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フリーランスエンジニアはやめとけ?案件が途切れなかった僕の本音と条件

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フリーランスエンジニアはやめとけと言われる理由を確かめて進む道(ノートパソコンから地図の上を続く道と、注意とチェックの道しるべ)
目次 7項目
  1. フリーランスエンジニアが「やめとけ」と言われる6つの理由
  2. 案件が途切れなかった僕から見た「不安定」の実態
  3. それでもフリーランスを続けている理由
  4. やめたほうがいい人・向いている人
  5. 独立を決める前に確かめること
  6. よくある質問
  7. まとめ:「やめとけ」の理由は備えと向き不向きで見分ける

「フリーランスエンジニアはやめとけ」と言われる理由の多くは、本当のことです。ただしその中には、準備で備えられるものと向き不向きで決まるものが混ざっています。

僕は2009年に新卒でSIerに入り、2016年にフリーランスのエンジニアとして独立しました。.NETを中心に、業務系システムの開発を続けています。独立してから今まで、案件と案件の間に無収入の期間ができたことは一度もありません。

この記事では、よく言われる「やめとけ」の理由を6つに整理して備え方を書きます。そのうえで続けている当事者から見た「不安定」の実態と、やめたほうがいい人・向いている人をまとめました。最後に、独立を決める前に確かめておきたいことを書いています。

独立までの流れの全体像は、SIerからフリーランスになるにはにまとめています。

フリーランスエンジニアが「やめとけ」と言われる6つの理由

フリーランスエンジニアが「やめとけ」と言われる理由は、大きく6つに分けられます。収入が安定しない・社会的信用と福利厚生が弱い・スキルが偏りやすい・案件が取れない時期がある・自己管理が要る・税金や保険を一人でやる、の6つです。

どれも会社員と比べたときの「弱いところ」です。会社が肩代わりしてくれていたものを、自分で引き受ける働き方だと言い換えることもできます。

僕自身、独立した2016年は何が自分に必要な手続きなのか本当に分かりませんでした。会社員のときは会社がそのあたりをやってくれていたのだと、辞めてから実感しています。ここでは一般的に言われている中身を整理して、僕の経験を補足していきます。

収入が安定しない

フリーランスエンジニアの収入が安定しないと言われるのは、契約が終わればその月から収入が止まるからです。会社員のように、仕事がない月にも給料が出る仕組みはありません。

収入が止まる場面としては、次のようなものがよく挙げられます。

  • 契約が終わって、次の案件がすぐに決まらない
  • 体調を崩して稼働できない
  • 先方の予算や方針が変わって、契約が更新されない

もう1つ見落とされやすいのが、入金のタイミングです。フリーランスの報酬は、働いた月の翌月や翌々月に振り込まれる形が一般的です。独立した最初の月は働いていても口座にお金が入らないので、その間の生活費を考えておく必要があります。

収入の波そのものはなくせません。備えられるのは、案件と案件の間を空けないことと収入が止まった月に慌てない準備です。僕の場合の実態は、次の章で書きます。

社会的信用と福利厚生が弱い

フリーランスは会社員に比べて、社会的信用と福利厚生が弱いと言われます。ローンや賃貸の審査では毎月の給料の代わりに確定申告の書類を見られ、会社が負担してくれていた保険料や有給休暇もなくなるからです。

僕の場合、ローンやクレジットカードの審査で困ったことは特にありませんでした。ただ賃貸の契約では、複数年分の確定申告の書類を出さないといけないことがありました。クレジットカードは会社員のうちに作っておくのが無難だと僕は思っています。

細かいところでは、手続きの書類にある「会社名」の欄で毎回迷います。僕は「個人事業主」と書くことが多いです。年収の欄も、売上を書くか経費を引いた所得を書くかで迷います。正解は、いまだに分かっていません。

福利厚生の面では、健康保険と年金が大きく変わります。会社員は健康保険と厚生年金に入っていて、保険料は会社と本人で半分ずつ負担する仕組みです。フリーランスになると国民健康保険と国民年金に切り替わり、保険料は自分で全額を払います。国民年金保険料について、日本年金機構は次のように案内しています。

