の当たりをつけてから退職を進めること、手続きの期限を退職の前に調べること、独立後は期限・体調・帳簿・相場を記録して確かめることです。うまくいかなくなりそうなときは、案件の探し方を変える・会社員に戻る・専門家と公的窓口に相談する、のどれかを早めに選んでください。

税金・社会保険・契約は、個人の事情で扱いが変わります。この記事の内容は公式の案内を確かめた一般的な整理なので、最終的には税務署・市区町村・年金事務所・税理士などの専門家に確かめてください。

これから独立を考えている段階なら、独立までの全体の流れをSIerからフリーランスになるにはにまとめています。

この記事を書いた人

サカイ

フリーランスエンジニア

2009年に新卒でSIerに入社し、2016年にフリーランスエンジニアとして独立。.NET中心の業務系システム、金融系の案件を2016年から継続。現場では面談する側にも入っている。

プロフィールを詳しく見る

  1. フリーランスエンジニアの単価交渉は2〜3年おき|エージェントに渡す実績メモフリーランスエンジニアの単価交渉を、2〜3年おきにエージェント経由で交渉しているサカイが解説します。切り出すタイミング、渡す実績メモの4つのブロック、希望額の決め方、希望どおりにならないときの受け止め方をまとめます。
  2. フリーランスエンジニアの面談対策|受ける側と面談する側の両方から解説フリーランスエンジニアの面談対策を、面談を受ける側と面談する側の両方を経験しているサカイが解説します。面談で見られるポイント、面談の流れ、よく聞かれる質問と答え方、事前の準備をまとめます。
  3. フリーランスの面談に落ちる理由|独立時に1社落ちた僕と面談する側の視点フリーランスの面談に落ちる理由を、2016年の独立時に面談で1社落ちたサカイが、面談する側の視点も合わせて整理します。落ちる人に共通すること、落ちないための準備、落ちた後にやることをまとめます。
  4. フリーランスエンジニアはやめとけ?案件が途切れなかった僕の本音と条件「フリーランスエンジニアはやめとけ」と言われる理由を、2016年の独立から案件が途切れなかったサカイが検証します。不安定さの実態、続けている理由、向いている人・やめたほうがいい人、独立前に確かめることをまとめます。
  5. フリーランスエンジニアの年収のリアル|単価50万から売上1440万円までフリーランスエンジニアの年収を、月額50万円から始めて売上約1440万円になったサカイの実例と公開データで整理します。平均と中央値の読み方、年収1000万円に届く条件、年収・所得・手取りの違い、年収を上げる方法をまとめます。
  6. エンジニアが独立するには?SIerから2016年に独立した僕の手順と判断軸エンジニアが独立する方法を、SIerから2016年にフリーランスとして独立したサカイが整理します。独立のタイミングを決める判断軸、収入の目安、失敗する原因、独立の手順、独立して分かった「戻り道」をまとめます。