国民年金保険料の金額は、1カ月あたり17,920円です(令和8年度)。

出典:日本年金機構「国民年金保険料」

国民健康保険の保険料は、住んでいる市区町村ごとに前年の所得などをもとに計算されます。独立した年は会社員だったころの収入で計算されるので、負担が重く感じられることが多いとされています。

僕は売上が上がる見込みがあり、このままだと社会保険料が高くなりすぎると考えました。そこで2024年に法人を作り、個人事業との二刀流にしています。国民健康保険と国民年金で毎月6〜8万円くらい払っていた社会保険料は、協会けんぽと厚生年金で月2万円ちょっとに変わっています。どの形が合うかは売上や家族の状況で変わるので、税理士などの専門家に相談したうえで決めてください。僕がやったことはフリーランスエンジニアの法人化にまとめています。

スキルが偏りやすい

フリーランスエンジニアのスキルが偏りやすいと言われるのは、即戦力として呼ばれる立場だからです。できることを買われて入るので、同じ技術・同じ工程の仕事が続きやすくなります。会社員のように研修を受けたり、育成のために新しい仕事を任されたりする機会もほとんどありません。

僕が使ってきた言語は、C#とVB.NETです。割合は半々くらいで、若干VBのほうが多いかもしれません。作ってきたのはWindowsフォームアプリ・Webサイト・コンソールアプリなど、業務系システムがほとんどです。

偏りを防ぐ方法として一般的なのは、案件を選ぶときに工程や領域を少しずつ広げることです。僕は2024年から、2本目の現場にも入るようになりました。上流工程やリーダーの経験をしたかったのが理由です。2025年4月に切り替えたいまの2本目の現場では、発注側の立場で要件定義からベンダーコントロール・受入テストまでを担当しています。フリーランスでも、案件の選び方しだいで経験の幅は広げられます。

資格についても書いておくと、僕はIT系の資格を持っていません。基本情報技術者と応用情報技術者の試験は受けましたが、どちらも不合格でした。資格は取れるに越したことはないと思っています。ただ資格がなくても、実務で困ったことはありません。

いくつかの現場を経験して、どこへ行ってもある程度なんとかなるという自信もつきました。技術力が急に上がったわけではありません。細かい経験の積み重ねで、勘所をつかみやすくなった感覚です。

AIについても触れておきます。僕は仕事がまったくなくなるというより、人間がやる領域が変わるという理解をしています。まったくキャッチアップしなければいずれ淘汰されるので、少しずつでもAIに触ることが大事だと思っています。

案件が取れない時期がある

フリーランスエンジニアには、案件が取れない時期があると言われます。面談に通らない・条件の合う案件がない・契約の終わりと次の案件の始まりがずれる、といった形で空白が生まれるからです。

案件が決まるかどうかは、自分のスキルと市場の需要が合うかどうかで決まります。一般には、経験年数が短い人や扱う技術の需要が少ない人ほど、案件探しに時間がかかりやすいとされています。

僕も、独立したときの面談は2社受けて1社落ちています。落ちた面談では技術面をすごく深掘りされました。緊張もあって的を射た回答ができず、負の連鎖になりました。落ちたときの受け止め方はフリーランスの面談に落ちる理由で書いています。

一方で2025年4月に2本目の現場を切り替えたときは、次のような流れでした。

項目僕の場合
エージェントから提案を受けた案件5〜6件くらい
面談した会社2社
面談の結果2社とも合格
切り替えにかかった期間1か月くらい

案件の数や時期によって期間は変わるので、目安にしすぎないでください。備えとして大事なのは、契約の終わりが見えたら早めにエージェントへ相談することです。面談で何を聞かれるかはフリーランスエンジニアの面談対策にまとめました。

自己管理ができないと崩れる

フリーランスエンジニアは、自己管理ができないと崩れると言われます。勤怠も体調も仕事の進め方も、誰かが見て整えてくれるわけではないからです。

僕は2020年のコロナ禍をきっかけにフルリモートになり、今も続いています。稼働は月20日ほどで、9時から18時までです。オンライン会議は1日に2〜3回ほどです。

フルリモートになって、良くも悪くも自己責任の範囲が広がりました。自分の裁量で仕事ができる反面、自己管理ができないとフルリモートはできません。

体調の管理も仕事の一部です。体調を崩して稼働できなければ、そのまま収入に響きます。僕は週3回パーソナルトレーニングに通っています。30代後半から40代を迎えるにあたって、健康に生活したいというのが続けている理由です。

長時間労働になりやすいと言われることもあります。月額の単価で入る案件では稼働の時間が契約で決まっていることが多いので、受け方しだいでコントロールしやすい部分です。複数の案件や副業を詰め込みすぎると、自分で自分を追い込むことになります。

税金・保険・契約を一人でやる

フリーランスエンジニアは、税金・保険・契約の手続きを一人でやることになります。会社員のときに会社がやってくれていた年末調整や社会保険の手続きを、すべて自分で引き受けるからです。

僕が独立した2016年に困ったのは、金額よりも「どれが自分に必要か」でした。いろいろな書類が届いても、どれが自分に必要でどこにどんな支払いをすればいいのか本当に分かりませんでした。ググっても、自分に当てはまる情報なのか判別できなかったのを覚えています。

開業届は、税務署の窓口に出しました。わけも分からず、ネットで調べた書類に必要事項を書いて提出しています。青色申告の届出は間に合いました。開業届について、国税庁は提出時期を次のように案内しています。

事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出してください。

出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」

初めての確定申告では、経費になるかどうかで迷ったものもありました。スーツ代と健康診断の費用です。調べる前は経費になりそうだと思っていましたが、僕が調べた範囲では経費にならないという話でした。経費になるかどうかは個別の事情で変わるので、迷ったら税理士や税務署に確かめてください。

契約も自分で読むものになります。契約期間・更新の扱い・解約の予告期間などは、契約書で確かめておく項目です。契約上のトラブルは、厚生労働省が案内している「フリーランス・トラブル110番」で弁護士に無料で相談できます。

いまなら、分からないことはAIに聞けばすぐに当たりがつけられそうです。それでも最後は、国税庁・日本年金機構・市区町村の公式情報で確かめるのが基本になります。

「やめとけ」の理由と備え。収入が安定しない→案件の間を空けない、社会的信用・福利厚生が弱い→クレジットカードは会社員のうちに、スキルが偏りやすい→工程や領域を少しずつ広げる、案件が取れない時期がある→エージェントに早めに相談、自己管理ができないと崩れる→勤怠と体調を自分で守る、税金・保険・契約を一人でやる→公式情報と専門家で確かめる
「やめとけ」の6つの理由と、それぞれに備えられること

案件が途切れなかった僕から見た「不安定」の実態

フリーランスエンジニアの「不安定」は、全員に同じように来るものではありません。僕は2016年の独立から今まで、案件と案件の間に無収入の期間ができたことがありません。

もちろん、これは僕一人の例です。「フリーランスは必ず不安定」とは限らない、という一つの例として読んでください。

無収入の期間は一度もなかった

僕がフリーランスとして働き始めてから、案件と案件の間で無収入の期間は一度もありません。会社にとって必要な人材だと認められれば、案件が途切れることを心配する必要はないと思っています。

金融系の現場には2016年から入っていて、今の金融系の案件は2020年から続けています。契約の更新は、もともと2〜3か月ごとだった気がします。今は半年ごとです。

長く続けてもらいたいと思われてるからか、いつの間にか長期契約になってた

最初からこうだったわけではありません。最初の頃は自分に自信もなく、継続契約が当たり前にもなっていませんでした。切られそうになったことは実際にはないものの、漠然と落ち着かない感じはありました。

独立して最初の数年は「信用を売る期間」だと僕は思っています。目先のお金ばかり追うのは違う、というのが本音です。数か月で終わる単発の案件をいくつもやるより、同じ案件で何年も続けているほうが業務経歴書の見栄えも良くなります。

信用が積み上がると、仕事で関わる人から次のように何度か言われることがありました。

サカイさん、うちの会社入っちゃえばいいのに

社員になることは一切考えていないので、その場では「ありがとうございます」と流しています。ただ仮にどうしても食い扶持がなくなっても、行く当てがあるのは精神衛生上いいと思っています。

契約を切られる人に共通すること

契約が切れそうでヒヤッとしたことは、僕にはありませんでした。勤怠が良好で与えられた仕事をこなしていれば、切られることは基本的にないと思っています。

簡単なようで、この当たり前ができない人が意外といます。僕が見聞きしてきた範囲では、短期間で切られる人には勤怠の不正・体調を崩す・受け身になりすぎるといった何かしらの原因がありました。

面談する側に入ったときも、直近の経歴が数か月のものばかり続いている人には正直なところ不安を感じます。

契約終了のパターンと、告げられたときの動き方はフリーランスエンジニアの契約終了で詳しく書きました。

それでもフリーランスを続けている理由

僕がフリーランスエンジニアを続けている理由は、収入と裁量が増えたからです。その一方で、自己責任の範囲も広がりました。

会社員とフリーランスの違いを7つの項目で比べた内容はフリーランスエンジニアと会社員の違いで書いています。

収入と裁量が増えた

フリーランスになって、僕の収入は会社員のころから大きく増えました。独立を選んだのも、とにかく収入を上げたかったからです。転職は考えませんでした。フリーランスが手っ取り早いという、けっこう安易な理由で決めています。

会社員だった2015年ごろの年収は、400万円くらいでした。2016年に独立して最初の案件は、月額50万円です。今思うと低い単価ですが、もともとが低かった僕には当時かなり嬉しい金額でした。月の手取りは、感覚として30〜40万円くらいです。それまでが20万円以下だったので、自由に使えるお金がかなり増えたと感じました。

ただ、独立した瞬間から順調に上がったわけではありません。少しずつしか単価が動かない時期も長く続きました。単価は勝手に上がるものではなく、交渉しないと上がらないというのが僕の実感です。最初の数年は単価の交渉を切り出すものだと知らず、エージェントに任せきりにしていました。今は具体的にどれくらい上げたいかを担当営業に伝えていますが、希望どおりの額になることは基本的にありません。それでも意思表示は大事だと思っています。正直に書いておくと、交渉ではなくクライアントが変わったタイミングで単価が上がったこともあります。いまは2つの案件を合わせて月額120万円です。年間の売上は約1440万円で、所得は約1000万円になりました。

項目僕の場合
会社員のころ(2015年ごろ)年収400万円くらい
独立して最初の案件(2016年)月額50万円
いま2つの案件を合わせて月額120万円
いまの年間の売上と所得売上約1440万円・所得約1000万円

1案件で月100万円に届く人もいますが、僕の感覚ではかなり上位層です。感覚値として、60〜80万円くらいの人が多い印象があります。年収の考え方はフリーランスエンジニアの年収に、単価を上げるときに僕がやっていることはフリーランスエンジニアの単価交渉に書きました。

裁量の面では、案件を選べるようになったことが大きいです。フリーランスになってからは、なるべく自宅の近くの現場を探してもらっていました。そのため2016年からは電車通勤がほとんどなくなり、自転車か徒歩で通う日が中心になりました。上流工程の経験を増やしたいという理由で、次の案件を選んだこともあります。

フルリモートは合う人と合わない人がいる

フルリモートで働けることは、フリーランスのメリットとしてよく挙げられます。ただ僕は、フルリモートは合う人と合わない人がいる働き方だと思っています。

フルリモートになって、通勤が消えたのは間違いありません。そのぶん、良くも悪くも自己責任の範囲が広がりました。自分の裁量で仕事ができる反面、自己管理ができないと続きません。

「フルリモート最高、みんなやったほうがいい」とは僕は全然思いません。合う人には合うし、合わない人は絶対やめたほうがいいと思っています。

仕事の環境も自分で整えることになります。僕はフルリモートになって数年間、ダイニングテーブルの硬い椅子でノートパソコンのキーボードをそのまま使っていました。今思うと、高いものでなくてもモニター・キーボード・椅子は用意したほうがいいです。

リモート案件の割合や、在宅で働く1日の流れはフリーランスエンジニアのリモート案件に詳しく書いています。

やめたほうがいい人・向いている人

フリーランスエンジニアをやめたほうがいいかどうかは、スキルの高さだけでは決まりません。自分で決めて自分で守れるかどうかと、どんな理由で選ぶかで分かれます。

やめたほうがいい人と向いている人の比較。やめたほうがいい人は指示を待つのが基本になっている、自己管理が苦手、勤怠や体調が崩れがち、しょうがないから独立を選ぶ。向いている人は一人称で仕事を進められる、自分の裁量を自分で守れる、同じ現場で信用を積める、なりたい働き方から選んでいる
フリーランスエンジニアをやめたほうがいい人・向いている人

やめたほうがいい人

フリーランスエンジニアをやめたほうがいいのは、次のような人です。

  • 指示を待って動くのが基本になっている人
  • 自己管理が苦手で、フルリモートが合わない人
  • 勤怠や体調が崩れやすい人
  • 「しょうがないから」で独立を選ぼうとしている人

1つ目から3つ目は、前の章で書いた「短期で切られる人」の原因とそのまま重なります。フリーランスは即戦力として外から呼ばれる立場なので、言われたことだけをやる働き方だと続きにくくなります。

4つ目は、僕の考えです。「しょうがないから会社員」「しょうがないからフリーランス」のように妥協してキャリアを選んでいる人は、働き方に関係なくうまくいかないと僕は思っています。

一般には、収入が止まった月を乗り切れる見通しが立たない人も急いで独立しないほうがいいとされています。入金が翌月や翌々月になることを考えると、生活費の手当ては独立前に決めておくのが安心です。

いまの会社に大きな不満がないなら、会社に残るのも十分に一つの選択肢です。SIerに残る場合の考え方はSIerはやめとけと言われる理由で書きました。

向いている人

フリーランスエンジニアに向いているのは、次のような人です。

  • 細かく指示されなくても、一人称で仕事を進められる人
  • 自分の裁量を、自己管理で守れる人
  • 同じ現場で信用を積み上げられる人
  • なりたい働き方から逆算して選んでいる人

僕は独立して最初の案件の面談で、基本的に一人称で仕事を進められることを伝えて合格しました。当時は.NET系の経験が7年ほどありました。会社員時代に生保や損保など金融系の案件に携わっていたので、同じ金融の現場と親和性があったのではないかと考えています。

面談する側に入ると、質問と答えがかみ合っている人は安心して任せられそうだと感じます。かみ合っていない人は、一緒に仕事がしにくそうだと感じます。

自分がどのタイプに近いか迷うときは、8つの質問で整理できるSIerキャリア診断も使ってみてください。

長く残っているのはどんな人か

フリーランスとして長く残っているのは、若手で勢いのある人より経験が豊富なベテランが多いというのが僕の印象です。今の現場では周りに2〜3人のフリーランスがいて、増えている実感はありませんが減っている印象もありません。長く生き残っていくのは、結局そういう人なのかもしれません。

僕自身、35歳くらいまでは何となく若手っぽい扱いをされていた感覚がありました。35歳を超えてから、自分の感覚も周りから求められるものも明らかに変わったように感じます。お客さんはもちろんチーム内でも、「プロ」として接されているように感じます。

「フリーランスになると会社員に戻れない」と言う人もいますが、僕は全然そうは思いません。業務委託で即戦力を期待されて、期待どおりかそれ以上の仕事ができる人。そういう人なら会社員に戻っても高いパフォーマンスを出すと思います。

独立を決める前に確かめること

独立を決める前に確かめたいのは、準備の中身と最初の案件の取り方と独立の手順です。

2016年の自分に一番伝えたいことを聞かれたら、僕はこう答えます。

そもそも「なんとかなるっしょ」という気持ちだとは思うけど、本当になんとかなるからそのまま突き進め

ただ、これは結果的になんとかなったから言えることです。僕は健康保険のことも調べないまま会社を辞めていて、準備をしなかったのは失敗だったと思っています。この言葉を、準備をしないで独立してよい理由にはしないでください。

準備しないまま独立して困ったこと

僕は手続きまわりの準備をほとんどしないまま、会社を辞めています。独立前後にやったことの順番は、次のとおりでした。

  1. 退職の半年前に、会社へ軽く打診だけしておく
  2. エージェントに独立の相談をする
  3. スキルシート(経歴書)を作る
  4. 面談を受けて、案件が決まる
  5. 退職の1〜2か月前に、本格的に退職の話を進める
  6. 退職後に、開業届・事業用の口座・クレジットカードを準備する

健康保険をどうするかは、調べていませんでした。会社の健康保険を続ける任意継続という制度があることも、よく分からないまま手続きをせず国民健康保険に入っています。退職後に届いた書類のどれが自分に必要なのか分からずに困ったのは、前の章で書いたとおりです。

仕事の環境も後回しでした。2020年にフルリモートになってからも、数年間はダイニングテーブルとノートパソコンのままでした。

独立前にやっておくことの全体と、在職中・退職直後・最初の案件が始まってからのチェックリストはフリーランスエンジニアの準備にまとめています。

最初の案件はエージェントで取る

最初の案件は、フリーランスエンジニア向けのエージェントで探すのが一般的です。会社員のうちから相談でき、案件の紹介から面談の調整・契約まで間に入ってもらえます。

僕はエージェントへの相談を、退職の話を本格的に進める前にしました。担当営業とは今も2か月に1回くらい、Zoomで30分ほど話しています。案件の状況や困っていることの相談から、プライベートの話までします。独立してからずっと、使っているエージェントは1社だけです。続けている理由は、案件が途切れないことと担当とのやり取りが楽なことです。今のままで特に不満もなかったので、他のエージェントには登録しませんでした。

ただ、つてが無いならまず複数のエージェントに登録するのがいいと僕は思っています。案件もエージェントも、複数を比べるから良し悪しが分かるからです。1社で続けるか複数に登録するかはフリーランスエンジニアのエージェントの複数登録に書きました。

エージェントを選ぶときは、商流も確かめておきたい点です。今の金融系の案件は、エンドのお客さんと僕の間にシステム開発会社とエージェントが入っています。商流が深いと間でムダにマージンがかかっていると思ってしまうので、できれば浅いに越したことはないと考えています。確かめ方はフリーランスエンジニアのエージェントのマージンで整理しました。

会社員のうちから相談できるエージェントの1つに、Midworksがあります。公式サイトでは、案件が途切れたときに報酬を保障するサービスが案内されています(審査に通過するなどの条件あり)。

会社員のうちにエージェントへ相談するPR

Midworksは、僕自身は使ったことがありません。このページからのご案内の対象は、エンジニアの経験があり関東(東京・千葉・神奈川・埼玉)・関西(大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山・三重)・愛知・福岡で働く21〜59歳の方です。会社員の方(これから独立する方)も対象です。

Midworksの公式サイトを見る

報酬保障には審査があります。内容は2026年10月5日に公式サイトで確認したものです。最新の条件は公式サイトで確かめてください。

エージェントごとの違いはフリーランスエンジニアのエージェントの選び方で比較しています。登録の前に経歴を整理しておくなら、エンジニアのスキルシートの書き方も参考にしてください。

独立の手順を確認する

独立を決めたら、退職から最初の案件が始まるまでの手順を一通り確かめておきます。手順の全体は、SIerからフリーランスになるにはにまとめました。

手順の中で特に順番を間違えたくないのは、退職と案件の関係です。僕は案件が決まってから、本格的に退職の話を進めました。案件が決まる前に辞めてしまうと、収入が止まる期間ができてしまいます。

税金や社会保険は、人によって事情が違います。分からないところは、税理士や役所の窓口などの専門家に確かめてください。

よくある質問

フリーランスエンジニアになって後悔する人はいる?

後悔する人はいるとされています。よく挙がるのは、収入が止まった月に備えがなかった場合や自己管理が合わずに崩れてしまった場合です。どちらも、独立前の準備と自分の向き不向きを確かめることで防ぎやすくなります。

フリーランスから会社員に戻れる?

戻れないと決まっているわけではありません。僕は「フリーランスになると会社員に戻れない」とは全然思いません。業務委託で期待どおりの仕事ができる人なら、会社員に戻っても通用すると考えています。

戻るときの方法や手続きはフリーランスエンジニアが正社員に戻るにはにまとめています。

フリーランスエンジニアの末路は悲惨って本当?

「末路」という言葉で語られるのは、案件が途切れて収入がなくなった場合や体を壊して働けなくなった場合です。そうなる人がいないとは言えません。ただ全員がそうなるわけでもなく、僕のように案件の間に無収入の期間がないまま続いている人もいます。備えられる理由と向き不向きで決まる理由を分けて考えると、自分がどちらに近いか判断しやすくなります。

未経験からフリーランスエンジニアになれる?

実務の経験がないまま独立するのは、難しいと考えておくのが一般的です。フリーランスは即戦力として呼ばれる立場で、エージェントの中にもエンジニアとしての実務経験を対象の条件にしているところがあります。僕も独立したときには、会社員として.NET系の経験を7年ほど積んでいました。まずは会社員のうちに経験を積むのが近道です。 必要な年数の目安と経験の数え方はフリーランスエンジニアの実務経験に書きました。

年齢が上がると案件が取れなくなる?

年齢だけで決まるものではありません。僕の今の現場では、若手より経験豊富なベテランのフリーランスが多い印象です。ただしエージェントによっては対象の年齢が決まっていることもあるので、登録する前に条件を確かめてください。

年代ごとに見られることやエージェントの年齢の条件はフリーランスエンジニアの年齢にまとめています。

まとめ:「やめとけ」の理由は備えと向き不向きで見分ける

フリーランスエンジニアが「やめとけ」と言われる理由は、収入・社会的信用と福利厚生・スキル・案件・自己管理・手続きの6つです。どれも本当のことですが、多くは独立前の準備と働き方で備えられます。

僕は2016年の独立から、案件の間に無収入の期間ができたことがありません。会社にとって必要な人材だと認められれば、案件が途切れることを心配する必要はないと思っています。一方で手続きまわりの準備はほとんどしておらず、独立した2016年は何が必要なのか分からずに困りました。

フリーランスの失敗を原因別に仕分けした記事はフリーランスエンジニアの失敗にまとめています。

自己管理が苦手な人や「しょうがないから」で独立を選ぶ人には、おすすめしません。それでも挑戦したいなら、まずは準備の中身を確かめて会社員のうちにエージェントへ相談するところから始めてみてください。

この記事を書いた人

サカイ

フリーランスエンジニア

2009年に新卒でSIerに入社し、2016年にフリーランスエンジニアとして独立。.NET中心の業務系システム、金融系の案件を2016年から継続。現場では面談する側にも入っている。

プロフィールを詳しく見る

  1. フリーランスエンジニアの単価交渉は2〜3年おき|エージェントに渡す実績メモフリーランスエンジニアの単価交渉を、2〜3年おきにエージェント経由で交渉しているサカイが解説します。切り出すタイミング、渡す実績メモの4つのブロック、希望額の決め方、希望どおりにならないときの受け止め方をまとめます。
  2. フリーランスエンジニアの面談対策|受ける側と面談する側の両方から解説フリーランスエンジニアの面談対策を、面談を受ける側と面談する側の両方を経験しているサカイが解説します。面談で見られるポイント、面談の流れ、よく聞かれる質問と答え方、事前の準備をまとめます。
  3. フリーランスの面談に落ちる理由|独立時に1社落ちた僕と面談する側の視点フリーランスの面談に落ちる理由を、2016年の独立時に面談で1社落ちたサカイが、面談する側の視点も合わせて整理します。落ちる人に共通すること、落ちないための準備、落ちた後にやることをまとめます。
  4. フリーランスエンジニアの年収のリアル|単価50万から売上1440万円までフリーランスエンジニアの年収を、月額50万円から始めて売上約1440万円になったサカイの実例と公開データで整理します。平均と中央値の読み方、年収1000万円に届く条件、年収・所得・手取りの違い、年収を上げる方法をまとめます。
  5. エンジニアが独立するには?SIerから2016年に独立した僕の手順と判断軸エンジニアが独立する方法を、SIerから2016年にフリーランスとして独立したサカイが整理します。独立のタイミングを決める判断軸、収入の目安、失敗する原因、独立の手順、独立して分かった「戻り道」をまとめます。
  6. フリーランスエンジニア1年目のリアル|初単価50万・面談・税金で迷ったことフリーランスエンジニア1年目のリアルを、初単価月額50万円で独立したサカイが振り返ります。最初の案件が決まるまで、いちばん困った税金と保険の手続き、1年目を乗り切るために先にやっておくことをまとめます。